乃木坂46・与田祐希が卒コン「次のステージに」…グループ史上初・引退した同期の大園桃子さんとパフォーマンスも

乃木坂46与田祐希の卒業コンサートが23日、みずほPayPayドーム福岡にて開催された。与田は2016年9月に3期生として加入。在籍8年半で計19シングルの選抜メンバーになり、グループを盛り上げた。そして、故郷の福岡で自身のお気に入りの楽曲、思い出のナンバーとともにアイドル人生にピリオドを打った。また、乃木坂46のデビュー13周年記念日でもある前日22日には「卒業前夜祭 ~全部 与田のまま~」と題した公演も実施。約2日間で7万7000人を動員した。

卒業コンサートを開催した乃木坂46与田祐希
卒業コンサートを開催した乃木坂46与田祐希

Wセンターで『逃げ水』披露

 乃木坂46与田祐希の卒業コンサートが23日、みずほPayPayドーム福岡にて開催された。与田は2016年9月に3期生として加入。在籍8年半で計19シングルの選抜メンバーになり、グループを盛り上げた。そして、故郷の福岡で自身のお気に入りの楽曲、思い出のナンバーとともにアイドル人生にピリオドを打った。また、乃木坂46のデビュー13周年記念日でもある前日22日には「卒業前夜祭 ~全部 与田のまま~」と題した公演も実施。約2日間で7万7000人を動員した。

 与田のラストステージ。会場暗転と同時にまず場内に男性による謎のアナウンスが流れ始める。これがテレビ東京系連続ドラマ『量産型リコ』シリーズで与田と共演した俳優・田中要次だと分かると、会場の熱気が一気に加速。そして、田中に促されるように映像の中の与田が、自身が初参加した『インフルエンサー』からの全シングルのタイトルを早口で唱えることにチャレンジ。何度も失敗を繰り返すが、何とか読み上げることに成功すると、『OVERTURE』とともにスクリーンには懐かしの映像が流れ始めた。

 映像のエンディングで『逃げ水』のMV冒頭パートが映し出されると、それとリンクするように旅行カバンを手にした与田がサブステージに登場した。そのままメンバーが待つメインステージまでゆっくりと歩き、全員と合流したところでカバンをテーブルに置き開いてみせる。すると、カバンの中からたくさんの思い出があふれ出す演出。そして、与田の初センター曲『逃げ水』からライブがスタートした。

 最初のMCでは、キャプテンの梅澤美波に今の心境を聞かれ、与田は独特の言い回しで表現した。

「どうしよう。始まる前にすごく緊張して寂しくて。でも、ステージに立ったらすごく楽しくて……感情が玉手箱です(笑)」

 その後、5期生とともに『バンドエイド剥がすような別れ方』を披露。曲中に菅原咲月が「頼れるカッコいい姉御肌の与田さんのこと、ずっとずっと大好きです!」と伝えるなど、アットホームな空気感の中ステージは進行した。続く『キスの手裏剣』では、与田は4期生とパフォーマンス。曲のエンディングでは、4期生が与田に向けて花びらを振りまく場面もあり、最後に遠藤さくらが与田に髪に“ハルジオンの花”を飾る演出もあった。

 その後、与田が「乃木坂46として過ごしてきた8年半、いつもそばには同期がいました」と卒業メンバーも含めた3期生の名前を1人ずつ読み上げた。そして、「3期生12人が私のかけがえのない宝物です」と告げ、『ハルジオンが咲く頃』を3期生とともにパフォーマンス。同期で初めてグループの全体ライブで披露した思い出の楽曲で、会場が感動的な空気に包まれた。

 憧れの先輩・西野七瀬の後を引き継いで何度もセンターに立った『帰り道は遠回りしたくなる』では、堂々とした姿を見せるなどし、与田の過去を映像で振り返るコーナーへ。映像内で「私は亀でした」語られた与田は、ダンスや歌唱を周りと比べながら苦労した過去を振り返った。そんな中、この日2度目の『逃げ水』が始まると、同期メンバーで与田とともにダブルセンターを務めた大園桃子さんが、グループ卒業・引退以来のサプライズ登場だ。引退した元メンバーがライブに再登場するのは初めて。会場中にこの日一番のどよめきが沸き起こり、観客は2人の共演をしっかりと目に焼き付けた。

 そして、大園さんが緊張した様子で「サプライズ。与田のために、最後の『逃げ水』を一緒に披露できて良かったです」と伝えると、与田も「さっき、楽屋で(大園が)『「逃げ水」を守ってくれてありがとう』と言ってくれたんだよね」と続けた。その後、『悲しみの忘れ方』を全員で歌唱。曲中、同期メンバーが与田にメッセージを送る場面も用意され、会場中が笑顔と涙に包まれてライブ本編はフィナーレを迎えた。

 与田のこれまでを振り返るVTRでは、彼女が敬愛する1期生の西野がナレーションを担当した。西野の「おつかれさま、祐希!」というメッセージに続いて、純白のドレスを身にまとった与田がステージに登場して言った。

「さっきの映像、うれしかったな~。こんなに愛のありすぎる映像を作ってくださったスタッフさん、ありがとうございます。大好きな七瀬さんからのメッセージと家族からの言葉と……家族には乃木坂46に入る前から、入ってからも、たくさん心配をかけてきたと思います。でも、私のことを信じてずっと見守ってくれてありがとうございました。8年半で私は大人になったし、ちょっと大きくなったよ」

 そして、ファンとスタッフに感謝を述べ、「先輩も後輩も同期も、私はみんなのことが大好きです。たくさんの出会いと別れを繰り返してきたけど、みんなと出会えたおかげで、私はどんどん乃木坂46が好きになりました。毎日が楽しくなりました。本当にありがとうございました」「大好きな乃木坂をこれからも見守っているので、ファンの皆さんもどうか末長く乃木坂46のことをよろしくお願いします」と呼びかけた。

白いドレスで登場
白いドレスで登場

最後の言葉は「色気“も”あるとよ」

 その後、「今、しゃべりきれなかった愛を精いっぱい込めて歌います」と告げるも、間違えて前日のアンコール1曲目に披露した『誰かの肩』をアナウンスしてしまい、会場が笑いに包まれた。それも与田らしさ。ドーム内が優しい空気で充満すると、気を取り直して前夜に配信された自身のソロ曲『100日目』を初めてライブ歌唱した。そして、『他人のそら似』や『左胸の勇気』を歌いながら、フロートに乗って観客に別れのあいさつ。ステージ上にメンバーが勢ぞろいした『ジコチューで行こう!』では、間奏の“だるまさんが転んだ”で井上和が与田のほおにキスする一幕もあった。

 メンバーの顔を見てホッとした与田は「一人でしゃべっている時、急に頭が真っ白になるし、間違って『誰かの肩』とか言っちゃうし(笑)。昨夜も練習しながら泣いてたんだけど、ちゃんと感謝が伝わりましたか?」と心境を吐露。メンバーを代表して井上が「いろんな形の愛や優しさをもらってきたからこそ、今度は私が周りの人にあげられるような人になりたい。私は与田さんみたいな人になりたいです。与田さんの後輩でいられたことがすごく幸せです」とメッセージを送った。

 この言葉を受け、与田は「私は安心して卒業できます。これからも和なら大丈夫だからね」と返した。他の後輩たちに向けても「ずっとみんなのことを応援しているし、支えたいなって思っているから。卒業してもいつでも連絡してね」とエールを送った。その後、「みんなへの感謝と乃木坂への愛を込めて、最後に歌います」とメッセージとともに『懐かしさの先』を全員で歌唱した。

 全てのパフォーマンスを終えると、梅澤が「与田が大切にしてきてくれたものは全部守ります」と宣言。会場が与田のペンライトカラーである緑×赤で染まる中、ステージに一人残った与田はオープニングで開いた旅行バッグに今日までの思い出を全て詰め込み、「私は8年半、こんなに素敵な人たちと一緒に過ごすことができました。本当に幸せ者です。たくさんの思い出と愛を持って、次のステージに進みます。今まで本当にありがとうございました」と伝えた。

 16歳だった加入当初の「3期生 お見立て会」では「ちっちゃいけど、色気はあるとよ」と発言したが、この日の最後には「ちっちゃいけど、色気“も”あるとよ」と言い残した。24歳になった与田は、今後も芸能活動を続ける予定。今日24日から、乃木坂46の卒業生である誇りを胸に前へ進む。

次のページへ (2/2) 【写真】与田祐希の卒コン別カット
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