「アクタージュ」作画担当者が「お願い」 被害者を「さらに傷つけることはあってはならない」
週刊少年ジャンプから連載終了が発表された漫画「アクタージュ act-age」の作画担当・宇佐崎しろ氏が24日、ツイッターを更新。現在の自身の思いと読者への「お願い」をつづった。
ファンの強く訴える「何を言うべきか、言わないべきがを選択してください」
週刊少年ジャンプから連載終了が発表された漫画「アクタージュ act-age」の作画担当・宇佐崎しろ氏が24日、ツイッターを更新。現在の自身の思いと読者への「お願い」をつづった。
宇佐崎氏は、原作担当であるマツキタツヤ氏が逮捕・勾留されたことを報告した上で「まず被害に遭われた方とそのご家族に心よりお見舞い申し上げます。大きなショックと恐怖の中、声を上げ、ご自身の尊厳を傷つけられたことに対する怒りを捨てなかったことは、本当に勇気ある行為だと思います」とし、「まだ司法の判断は下されていませんが、被害に遭われた方の届出によって事件化され、逮捕・勾留という手続きがとられたという事実を、重く受け止めたいと思います」と記した。
そして、「私は、今回の事件に伴う『アクタージュ』連載終了、及び企画や単行本、グッズ等への対応について、ジャンプ編集部の決定を全面的に受け入れています」と言及。その理由として、「性犯罪によって受けた傷は自然に癒えるものではありません。この先も似た身なりの人とすれ違うたびに身体が強張り、足早になり、夜道を歩くことに恐怖を覚え、被害に遭われた方の人生に本来必要なかったはずの緊張と恐怖をもたらします。『アクタージュ』という作品そのものを見ることによってそれらが誘発されたり、苦痛を与える原因になる可能性を考慮して、作品の終了は妥当だと判断しました」とつづっている。
さらに、「作品を愛してくださっているファンの皆様へのお願い」として、「作品を惜しむ声が被害に遭われた方に対しての重圧となることは、絶対に避けるべきことです」と指摘。「当然のことですが、作品が終了するのは被害に遭われた方のせいではありません。被害に遭われた方が声を上げたこと、苦痛を我慢して痴漢行為や性犯罪に対して泣き寝入りしなかったことは決して間違いではありません。正しいことが正しく行われた結果です。その勇気と行動を軽視したり、貶めたり、辱めるような言葉でさらに傷つけることは、あってはならないことだと思います」と強く訴えた。
「私も漫画に救われて生きています。やりきれない気持ちでいっぱいです」としながら、「どうかしっかり考え、様々な視点を持ち、根拠のない情報に惑わされず、何を言うべきか、言わないべきがを選択してください」とも記した宇佐崎氏。最後にあらためて、「被害に遭われた方の心のケアがしっかりとなされ、今後の人生で二度と同じような思いをすることなく、心穏やかに過ごせることを願っております」とつづり、締めくくっている。