小悪魔女子から柔道の名手まで「演じた役は『全部が私』」 清水くるみが描く女優像

さまざまな役を経験したが「全部が私」【写真:荒川祐史】
さまざまな役を経験したが「全部が私」【写真:荒川祐史】

女優としての未来像「息の長い女優でいたい」、憧れの存在とは…

――昨年はドラマ「わたし、定時で帰ります。」(TBS系)で演じた小悪魔女子が話題になり、映画「チア男子!!」(風間太樹監督)では柔道の名手を演じるなど、さまざまな役を演じていますが、ご自身の演技の振り幅について、どう思っていますか。

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「演じた役は『全部が私』と思っていて、人間って生きていく中で変わっていくじゃないですか。この時期の私はこうだった、あの時期の私はこんな感じだった。そこから引き出して、さらに現場で生まれるものを見つけて、身につけながら演じています。私にしかできない、私にできる役を演じようという気持ちです」

――今まで演じた役の中で特に印象に残っている役を教えてください。

「ドラマ『心の傷を癒すということ』(NHK)で演じた、多重人格の役が印象的でした。その時、うまくお芝居できない……、スランプみたいな時期だったのですが、現場で皆さんとコミュニケーションとったりする中で、乗り越えられそう、と思う瞬間があって、オンエアを見たときも、どん底から上がれた気がしました」

――ドラマと舞台で、演技の違いというのはあるのでしょうか。

「舞台は稽古期間があるので、自分で役を練る時間があるのですが、映像は瞬発力が大事ですね。映像は編集があるので、面白くないところはカットされる。舞台は練る時間はたくさんあるけど、自分のミスはカットできないので、力量がすべて出ます」

――現時点では、どちらが向いていると感じていますか。

「どちらも向いているほうがいいんですけど、どちらかというと舞台だと思います。でも、映像の瞬発力をこれから身につけたいです。瞬発力は、舞台にも生かせると思うので」

――女優としての未来像をお聞かせください。

「息の長い女優でいたいです。この人、この作品にも出てるんだ! という感じというか、この人が出ているってことはいい作品かも! みたいな。例えば、樹木希林さんが出ている作品は、全部面白いじゃないですか。そんな女優さんになりたいですね」

――役者業とは別に、タレント活動で考えていることはありますか。

「これから表現者としてもやっていかなければならない時代になったと思うので、もっと自分のことを話せるというか、ラジオとかそういうのもやってみたいです。もっとたくさん、皆さんと話せる機会もできたらと考えています。そういうことができる世の中になってほしいし、そういうことができる人にならなきゃいけないと思っています」

――「現代能楽集 X『幸福論』」上演へ向け、ファンのみなさんへメッセージをお願いします。

「学生チケットもありますので、是非、若い人にも観ていただけたらいいなと思っています。能楽と聞くと、難しいのかな? と思われがちですが、現代能楽集はとても分かりやすく、解釈できる作品です。私もそうですが、年を重ねて、学校に行かない年齢になっても、永遠に勉強はするべきだと思うし、この舞台はきっと現代の問題についても考えられると思うし、昔のことも興味を持てる作品なので、いろんな年代の方に見ていただきたいです」

□清水くるみ(しみず・くるみ) 1994年7月16日生まれ、愛知県出身。07年に開催されたアミューズ30周年全国オーディションにて、6万5368人の応募の中からグランプリを獲得。翌年から女優としての活動をスタートし、ミュージカル「サムシング・ロッテン!」、劇団☆新感線「修羅天魔~髑髏城の七人Season極」、「ロミオ&ジュリエット」などに出演。昨年はドラマ「わたし、定時に帰ります」(TBS系)で“小悪魔女子”を好演して話題となった。11月29日より、世田谷パブリックシアター/シアタートラムで上演される、舞台「現代能楽集 X『幸福論』~能『道成寺』『隅田川』より」に出演する。

ヘアメーク:堀川知佳
スタイリスト:山本隆司

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