乃木坂46の3期生・梅澤美波は、加入して9年目を迎え、2023年2月からキャプテン務めている。グループは40枚目シングル『ビリヤニ』を26日にリリース。今年2月に加入したばかりの6期生・瀬戸口心月と矢田萌華が、初選抜で初のダブルセンターとなった。一方で27日には、中心的存在だった同期の久保史緒里が卒業。常に変化していく大所帯の中、まとめ役として心掛けていること、個人としての目標をENCOUNTに語った。（取材・文＝星川莉那）。

　梅澤は、『ビリヤニ』について「乃木坂46として挑戦した曲」と表現した。

「6期生の2人がセンターに立ってくれているこの曲は、ちょっと不思議な世界観です。また、新しいイメージを持っていただけるんじゃないかなと思います。グループとしては活動14年ですけど、また一つ引き出しが増えるような期間になればいいなと思います」

　新センターの注目度と並ぶほど、楽曲のタイトルも話題になった。『ビリヤニ』は、スパイスを効かせて米と具材を炊き込むインド料理。歌詞では、男の子が好きな女の子を「食べたことないビリヤニ、食べてみたくない？　一緒にいかない？」と悩みながら、デートに誘う様子を描いている。ミュージックビデオ（MV）撮影は、まさにインドをイメージするセットの中で行われていた。

「わちゃわちゃして楽しかったです。ここまでちゃんとイメージが固まったMVもなかなかないので、初めての空間でした。個人的にはダブルセンターの2人が、ずっと自分たちのシーン以外もモニターを立って見ているのが印象的でした。後半になって2人がマネジャーさんと来て、『梅澤さん、一緒に写真撮ってください』と来てくれたことが印象的でした。後日には、『写真撮ってくれてうれしかったです』と言ってくれました。かわいかったですし、『いろんな緊張の糸を張り巡らせながら、現場にいたんだな』と思ってすごく愛おしく思いました」

　常にグループのことを最優先に考えることが、キャプテンの役割。約2年間、副キャプテンを務めていた梅澤は当時、「私じゃなく、他の子の方が向いてる」と感じていたという。それでも、葛藤しながら重責を全うしていく中で、この役割の意義を見出した。

「メンバーに声をかけるタイミングは本当に難しいです。それぞれの置かれている環境や、抱えていることも違うからです。『何を言えば、みんなに共通して響くんだろう』と思いますし、ライブ前の円陣で、みんなの目を見て話すのが『すごく怖い』と思う時もあります。みんなに響くことを言うには、『信頼されないとダメ』と感じているからです。でも、やりがいはあるし、いろんなことを考える幅が広い。だから、よりグループを愛せる。そこがこの役割の魅力だと思います」

　身長170センチの梅澤は『with』の専属モデル、『CLASSY.』のレギュラーモデルを務めるなど、個人の活動も精力的だ。文字通り、ハードスケジュールな日々を続けているが、「めっちゃ、タフだと思います」と言い、笑顔で続けた。

「お芝居の現場に行くと、『アイドルだよね』って思われたくなので、より気を張ります。ただ、私はいろんな現場がある方が切り替えやすいです。それに、グループを外から見た方が、『今、こういう雰囲気だな』って気付けることが多いです」

　モデルとして、挑戦したいことも語った。

「この道をもう少し広げることで、グループに還元できることが多いと感じています。専属モデルとして活動された先輩がいて、『アイドルがくくられず、外に出ていっていい』と見せてくれました。そして、私自身は海外のファッションショーに出たいです。めちゃくちゃ大きな目標ですけど、そういう場にいけたらいいなと思います」

□梅澤美波（うめざわ・みなみ）　1999年1月6日、神奈川県生まれ。2016年9月4日、乃木坂46の3期生オーディションに合格。3代目キャプテン、『with』の専属モデル、『CLASSY.』のレギュラーモデルを務めている。18年8月8日発売の21枚目シングル『ジコチューで行こう！』で初の選抜メンバー入り。さらに同作品のカップリング曲『空扉』でセンターを務めた。同年6月に上演された「乃木坂46版 ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』でセーラージュピター／木野まこと役。今年6月に上演された『梨泰院クラス』でオ・スア 役を演じた。170センチ。血液型A。