真価が問われる「勝負の夏」 新体制5か月、Peel the Appleを突き動かす“負けたくない”思い
アイドルグループ・Peel the Apple(通称ぴるあぽ)は、今月22日にフリーライブツアーのfinal公演を行う。1月に新メンバー2人を迎えてから5か月、数々のフェスが控える夏に向けても大切なワンマンライブ――。グループ結成当初からメンバーたちをけん引してきた佐野心音に、現体制のぴるあぽの魅力やツアーfinal公演の見どころについて聞いた。

佐野心音…グループの魅力を広めることを追い求めた5か月間
アイドルグループ・Peel the Apple(通称ぴるあぽ)は、今月22日にフリーライブツアーのfinal公演を行う。1月に新メンバー2人を迎えてから5か月、数々のフェスが控える夏に向けても大切なワンマンライブ――。グループ結成当初からメンバーたちをけん引してきた佐野心音に、現体制のぴるあぽの魅力やツアーfinal公演の見どころについて聞いた。(取材・文=小田智史)
――ぴるあぽは今年1月1日に新メンバー2人の加入が発表されました。新体制となり、どのような5か月間でしたか。
「初期メンバーが半分の4人(佐野、浅原凜、春海りお、山崎玲奈)になって、『もっとこうしなきゃいけないね』とみんなでたくさん話しましたし、新しい今のぴるあぽを好きになってもらうためにはどうしたらいいんだろうとも考えました。3月から始まったフリーライブツアー期間を含めて、ぴるあぽの魅力を広めることを追い求めてきた5か月間でした」
――新メンバーの伊織ふう香さんと佐藤涼風さんは、佐野さんから見てどんなアイドルですか。
「新メンバーの2人は本当におもしろいです(笑)。ふうちゃんはたまに変な発言をしたり、場を和ませてくれたりおもしろいけど、しっかりしています。涼風は新しいタイプの変人すぎて(笑)、『こういう人っているんだな』と新たに発見した人種みたいな感じです。でも、パフォーマンス面でグループを引っ張ってくれているのですごく頼りにしています。2人は加入して3週間くらいで新体制ワンマン(1月24日開催)だったので、とにかく詰め込んだ感じで、正直余裕はなかったと思います。そこから数か月が経って、『涼風のここの手ぶりが良かったからやりなよ』と言ったら積極的にやっていたりして、自分の魅せ方が“ぴるあぽらしく”なってきたと感じるので、すごくうれしいです」
――佐野さんを含めて、既存メンバーに変化はありましたか?
「今まで以上に、メンバー1人1人がぴるあぽのことを考えているなと伝わってくるようになりました。例えば(2023年4月に)途中加入したメンバーの(南)るなは、ぴるあぽについて考える時間が増えたと言っていたし、(フリーライブの)ツアーファイナルのセトリを考えるミーティングでも、『これじゃない方がいいんじゃない?』『逆に、これはここの方がいい気がする』と意見を積極的に出してくれるようになりました。“赤ちゃん”の部分は変わらないけど(笑)、『お姉さんになったな』『ぴるあぽにこれまで以上に向き合ってくれているんだな』と伝わってくるようになりました」

「心を鬼にして」意見を言った5か月間
――ぴるあぽは3月からフリーライブツアーを開始。3か月間で11都市・27公演を経て、今月22日にfinal公演を迎えます。フリーライブツアーはどのような経験になりましたか。
「新体制のぴるあぽを知ってもらおうという思いから始まりました。フリーライブの会場はいろんなお客さんに見てもらえる反面、ライブハウスと環境が違うので最初は正直手こずりました。でも、だんだん普段のライブと全曲撮影可能なフリーライブの見せ方を変えようという話になって。フリーライブは新しいお客さんにぴるあぽを好きになってもらうのはもちろん、セトリを変えたりして今いるお客さんにどうやって喜んでもらうかも考えるようになりました。メンバーも最初はぶつかったりしていたけど、ここが空いてるから隙間に入ってみようとか、対応力も身についてきたと感じています」
――逆に、この5か月間での苦労はありますか。
「正直、全部大変でした(笑)。リーダーもみちゃん(松村美月)からりん(浅原凜)に代わったし、初期メンバーも4人になって、今までやってきたことが通用しなくて、自分たちをどう見せたらいいのか、すごく悩みました。これまでのフォーメーションとか全部変わってしまって、最初は放心状態みたいな感じで(苦笑)。今はりんがリーダーを務めてくれている中で、私も言わないといけないこともあって。以前はみちゃんが話さずともいろいろやってくれていたので、改めてみちゃんの苦労を肌で感じたし、パフォーマンスだけじゃなくて広い部分で悩むようになりました」
――佐野さんは、これまでも率先してグループのために意見を言っていた印象です。
「今までは悩んで、それでもみちゃんが分かってくれていたし、何も言わなくても察してくれていました。今は『こうした方がいいんじゃない?』というのを、その場で自分から発信しないといけない。心を鬼にして言うようにしています」
――その中で、佐野さんのアイドルとしてのこだわり・理想像を教えてください。
「私がアイドルを目指したきっかけは、自分がステージに立っていろんな人を笑顔にしたいと思ったこと。その気持ちは、あの当時からずっと忘れていません。『パフォーマンスがいいね』と褒めていただけることが多いので、常にパフォーマンスは熱いアイドルでいたいと思っています。私はよくライブであおり役をやっていますけど、あおりを参考にさせてもらっていると言っていただいたり、パフォーマンスが好きとうれしい言葉をもらうことが増えました。どこで誰が見ているか分からないし、どんな時も全力というのは忘れず、アイドルさんからも憧れられるアイドルを目指しています」

ツアーfinal公演で新曲初披露へ
――ぴるあぽは今月14日、新曲『マキシワンピは夏の色』のミュージックビデオ(MV)が公開されました。
「新体制では『終世、あなたを想います』、『はぴらきえくすちぇんじ』と幅広くて、ぴるあぽとして挑戦の曲を2つ出した感じでした。『マキシワンピは夏の色』はどストレートに、“ザ・ぴるあぽ”の夏曲。ぴるあぽは『VIVA夏サンシャイン』『灼熱Glitter』『夏、恋はじめます』と夏曲のイメージが強い気がします。今まで半音下がったマイナー調でしたけど、今回はメジャーコードで、明るい、『夏!』って感じ。ラブラブな恋愛ソングで、やっと恋が実ったんだというストーリー性を感じていただけるはずです。初めて聴いた時から、この曲で夏を駆け抜けたら、絶対にすてきな夏になるなと。夏フェスとかでも盛り上がると思います。MVも海で撮ったので、ぴるあぽの夏が来たなと映像を見るだけでも感じられるはずです」
――22日のツアーfinal公演の意気込みを聞かせてください。
「新曲を用意してきたのはもちろん、このツアーファイナルで今年のぴるあぽの夏は決まるというくらい大事だなとずっと思ってきました。新体制になって、今のぴるあぽは皆さんにどう映っているのか、大きいステージを目指してやってきたけどこの夏もそこに立てるのかとか、不安に思うことも多かったです。ファンの方にも、これからどうなるんだろうと思わせてしまっていた部分はあったかもしれません。でも、1月の新体制ワンマンから成長した姿を見せたい。『やっぱりぴるあぽについていきたい』『この夏、ぴるあぽと一緒に駆け抜けたい』と思っていただけるようなライブにしたいとメンバーと話しています」
――ぴるあぽは7月16日に5周年を迎え、熱い夏に向かっていきます。
「もう5周年なんだという気持ちもあります。5年やってきて、これまで一緒に頑張ってきたアイドルさんが卒業されたり、グループ解散というのを目にしてきましたが、私たちは頑張ると決めました。一緒に頑張ってきたアイドルさんたちが他の大きなステージに立つのを見て、より悔しいと思うようになったし、自分たちにも、周りにも負けたくない。踏ん張りどころというか、ここを乗り越えないと未来はないと思っています。本当に『勝負の夏』です。まだまだぴるあぽ行けるぞと感じてもらえるグループになっていきたいので、これからも応援をよろしくお願いします!」
□佐野心音(さの・ここね)2001年8月28日、神奈川県出身。“Bメロの佐野”とも呼ばれる抜群の歌唱力、ダイナミックなダンスとパフォーマンス面でグループをけん引。熱いハートの持ち主で、ライブ中はあおり役としても存在感を発揮する。マルチーズのこめた&雪吉を溺愛する愛犬家でもある。愛称はねち。身長151センチ。
