池井戸潤氏『俺たちの箱根駅伝』がドラマ化 選手側とテレビ局側の目線から描く感動物語

直木賞作家・池井戸潤氏の『俺たちの箱根駅伝』(文藝春秋刊)が、2026年に日本テレビ系でドラマ化されることが19日に発表された。ドラマ放送時期の詳細は未定となっている。

『俺たちの箱根駅伝』がドラマ化されることが決定した【写真:(C)日本テレビ】
『俺たちの箱根駅伝』がドラマ化されることが決定した【写真:(C)日本テレビ】

池井戸潤氏「もう二度とこんな小説は書けないでしょう」

 直木賞作家・池井戸潤氏の『俺たちの箱根駅伝』(文藝春秋刊)が、2026年に日本テレビ系でドラマ化されることが19日に発表された。ドラマ放送時期の詳細は未定となっている。

 池井戸氏は『半沢直樹』『下町ロケット』『陸王』『七つの会議』『民王』『アキラとあきら』『シャイロックの子供たち』など数々のヒット作を送り出してきたベストセラー作家。今作の舞台は、正月の風物詩・箱根駅伝。どん底から勝利を目指す大学陸上競技部のランナーと監督、箱根の走りを生中継するテレビ局員たちのそれぞれの目線から、熱意やプライド、駆け引き、思惑を描いた感動の物語となっている。

 日本の風物詩が題材なだけに、最初の構想から実際に執筆にとりかかるまで、池井戸氏はかなりの年月を要し、10年以上の取材期間も経たという。

 中継ポイントの中で“小涌園前”だけが旅館の実名である理由や、生中継の現場で代々受け継がれている“放送手形”など、胸が熱くなる箱根駅伝のトリビアに加えて、青山学院大学ほか箱根駅伝常連校も実名で登場することで、レースそのままの予測不可能なドラマが臨場感たっぷりに描かれていく。

 以下、池井戸潤氏のコメント全文

「『箱根駅伝』の中継ポイントは地名で呼ばれるのに、なぜ「小涌園前」だけが地名ではなく施設名で呼ばれるのか?こんな小さな疑問が、上下巻に及ぶ膨大なストーリーと人間ドラマに発展するとは思いませんでした。

 ランナーとして、またそれを支える側に回って「箱根」に賭ける学生たちの情熱、タスキへの思い。その映像をリアルに届けようと奮闘するテレビマンたちの執念。いかにエンタメとはいえ、迂闊に手を出せない真剣勝負をどう小説に落とし込むのか――。

 書きたいと思ってから、実際に書き上げるまで、気がつけば何年もの月日が流れていました。学生ランナーはもとより、『箱根駅伝』に関わる全ての人達へのリスペクトを胸に、彼らに負けない熱量をもってひたすら書いた、まさに渾身の一作です。視聴者の皆さん、そして読者の皆さんも、ひとりのランナーとなってタスキを繋ぐ友情と信頼、そして意地と執念がぶつかり合う全十区、217.1キロを駆け抜けてください。もう二度と、こんな小説は書けないでしょう」

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