バイク乗り憧れの1台を手に入れて約1年4か月で、つらい悲劇が訪れた。カワサキ・エリミネーター 400が、何者かによって盗まれてしまったのだ。GPSの位置情報によって、盗難されてからの一部経路が判明したものの、無残にも途中で投げ捨てられていた。「犯人が最も大切にしているものを失うような罰が当たってほしいです」。盗難の被害者は怒りと悲しみに包まれている。

愛車は日本にわずか5台の超希少アメ車…ハーレーも乗りこなす52歳俳優のクルマ＆バイク愛（JAF Mate Onlineへ）

「【拡散して下さい】
2025.3.7 0300頃バイクが盗難されました。
Kawasaki エリミネーター400
『千葉 と 3332』です。
・色は白

見た目ですぐ分かるカスタム
・モリワキマフラー
・エキゾーストパイプを黒に塗装
・リアキャリア
・サイドカバーが黒（通常は白）

発見につながる有力情報を提供して頂いた方には謝礼を差し上げます」

　必死の訴えをXに書き込んだのは、もんじゃ（@noramonjya）さん。「休みの日にツーリングを楽しんでいる中年ライダーです。6年前にバイクを購入してレブル250→エリミネーター400と乗り継いできました」というバイク愛好家だ。謝礼については発見に至った情報提供者に10万円を用意しているという。

　愛車のエリミネーター。入手困難のモデルだといい、「人気がすごくてなかなか手に入らないバイクですが、運良く2023年11月に新車で購入できました。初めは黒がいいと思っていたのですが、やっぱり白の方がカッコいいと考えが変わり、白にしたんです。購入してからは自分好みにちょこちょこと気取りすぎないカスタムをしながら大切に乗ってきました」。自分流のカスタムで、まさに相棒として乗ってきた。

　盗難場所は、アパートの屋外駐輪場。GPSの感知によって異変に気付いた。バイクカバーの装着、ハンドルロックの固定、また、「後輪にバーロック。（建造物や固定された物と一緒にロックする）地球ロックはしていませんでした」。セキュリティー対策に努めていたが、残念なことに被害に遭ってしまった。

　千葉市・若葉区の盗難場所から千葉・四街道の「吉岡十字路」近辺でGPS情報が途絶えた。「GPSの情報から探索した四街道の現場は全く関係のなさそうな会社の敷地内でした。GPSが投げ捨てられていたそうです。自分が保有する情報から、窃盗団だと思います」。

　被害者は「現在の心境は『まさか自分が……』といった感じで、いまだに実感が少ないですが、駐車していた場所を通るたびにバイクを思い出し、もっと対策としてできたことがあったんじゃないか？　と心がズキっとします」。精神的ショックにさいなまれているという。

　犯人に対しては、「常識が通じるような正常な思考回路の人ではないと思うので何を言っても無駄ですが、犯人が最も大切にしているものを失うような罰が当たってほしいです」と怒気を込める。

　ここのところトヨタの人気自動車が相次いで盗難されるだけでなく、バイクにも盗難被害が拡大している。事態改善に向けて、警察による迅速で的確な捜査が求められている。一方で被害者は歯がゆい現実に直面した。

「一番は千葉県警察の高官が窃盗団の摘発に対して舵取りをし、本気で撲滅に乗り出すことが最も効果があることだと思います。千葉で盗難が多いのは、『隠すのに最適なヤードが多い』『港までの距離も近い』『バイク利用数が多い』からだと思うのですが、その事実を知っていても千葉県警察は積極的に動いていない印象があります。窃盗団に対しての抑止力や圧力になってない千葉県警察はナメられているように感じますし、窃盗団の活動のしやすい地域になっていると思います」と、複雑な思いを打ち明ける。

　実際に、自身が持っている情報を警察に提供しようとしたところ、交番や所轄警察署をたらい回しにされるような経験をしたといい、「千葉警察に不信感を覚えました。最終的に千葉東署の刑事課の方が聞いてくれたのが救いです」と言葉を絞り出す。

　自身がつらい状況に置かれている中でも、次の盗難被害者を出さないために、「自分は大丈夫と思わないこと（身近にプロの窃盗団がいます）。バイクの保管場所は道路から離す（近いと車両への積み込みや逃走が容易になる）。地球ロックをすること（タイヤに鍵だけだと台車に載せたり、人力で運んだりされる）」と防犯メッセージを寄せた。