RIZINは「まだPRIDEを超えられてない」 榊原CEOの真意とは…小川直也と久々再会でまさかの発言
12日、“暴走王”小川直也が自身のYouTubeチャンネル「暴走王ch」を更新。RIZINの榊原信行CEOとの再会動画を公開した。動画によれば両者が再会するのは「INOKI BOM-BA-YE×巌流島」(2022年12月28日、両国国技館)以来、約3年2か月ぶりになるという。

「電撃再会」を果たした小川とRIZIN榊原CEO
12日、“暴走王”小川直也が自身のYouTubeチャンネル「暴走王ch」を更新。RIZINの榊原信行CEOとの再会動画を公開した。動画によれば両者が再会するのは「INOKI BOM-BA-YE×巌流島」(2022年12月28日、両国国技館)以来、約3年2か月ぶりになるという。(取材・文=“Show”大谷泰顕)
「電撃再会」。サムネイルに大きくそう書かれた両者の再会は、動画内で榊原CEOが小川のことを「オーちゃん」と呼んでいることからも、会ってはいなかった時間を感じさせない、裏を返せば両者の親密さを感じさせるものだった。それだけに、動画内には数多くの注目すべき発言が連発されていた。
まず、小川は「今日のゲストはなんとなんと待ちに待ちました。待ってました、RIZINの社長です。元は一緒にやっていました、バラさんこと、榊原信行社長ですね」と話を進めていくが、ほどなくすると榊原CEOが「まだ(RIZINは)PRIDEを超えられていないんじゃないか」との衝撃発言を口にする。
さらにPRIDE時代に、並行して開催されていたファイティングオペラと呼ばれた「ハッスル」ではGMを務めており、現在はRIZINで榊原CEOの右腕となっている笹原圭一広報部長が加わると、話はより多重構造の様相を示していく。
たとえば、2004年に開催されたPRIDEヘビー級グランプリ。これに小川はエントリーを果たしたが、この年は正式に「ハッスル」が産声を上げた年でもあり、小川は文字通り、月替わりのようにPRIDEと「ハッスル」を行き来していた。分かりやすい言い方をすれば「(異種)格闘技」のPRIDEと「プロレス」の「ハッスル」を行ったり来たりしていたのだ。ここまでサラッと書いてしまったが、今考えるとそれは非常に難易度の高い表現方法だった。
当時を振り返ると、クライマックスは小川VSエメリヤーエンコ・ヒョードル戦(2004年8月15日、さいたまスーパーアリーナ)になるだろう。「氷の皇帝」と呼ばれたヒョードルと小川の一騎打ちはグランプリ最終戦の準決勝戦で争われたが、結果として小川は開始54秒でまさかの秒殺負けを喫してしまう。
榊原CEOは「ヒョードル戦の、あの時の熱はすごかったじゃん。俺はオーちゃんが負けて、四方に頭を下げているのを含めて、なんか来るものがあるもんね」「今思い出してもウルッときちゃう」と話した。
たしかあの大会は、いや、あの年はPRIDEグランプリは3大会、すべてさいたまスーパーアリーナのスタジアム仕様だったが、それもすべては小川の活躍が大きく貢献していたことは間違いがない。
自分の負けた試合をすぐさまネタにできるすごみ
以降、その場でのやりとりを再録する。
小川「(2004年は)『ハッスル』と(PRIDEを)2つやっていたから。そういう裏の側面もあったよね」
榊原「『ハッスル』の救済のために……」
小川「トータルでやっていたから」
笹原「素晴らしい作品ですね」
榊原「面白かった。あんなおもろいことをやる格闘家はあとにも先にも……」
笹原「小川さんだけです。だってあの後、ヒョードルとやって負けた後で、『ハッスル』のリングで(ヒョードルに54秒で負けたことから)ロシアン54っていう選手と対戦するんです。素晴らしくないですか? こんなことできる人いないですよ。最高ですよ!」
――自分の負けた試合をネタにできるんですからね。
小川「ネタにしないとダメなのよ。するヤツいないんですか、今」
榊原「いないですね。そこまでの人はいないなあ……」
このやりとりの重要なポイントは、PRIDEと「ハッスル」を連動させるだけでも至難の業なのに、小川がヒョードルに秒殺負けをしたという自らの失敗をすぐさま自虐ネタにできる度量やすごみがあった、ということだろう。
榊原CEOいわく、「あの当時は“小川旋風”じゃないですか。PRIDEの中でも小川さんが何をするのか。一挙手一投足に注目が集まっていた。一時代を本当に築きましたからね」と振り返る。
さらに榊原CEOは「オーちゃんがすごいのは、そこまでリアルな真剣勝負を世界の猛者たちと繰り広げながらの、『ハッスル』だもんね」と絶賛すると、すかさず笹原広報が「両方やっていたんですよね」と呼応すると、榊原CEOは「誰もやっていない、いまだに」と続けた。
すると榊原CEOと笹原広報の双方から「よくやってましたね」と問われた小川は「二刀流ってね、ホント二刀流だから」と返答した。
最後に榊原CEOは、当時を振り返り、「社会現象になってるじゃん。ハッスルハッスルのポーズもさ、ロゴの入ったTシャツとかも、ホントに格闘技のターゲット層がある年代に凝縮されたものじゃなく、ホントに子どもからお年寄りまで楽しめる、みんな見たくなるようなものが作れていたと思う」と総括した。
おそらくこの辺りの物言いが、榊原CEOいわく、「まだ(RIZINが)PRIDEを超えられていない」と語った理由ではないかと推測する。
しかしながら、野球界ではMLBの大谷翔平によって、日本人でもハイレベルな二刀流が実現可能なことが証明されたが、実は格闘技界では、昭和の時代はアントニオ猪木によって、そして猪木引退後は小川直也をはじめとする愛弟子たちがこれを実現していた。今回の動画は、それを改めて認識することができる内容だった。
(一部敬称略)
※榊原CEOの「榊」の正式表記は木へんに神
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