遅咲きデビューだった根岸しおりの“生存戦略” 「芋女子」からトップレースクイーンへ

「レースアンバサダーアワード2025」を受賞した根岸しおりは、遅咲きのレースクイーンだ。デビューは3年前の26歳。今では、愛嬌たっぷりに「ねぎしお」の愛称でファンからの人気を集めているが、かつては「芋女子」だったと振り返る。そんな彼女がどのようにして“トップレースクイーン”まで上り詰めたのだろうか。

インタビューに応じた根岸しおり【写真:増田美咲】
インタビューに応じた根岸しおり【写真:増田美咲】

生き残るために選択した「黒髪ボブ」という個性

「レースアンバサダーアワード2025」を受賞した根岸しおりは、遅咲きのレースクイーンだ。デビューは3年前の26歳。今では、愛嬌たっぷりに「ねぎしお」の愛称でファンからの人気を集めているが、かつては「芋女子」だったと振り返る。そんな彼女がどのようにして“トップレースクイーン”まで上り詰めたのだろうか。(取材・文=中村彰洋)

 きらびやかな世界への憧れを抱き、2019年に一念発起で一般企業を退社。23年のレースクイーンデビューまでは、イベントコンパニオンや撮影会の仕事で自分磨きを続けながら、オーディションを受け続けた。

 落ち続けること数年。23年についにレースクイーンの座を射止めた。念願のデビューを振り返りながら、「本当にうれしかった」と屈託のない笑顔を浮かべる。一方で、「とても怖かった」とも振り返る。

「何も正解が分からなかったので、つねに不安でした。念願だった仕事を絶対に続けていきたかったので、失敗をしたくないという緊張でおびえていました」

 群雄割拠で入れ替わりの激しいレースクイーン業界。そんな環境で生き残るために、練った作戦が「黒髪ボブ」というキャラクターの定着だった。

「茶髪ロングの方々が多い世界だったので、黒髪ボブを選びました。キャッチーな『ねぎしお』というニックネームもアピールしていきました。私はお姉さん系ではなく、親しみやすいキャラクターで覚えてもらおうと必死でした」

順風満帆ではなかった過去を振り返った【写真:増田美咲】
順風満帆ではなかった過去を振り返った【写真:増田美咲】

好発進の1年目も…待ち受けていた2年目の試練「本当に苦戦」

 そんな努力も実り、1年目は「Adam by GMO 日本レースクイーン大賞2023」新人部門でクリッカー新人賞を受賞。注目度の高いレースクイーンの1人となった。しかし、順風満帆かと思いきや、2年目にも試練が待っていた。

 翌年の所属チームを決めるオーディションが落選続きだった。「10個は落ちました。本当につらかったです」と苦々しく振り返る。「1年目は本当に頑張って、結果も残したつもりでしたが、本当に苦戦しました」。

 諦めかけそうになったタイミングで、なんとか所属が決まり、レースクイーン2年目を迎えることができた。「なんとか最後に拾っていただけて、本当に奇跡的でした」。

 そんな苦難の2年目を乗り越え、3年目にして「レースアンバサダーアワード2025」を受賞した。年齢的には、29歳での受賞だったものの、3年目というスピードでの栄誉となった。

「レースクイーンになる前から、『絶対に受賞したい』と思っていました。私自身も投票していたこともありましたし、私もこういった“トップレースクイーン”と呼ばれる人になりたいと思っていました」

 惜しくもグランプリとはならず、発表されたステージ上では、思わず涙を流した。だが、その悔しさも一瞬の感情だった。

「落ち着いて考えたら、いかにすごい賞をいただけたのかということを実感しました。アワード期間は、後悔なくやりきったと思えるくらい全力投球できたので、スッキリした気持ちです」

4年目の意気込みを語った【写真:増田美咲】
4年目の意気込みを語った【写真:増田美咲】

4年目を迎えて芽生えた自覚「これからは私が支える側になれるように」

 今では、3年間貫き通した“黒髪ボブ”という個性を手放す選択ができるほどに、自信をつけることもできた。

「当時の何もない新人の頃に比べれば、表に出ることにも少しずつ慣れてきたと思います。年齢も重ねたので、少しずつお姉さん系にシフトしていきたいなと思っています(笑)。そろそろ『ねぎしお』という存在を覚えてもらえたという自信がついてきました」

 これまでは、アワードの受賞を目標に駆け抜けてきたが、4年目のシーズンは意識も少し変化している。

「モータースポーツとレースクイーンというお仕事をもっともっと広げていきたいです。この業界やレースクイーンという職業がずっと続くように、少しでも貢献していきたいと思っています。業界を盛り上げられるようなイベント企画や運営に携わっていきたいと思っています」

 今後は、さらに活動の幅を広げていきたいとも明かす。「MCなどのお仕事もさせていただけるようになって、声を褒めていただくことが増えてきたので、何か声を活かしたお仕事にも挑戦できたらうれしいです」。

 デビューからの3年間は「たくさんの人に支えられっぱなしでした」と感謝する。4年目を迎えた今年は、これまでとは異なる「ねぎしお」の顔を見せていく。「これからは私が支える側になれるように頑張りたいです」。

□根岸しおり(ねぎし・しおり)1996年11月5日、埼玉県出身。プリッツコーポレーション所属。2019年にイベントコンパニオンとしての活動を始める。23年にレースクイーンデビューを果たすと、同年に「Adam by GMO 日本レースクイーン大賞2023」新人部門でクリッカー新人賞を受賞。25年には「レースアンバサダーアワード2025」を受賞。26年は『Moduloスマイル』として活動。愛称は「ねぎしお」。

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