「うざいなこれ」 広告チラシがヤマト運輸の“不在票に酷似”で波紋、商標「宅急便」使用も…不快感続出

郵便物の中に入っていた矯正歯科サービス運営会社の広告チラシが、ヤマト運輸の「不在連絡票」と酷似しているとして、ネット上で疑問視する声が上がっている。チラシを見た男性は、受け取れなかった荷物があったと勘違いしたといい、「読ませたら勝ちという狙いを感じました」と困惑。Xで問題提起を行った。ヤマト運輸は、チラシの会社側に配布の中止を申し入れるなど、波紋が広がっている。

物議を醸しているそっくりな広告チラシ【写真:本人提供】
物議を醸しているそっくりな広告チラシ【写真:本人提供】

「『他社の信頼へのタダ乗り』というリプライがありましたが、その通りだと思います」

 郵便物の中に入っていた矯正歯科サービス運営会社の広告チラシが、ヤマト運輸の「不在連絡票」と酷似しているとして、ネット上で疑問視する声が上がっている。チラシを見た男性は、受け取れなかった荷物があったと勘違いしたといい、「読ませたら勝ちという狙いを感じました」と困惑。Xで問題提起を行った。ヤマト運輸は、チラシの会社側に配布の中止を申し入れるなど、波紋が広がっている。

「これよく見たら広告でした、本当に迷惑」

 黄色のデザインで、「お届け先」「配達」「宅配ロッカーにお届けしました」などと記載されているチラシ。一番上には「通院ご不要連絡票」と記されているが、全体的なフォーマットが、ヤマト運輸の不在連絡票にそっくりだ。ちなみに、広告チラシであることを明示するただし書きは、赤い文字ではあるが一番下にやや小さく表記されている。

 物議を醸している広告チラシに関する投稿を行ったのは、えび沢(@ebisawade)さん。「受け取った際はデザインから不在票だと思い込み、純粋に『何か頼んだっけ? 出張等で家を空けることが多く、いつだったら受け取れるだろう?』と思考を巡らせておりました」と、他の郵便物に紛れて入っていた広告チラシを見つけた時の様子について明かす。

 本物かと思い込んで手続きをしようとしたといい、「受取日時を指定すべく携帯を取り出した際、宛先に違和感があり広告チラシだと気付きました」。そのうえで、「読ませたら勝ちという狙いを感じました。広告として本質的ではないと思ったので、意見発信の意味を込めてポストしました」と投稿意図を説明する。

 注意喚起の趣旨の投稿は多くの反響を呼び、「うざいなこれ」「これはダメじゃないのかな」「確かに注意を引くけどとても迷惑でイラッとする」「これはアイデアとしては面白いけど、迷惑極まりない」「面白いアイデアだけど、おっしゃる通り目立つように広告表示入れるべきですよね」「当方マーケターだけど、これはひどいと思う」などと、チラシに対する批判の声が殺到している。

 えび沢さんは「『他社の信頼へのタダ乗り』というリプライがありましたが、その通りだと思います。ヤマト運輸がこれまで築いてきた実績を勝手に活用した手法だと純粋に思いますし、特にインフラ関係の書類に誤認をさせるのは企業倫理的にタチが悪いと思います」と不快感を示している。

ヤマト運輸の「不在連絡票」【写真:ヤマト運輸公式サイトから】
ヤマト運輸の「不在連絡票」【写真:ヤマト運輸公式サイトから】

「弊社の登録商標や知的財産の無断利用は一切認めておりません」

 また、この広告チラシには、「宅急便」の文字が使用されている。ネット上では、ヤマト運輸が商標登録していることを指摘する声が寄せられている。

 ヤマト運輸に確認したところ、「『宅急便』はヤマトホールディングスの登録商標です」と明言。「SNSの投稿で把握し、配布元の企業に配布の中止を申し入れました。弊社のご不在連絡票と誤認させる内容であり、弊社の登録商標や知的財産の無断利用は一切認めておりません」と回答した。受け手の誤認を誘発していることを強調した格好だ。

 一方で、ENCOUNT編集部は、チラシ配布元の「株式会社Oh my teeth」に事実確認や今後の対応などについて書面で問い合わせをしているが、6日午後5時の時点で返答はなく、電話で問い合わせたところ、「(問い合わせの)内容を確認したうえで、必要があれば担当者から連絡します。場合によっては返答を致しかねることもあります」としている。

次のページへ (2/2) 【写真】「うざいなこれ」 疑問が渦巻く実際の広告チラシ
1 2
あなたの“気になる”を教えてください