RIP SLYME、活休前ラストライブで届けた25年分の感謝 終演後に流れた“粋”なエンドロール【ライブレポート】

4MC+1DJのヒップホップグループ・RIP SLYMEが20~22日の3日間、TOYOTA ARENA TOKYOで活動休止前のラストライブ『RIP SLYME 25th Anniversary GREATEST LIVE ~ Final Three Nights ~』を開催した。当選倍率は約5.5倍というプレミアチケット。3日間で約3万人を動員し、活動休止前の5人のステージを見届けた。ENCOUNTでは最終日となった22日の公演をレポートする。

『RIP SLYME 25th Anniversary GREATEST LIVE ~ Final Three Nights ~』を開催したRIP SLYME【写真:砂流恵介】
『RIP SLYME 25th Anniversary GREATEST LIVE ~ Final Three Nights ~』を開催したRIP SLYME【写真:砂流恵介】

活動休止前ラストライブは倍率約5.5倍のプレミアムチケットに

 4MC+1DJのヒップホップグループ・RIP SLYMEが20~22日の3日間、TOYOTA ARENA TOKYOで活動休止前のラストライブ『RIP SLYME 25th Anniversary GREATEST LIVE ~ Final Three Nights ~』を開催した。当選倍率は約5.5倍というプレミアチケット。3日間で約3万人を動員し、活動休止前の5人のステージを見届けた。ENCOUNTでは最終日となった22日の公演をレポートする。(取材・文=福嶋剛)

 開演カウントダウンが始まると客席は自然と立ち上がり、10秒前には会場全体が声を合わせた。残り時間がゼロになった瞬間、ステージ後方からゆっくりと5人がせり上がってきた。

 1曲目は再集結後の第1弾配信シングル『どON』を全力全開でぶちかました。続く2曲目にはメジャーデビューシングル『STEPPER’S DELIGHT』、3曲目に2ndシングル『雑念エンタテインメント』と、キャリアの原点をさかのぼるセットリストにコアなファンが沸いた。

 RYO-Zが「懐かし過ぎて知らない人もいると思いますけど、こういう曲は知ったふりをしろ!」と煽り、『GALAXY』『チェッカー・フラッグ』とたたみかける。

 6曲目『熱帯夜』のイントロが鳴ると大歓声が起こり。「今日でしょ! 今夜こそが一番熱い日になるはずですよね?」とRYO-Zがあおり、オーディエンスは大きく手を挙げた。ここでRYO-ZとPESがステージ中央で肩を組み、それを見たSUとILMARIが駆け寄って4人で肩を組んだ。その光景に会場のボルテージはさらに上がった。

 ここにサプライズゲストのchayが真っ赤な衣装で登場し、『JUMP』へ。「千秋楽ですから。これ以上はないジャンプを」とRYO-Zが煽ると、SUの「いくぜ!」を合図に会場全員が一斉に跳んだ。

 RYO-Zが「活休前と言ったって、しんみりは似合いません。最後の最後までド派手なパーティにしたい」と宣言。FUMIYAの強烈なスクラッチが炸裂した『By The Way』、ゆるい振り付けが愛らしい『ミニッツ・メイド』、仲間との温かな絆を歌った『気の置けない二人』と丁寧に紡いでいく。

『SLY』では女性ファンの黄色い声援が響き、ミドルテンポのビートに会場が揺れた。一転してBPMが跳ね上がった『SPASSO』からノンストップで『Bubble Trouble』へ雪崩込み、再び熱気が頂点に達する。

25年間の感謝を伝えたRIP SLYME【写真:砂流恵介】
25年間の感謝を伝えたRIP SLYME【写真:砂流恵介】

『黄昏サラウンド』では懐かしのMVが流れ『One』では大合唱が巻き起こる

 続くゲストコーナーでは在日ファンクが登場。浜野謙太がRIP SLYMEの4人をステージ中央に呼び寄せ、仁義のポーズで場を制してから『Vibeman』へ突入。ホーン隊の生音とファンクグルーヴが会場を席巻した。RYO-Zはここで「ファンのみなさんがいなかったら僕たちもいなかった。本当にありがとうございます」と改めて感謝を伝えた。

『黄昏サラウンド』では正面スクリーンに当時のMVと現在のメンバーが並んで映し出され、時の流れが視覚的に重なった。続く『One』は特別な演出こそないが、大合唱の中で自然と胸が熱くなる一曲だった。

 RYO-Zが「そろそろパーティに戻ろうかな」と口にした瞬間、会場はすでに次のゲストを察知していた。VERBALとサンバダンサーたちがステージに上がり、『パーリーピーポー』で場を掌握。その勢いのまま『BLUE BE-BOP』『Watch out!』『Wacha Wacha』『Good Day adidas Originals remix by DJ FUMIYA』『Good Times』となだれ込み、『楽園ベイベー』へ。観客全員のワイパーが揺れ、ILMARIはDJブースに上がってFUMIYAと肩を並べて歌った。

 そして「今一度この曲でつながっていいですか」とRYO-Zが呼びかけると、『JOINT』へ。タオルが一斉に回り、1万人が声をそろえた。この曲恒例のSUの「STOP」で全員が静止し、しばしの沈黙の後、SUは真剣な顔でひと言つぶやいた。「25年間ありがとうございました」。その瞬間、悲鳴と歓声が入り混じった声が会場を包んだ。

 曲が終わるとFUMIYAが『FUNKASTIC』のイントロを鳴らした。RYO-Zが「今日は普通のファンカじゃねえぜ! スペシャルゲストを紹介します。布袋寅泰!」と叫んだ瞬間、この日最大の地鳴りのような歓声がTOYOTA ARENA TOKYOを揺らした。ステージ中央から、ギターを手にした布袋寅泰が威風堂々とせり上がってきた。

 布袋の存在感はそれ自体がひとつの巨大な音圧だった。映画『キル・ビル』でも知られる『BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY(新・仁義なき戦いのテーマ)』を奏でながら、ファンキーなリズムで5人に真正面から挑む。RIP SLYMEの4MCとFUMIYAも怯まず、マイクとターンテーブルで応戦した。通常の「コラボ」とは明らかに異なる、互いに一歩も退かない本気のバトルがステージ上で展開された。『FUNKASTIC BATTLE ~RIP SLYME vs HOTEI~』は、引き分けと言うほかない激闘だった。最後は5人が布袋と熱い抱擁を交わし、布袋寅泰らしく無言のままステージを降りた。

「お互いに元気だったらまたどこかで!」と締めくくったRIP SLYME【写真:砂流恵介】
「お互いに元気だったらまたどこかで!」と締めくくったRIP SLYME【写真:砂流恵介】

Wアンコールに選ばれたのは『マタ逢う日マデ』

 興奮冷めやらぬ中、RYO-Zが「最後にもう1曲だけ」と言って本編ラストの『Dandelion』へ。風に乗って旅立つタンポポの綿毛のように、別れの先にも命は続くというこの曲の意味を、ファンはこの夜の文脈でしっかりと受け取っていた。

 大きな手拍子と「RS5」の大合唱に迎えられてアンコールへ。5人が笑顔で戻ると、SUは感想を問われ「なんか、いろいろよみがえってきた感じで……ガガーっとよみがえってきて、目もパーッと開いてさ」と抽象的に語った。「だから何がだよ!」とRYO-Zがツッコみ、ILMARIが「SUさんはこうやって何言ってるか分からないと思ったら急に泣き出すから」と補足すると、ステージもフロアも笑いに包まれた。

 アンコール1曲目は『Super Shooter』。5人で振り付けを楽しみ、手をつなぎ、輪になって踊った。RYO-Zが「性格もキャラクターもバラバラな5人が25周年を迎えられたのは、つないでくれたスタッフと、みなさんのおかげです」と言葉を絞り出し、『Wonderful』へ。後方スクリーンには5人の晴れやかな表情が映し出された。そしてステージ後方のせり上がりに5人が並んでラインダンスを踊り、そのまま静かに降りていった。

 ダブルアンコールを求める手拍子が鳴り止まない中、オレンジ色のつなぎ姿で5人が再登場した。「本当に本当に最後にもう1曲だけ。改めて25年間ありがとうございました。RIP SLYMEでした!」

 選ばれた曲は『マタ逢う日マデ』。客電が灯り、明るくなった会場でワイパーが揺れながら最後の一曲を記憶に刻んだ。曲が終わると5人は抱き合い、「お互いに元気だったらまたどこかで! RIP SLYMEでした」と締めくくった。

 エンドロールでは25周年のオフショットが流れ、最後にメンバーひとりひとりの写真と名前が映し出された。これまでSUの名前の横には「友情出演」「スペシャルゲスト」といった肩書がジョークとして添えられてきたが、この夜はそれが消え、正式なメンバーとして紹介された。それに気づいた観客からひと際大きな拍手が湧き起こった。

 涙は似合わない、と言い続けてきたRIP SLYMEらしい活休前のラストショーだった。25年と今と未来、その全てが詰まったセットリストを前に、ファンもいつかまた集まる日を確かに信じていた。

25年の全てが詰まったセットリストに【写真:砂流恵介】
25年の全てが詰まったセットリストに【写真:砂流恵介】

○『RIP SLYME 25th Anniversary GREATEST LIVE ~ Final Three Nights ~』3月22日セットリスト
1.ど ON
2.STEPPER’S DELIGHT
3.雑念エンタテインメント
4.GALAXY
5.チェッカー・フラッグ
6.熱帯夜
7.JUMP with chay※chayサプライズ出演
8.By The Way
9.ミニッツ・メイド
10.気の置けない二人
11.SLY
12.SPASSO
13.Bubble Trouble
14.Vibeman feat. 在日ファンク※在日ファンクサプライズ出演
15.STAIRS
16.黄昏サラウンド
17.One
18.パーリーピーポー(Hosted by VERBAL)※VERBALサプライズ出演
19.BLUE BE-BOP
20.Watch out!
21.Wacha Wacha
22.Good Day adidas Originals remix by DJ FUMIYA
23.Good Times
24.楽園ベイベー
25.JOINT
26.FUNKASTIC BATTLE~RIP SLYME vs HOTEI~※布袋寅泰サプライズ出演
27.Dandelion
-ENCORE-
EN1.Super Shooter
EN2.Wonderful
-W ENCORE-
WEN1.マタ逢ウ日マデ

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