シーザー武志の激烈武勇伝 前田日明もビビった関西の“元祖・路上の伝説”

キックボクサー時代のシーザー武志会長の勇姿【写真提供:シーザー武志】
キックボクサー時代のシーザー武志会長の勇姿【写真提供:シーザー武志】

本名からリングネーム「シーザー武志」誕生秘話

――他にもあるんですか?

「京都のディスコで、俺の先輩が(ビール瓶で?)頭を割られてケンカになって、目の前のヤツボコボコにしながら『お前ら、誰でも呼んでこい!』ってなってね。表に行ったら100人くらい来ているんだよね(笑)」

――100人!!

「逃げた逃げた。必死! 神戸でも似たような場面があって。逃げたね。恐ろしい(笑)」

――シーザーさんでも(苦笑)。

「ケンカの時は、一発何か強いの入れちゃったら勝ちだね。先手必勝。たまに殴られてもガッと来るヤツ入るよね。怪獣みたいなヤツ。そういうヤツらはとことんやらないとダメ」

――とことんていうのは馬乗りになってガンガン殴るんですか?

「馬乗りにもなるし、それが卑怯だと思っても顔面を蹴り倒してでもやらないと」

――恐ろしすぎます!

「いや、ボロボロにやっとかないと、次やられる。後ろからでもやられる」

――もう関わりたくないと思わせないとってことですね。

「そう。恐怖を与えておかないと、絶対にやられる。そんな甘くない。映画とか漫画みたいに。だけど今になってその頃シバいたヤツらの恨みが巡り巡ってきて最近俺、体調悪いのかな(笑)」

――その後、正式にキックの世界に入るわけですけど、やっぱり腕を試そうと思ったんですか?

「ケンカで食っていけるならいいやと思って、ちょうど17歳になった時にデビューしたんですよ。だけどデビューから3戦3敗。もう辞めようかと思って。やっぱりプロって強いなって思ったね」

――甘くないと。

「そう。それで4回目。これで負けたら辞めようと思って。相手は3戦3勝。そしたらこれに勝ってね。これが1つの起点になったね。そこから一気に駆け上がって。タイに行ってもメインで勝ったし。KO勝ち」

――破竹の勢いですね! でもまだその段階では村田選手で「シーザー武志」ではないんですよね?

「そうだね」

――シーザー武志というリングネームは、お笑い芸人の方が付けたとか。

「内海カッパっていう松竹のお笑い芸人がいてね。その人は相方が具合を悪くして、その後、比叡山のお坊さんになって、その人が『シーザー武士』って付けてくれたんだけど、その名前に変えて第1戦目に負けたんですよ」

――せっかく名前を変えたのに。

「しかも相手はデビュー戦。その時に『武士』だと心がないんじゃないかと。士に心を付けて『志』にしても『シーザー武志』って読めるじゃない」

――それでシーザー武志と。

「今考えればいい名前(※シーザーは帝王の名)をつけてもらったね」

□シーザー武志(しーざーたけし)1955年8月17日生まれ。17歳からキックボクシングをはじめ日本タイトルを獲得した後、85年に自ら考案した立ち技総合格闘技「シュートボクシング」を創設。世界ホーク級の初代チャンピオンとなる。プロモーターとしても世界を飛び回り各国に加盟支部を設けるなど現在はシュートボクシング協会会長として組織を統括する。RENAやアンディ・サワーなど人気選手を輩出する一方、自身も三池崇史作品をはじめ映画などに多数出演し異色俳優としても活動している。11月28日、東京・後楽園ホールで「SHOOT BOXING 2020 act.2」を開催する。

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