師匠・猪木の遺骨を拾った蝶野と小川が初対談「腰にプレートまで入れてた」「6本くらい。あれはエグかった」
“黒のカリスマ”蝶野正洋と“暴走王”小川直也の初対談が、YouTubeチャンネル「【公式】蝶野正洋チャンネル」と「小川直也の暴走王チャンネル」の合同企画として実現した。本日昼過ぎに双方のチャンネルで公開されたが、リング上では一度も交わらなかった両雄が初めて同じ土俵に上がったことになる。

師匠・アントニオ猪木の遺骨を拾った蝶野と小川が初対談
“黒のカリスマ”蝶野正洋と“暴走王”小川直也の初対談が、YouTubeチャンネル「【公式】蝶野正洋チャンネル」と「小川直也の暴走王チャンネル」の合同企画として実現した。本日昼過ぎに双方のチャンネルで公開されたが、リング上では一度も交わらなかった両雄が初めて同じ土俵に上がったことになる。(取材&文=“Show”大谷泰顕)
衝撃の初対談は、都内にある蝶野のオフィス、アリストトリストで実現した。
「小川直也の暴走王チャンネル」では、いつ以来の再会になるのかと問われた小川が、「不幸の時に一緒になる」と話し、直近では師匠であるアントニオ猪木の「偲ぶ会」(2022年10月14日、都内斎場だが、正式には23年9月12日に神奈川・鶴見の總持寺で行われた「一周忌法要」の間違い?)と告白。そこから猪木のご遺体を火葬場に運んだ際の話になった。
小川は「この話、言うべきかどうか悩んでたんだけど、骨だけになった時、誰がこう(残るか)ってなった時に、みんないなくなっちゃうのよ。ホントに(残った人が)少なかったですよね」と口にする。
蝶野「俺、あの時にさ、プレートあったじゃない、(猪木の)腰の。あれを見た時に、猪木さん、プレートまで入れてたんだと思って」
小川「6本くらいあったッスね。エグかったですね、あれは」
蝶野「いやあ、(猪木は)キツかったよね」
蝶野「俺もホントは骨を拾うつもりもなかったけど、なんかみんな帰っていく感じがあったので、やっぱ誰か残らなきゃいけない」
小川「そうですよね」
蝶野「うん」
小川「誰が拾うんだって話になって」
両者はそうやりとりし、師匠の骨を拾った際の驚きを語った。
また、対談では当時あった新日本プロレスの派閥抗争にも言及。「あの頃は派閥がすごかったからね」と蝶野が話すと、すかさず小川が「蝶野さん、どこの派閥だったんですか?」と質問する。
すると蝶野は「いや、俺はどこにも入ってない。無所属」と話しながら、新日本プロレス内の派閥抗争の中心部分について触れていく。
蝶野「選手たちはカネにまったく接点がないし、そこでオーナーの猪木さんなんかは、これじゃ会社はおかしくなるっていうのがまずあったと思うんだけども、あそこは最後、猪木さんも切り崩しきれなかったぐらいの体制だったから、もうテレビドラマみたいだったよ」
小川「実力行使にすぐ出るじゃないですか、猪木さんは怒ると」
ここからは、新日本内の株式を巡る動きを両者が語っていく。
蝶野「最初、猪木さんが佐川の株を戻しているって、知らないんだよ、俺。それでこっち(猪木以外の派閥?)は株が動いてないもんだと思って、猪木さんの次のナンバー2、もう誰とは言わないけれども、テレビ局とね、この辺が結託して、(猪木を追い)出すような動きをしてたの。それで、こっちの派閥が連合を組んでた」
「坂口をぶっ飛ばしてこい」(A猪木)
蝶野「連合組んでる時に猪木さんがパッとカードを出して、『お前ら、誰が筆頭株主か分かってるのか!』って言われたら、みんながひっくり返っちゃって、その後もう、1週間ごとに4派ぐらいが組んだり離れたり、すごかったよ。あれはねえ、ドラマにして。ちょっと(俺も)巻き込まれてたけども」
小川「すごいドラマですよね」
蝶野「1週間ごとに、敵と味方が全部入れ替わっている」
小川「僕とかUFOは、しょっちゅう京都に行ってたんですよ、(新日本の大株主だった)佐川(急便)さんの、(佐川清)会長の自宅に招かれて。なんで毎回行くのかなと思ったら、やっぱり株の話で。俺もこんな話に巻き込まれちゃいけないなあって、横で聞きながら。結局、佐川会長は言うわけですよ。『あんたに全部渡しているんだから、あんたが好きにやれや』って言うわけですよ。それを聞いちゃうとオーナーなんだろうなって思うじゃないですか。みなさん、違うことを言い始めるじゃないですか。そしたら、これ違うよなって思うじゃないですか、こっちは目の前で見ちゃったんで」
蝶野「小川選手はその現場を見ているけど、俺なんか関心がないから全然分からないから。こっち側から見たら、猪木さんがUFOをつくってその後、猪木事務所をつくって……。なんか一個後ろの、影の会社みたいな。フィクサーみたいな感じで、いいイメージは持たないですよね」
小川「そうですね」
蝶野「でも、親分だから、1億持ってこいって言ったら、持ってかなきゃいけない。それが俺らの世界」
この話を受けた小川が、猪木に密命を受け、実力行使に出た話を披露する。
小川「だから坂口(征二)さんを、『ぶっ飛ばしてこい』って言われたんですよ。で、坂口さんがその(派閥が)4つに分かれてやってるじゃないですか。その4つのうちのひとつじゃないですか。そしたら急に、(猪木が)『日本武道館の大会を盛り上げなきゃいけねえな』ってはじまって、『そうですね』って思うじゃないですか。そしたら、急にですよ。『今から坂口をぶっ飛ばしてこい』って」
そう言って小川は、1998年6月5日に日本武道館大会の開始前に、バックステージで坂口社長(当時)と乱闘騒ぎを起こした話の黒幕が猪木だったと明かしたが、その裏に新日本の株を巡る件が関係していたことを告白。
これを聞いた蝶野は、「ああ、あれ?」と驚きつつ、「しかし鉄砲玉みたいにちゃんと行くねえ。元(柔道)世界チャンピオンだよ?」と小川の実直さに目を丸くしていた。
ちなみに蝶野は、「俺だったら『行ってこい』って言われたら、違うほうに行ってるよ」との見解を述べていた。
なお、「【公式】蝶野正洋チャンネル」では、いかにスポンサーからお金を引き出すか、というA猪木流の手法が語られているが、双方のチャンネルともに、次回へと続く様子。正直な話、まるで初対談とは思えないほど、両者の色がうまく絡み合っているように見えるが、次回はどんな話が飛び出すのか……?
(一部敬称略)
