「UFCファイターだぞ?」制止振り切り川尻達也が自らディープキス 47歳のプロレスデビューで見えた覚悟

青木真也の自主興行「エイオキクラッチ 01」が20日、東京・新宿FACEで行われた。元総合格闘家の川尻達也(47)がプロレスデビュー戦で男色ディーノと対戦し、男色ドライバーの前に敗れた。

充実感ある顔をしていた川尻達也【写真:ENCOUNT編集部】
充実感ある顔をしていた川尻達也【写真:ENCOUNT編集部】

4か月かけて肉体を仕上げてきた

 青木真也の自主興行「エイオキクラッチ 01」が20日、東京・新宿FACEで行われた。元総合格闘家の川尻達也(47)がプロレスデビュー戦で男色ディーノと対戦し、男色ドライバーの前に敗れた。


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「UFCファイターだぞ?」「プライドはないのか?」。試合中、レフェリーの制止を振り切って男色ディーノと濃密なキスを交わす場面は、会場を大熱狂の渦に巻き込んだ。

 プロレス初挑戦の川尻といえば、修斗、PRIDE、DREAM、RIZIN、UFCと国内外のメジャープロモーションで激闘を繰り広げてきた日本屈指の総合格闘家だ。現在は格闘技イベント「RIZIN」の解説を務めている。

 現在47歳。格闘技の第一線からは長く離れていたが、この日披露した体はバキバキだった。リングに上がるため、断酒してオートミールを毎日食べ、4か月かけて肉体を仕上げてきたという。過酷な日々に思えるが、彼の中で勝ったのは苦しさよりも充実感だった。

「引退して、死んでるのか生きてるのか分からない刺激のない毎日やってたんですけど、この4か月間はね、すごい刺激があった。そこは青木に感謝したいし、いい経験になりましたね」

 プロレスのリングに上がったからといって、いきなり“プロレスラー”らしい戦い方はしない。強烈なボディーパンチの連打に重たいローキック。男色ディーノの代名詞である股間攻撃を嫌がって何度もかわす姿に、観客席からは「川尻、空気読め!」との愛あるヤジも飛んだ。

 ディーノのリップロック(キス攻撃)を食らっても容赦ないミドルキックを返していた川尻だったが、ディーノが「今日だけは私がプロレスだ!」とすべてを受け止める姿勢を見せると、頑なだったスタイルにも変化が訪れる。

 リング上で激しく葛藤。和田良覚レフェリーも思わず「UFCファイターだぞ?」と制止したが、なんと自らディーノの唇を奪いにいったのだ。この瞬間、会場は爆発的な大歓声に包まれた。

 試合後のバックステージ。川尻は「えぐいっすね。男と初めてあんな濃い、ディープキスをしたので。まさかおじさん同士のキスを皆様に見てもらうとは思わなかった」と苦笑い。「面白かったし、彼に引っ張ってもらって、なんとか試合を成立させることができた」とディーノの懐の深さに感謝した。

 主催者である青木はこの試合に「川尻が強くなれるきっかけになる試合かもしれない」と期待感を寄せていた。川尻はディーノからしっかりと強さを受け取ったようだった。

「格闘技は勝つことでお客様にアピールするけど、プロレスは対戦相手と共にお客様のために頑張るようなイメージだった。全然違うし、それはそれで楽しかった」

 一夜限りのプロレスとして挑んだが、その気持ちにも変化がありそうで「今日がプロレスラー・川尻達也としてのデビュー戦で引退試合。1回限りです」としつつも、「プロレスラーはよく引退撤回して、大仁田さんとかも7回ぐらい復帰してるんで。もしかしたら、またあるかもしれないけど」と笑顔で明かした。

 少年時代は『週刊プロレス』を毎週買い、三沢光晴やUWFの高田延彦に憧れていたという。「三沢のエルボーがあればヒクソン・グレイシーに勝てると本当に信じていた。そこからMMAファイターっていう人生ができた。そのきっかけであるプロレスを経験できてすご良かったし、今日は高田延彦リスペクトで、全部紫(のコスチューム)でそろえました」。

 47歳という年齢で新しいことに挑戦し、充実した表情で帰っていく。川尻の覚悟とプロ意識に感服したファンは多いはずだ。

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