「小川の野郎!」師匠・A猪木を呆れさせた「ハッスル」 小川直也が語る“ノリきれなかった男”とは

昨年末、“暴走王”小川直也が初めて「麺ジャラスK」(東京・世田谷区)を訪れた。同店は“デンジャラスK”こと川田利明が店主を務めている、創業から15年を迎える「めんと唐揚げ」の店だ。小川と川田は2004年から開催された、ファイティングオペラ「ハッスル」で同じリングに立って以来、久々の“再会”になる。

小川直也が「麺ジャラスK」の特製カレー白湯ラーメンを完食した
小川直也が「麺ジャラスK」の特製カレー白湯ラーメンを完食した

「麺ジャラスK」は道場

 昨年末、“暴走王”小川直也が初めて「麺ジャラスK」(東京・世田谷区)を訪れた。同店は“デンジャラスK”こと川田利明が店主を務めている、創業から15年を迎える「めんと唐揚げ」の店だ。小川と川田は2004年から開催された、ファイティングオペラ「ハッスル」で同じリングに立って以来、久々の“再会”になる。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

「麺ジャラスK」に小川直也が初潜入を試みた。その模様はYouTubeチャンネル「小川直也の暴走王チャンネル」に公開されているが、小川が同店に着くと、「当面の間」と書かれた貼り紙が目に入る。その内容は「マスク無し、2人以上、お子様連れ、検温により体温が高い、感染対策ルールを守れない、などのお客様はお断りさせていただきます」となっており、これを目にした小川は「道場ですね」とひと言。

 動画によると、店主である川田がコロナ禍前の2002年に謎のウイルスにかかり三途の川を見た経験から、衛生面には厳格なルールが設けられているという。

 また、メニューは随時変わっていくようだが、入店して食券を選ぼうと券売機を見ると、「人数分のら~めんを注文しないお客様はお断りしております」「大盛りが当店のレギュラーサイズです」と書かれており、これを見た小川は、やはり「道場ですね」と繰り返した。他にも「店内は撮影禁止!」「食べ物を除く」との貼り紙があり、道場感を漂わせる。

 結局、小川は同店特製の唐揚げとカレー白湯ラーメンを完食すると、「ハッスル」の頃の思い出を語り始めた。小川がまず話し始めたのは川田の歌唱力。「ハッスル」では川田が定期的にリング上で熱唱し、1970年台に爆発的な大ヒットを飛ばした「ビューティフルサンデー」は、田中星児ご本人と一緒に熱唱したこともある。

 小川は「川田さんはそのくらい弾けていたもん。イケてたよ。全日本プロレス時代の川田さんのイメージはまずない。コスチュームから違うもん。Kだからね、K。モンスターK!」「賛同できるってすごいよな。嗅覚すごいよ。誘ったらすぐ。ただしヤバいッスよ。(今までの)川田さんの(イメージで)来てもらうと困る」と「ハッスル」からのオファー内容を振り返った。

 しかも小川は「でもさ、『ハッスル』いいなって、終わると言うんだよ、みんな。やっている時はグダグダグダグダ(言うくせに)終わると、『やっぱあれがよかった』って」「俺らって時代の発信をやっていくから、先に進まないといけなかったけど、あの時はファンがついてこれなかった。ファンがあまりにもディフェンシブすぎた。ファンも開拓してほしかったし、投げかけてたんだけど、全然ついてこなかった」と語る。

 それでも「最初はね、リングサイドに1000人か2000人くらいしかいなかったんだよ。だけどね、半年後か1年くらい経たないうちに横浜アリーナをいっぱいにしたぞ。それくらいはね、お客さん増えてきたんだよ」と手応えはあったことを明かした。

インリン様のM字開脚固めにもん絶した小川

 小川いわく、「だから『環状線理論』じゃないけど、横浜アリーナとかそのくらいの人は『ハッスル』についてこれたんだよ。それ以上が(難しかった)」という。

 ちなみに「環状線理論」とは、小川の師匠であるアントニオ猪木が提唱したもので、「環状線の内側がプロレスファンだとすれば、いかに環状線の外側にいるファンじゃない人へ情報を発信するか」「外を意識してそこを巻き込んでいくと、環状線はどんどん大きく広がっていく」(『猪木力 不滅の闘魂』より)とある。

 さらに小川は「すごいよ、(今の)女子プロ(レスラー)もかわいいって言うけど、あの時はかわいいも何も、(グラビアアイドル現役)バリバリのインリン様が出ていたからね。俺、インリンとやったからね。いくらかわいいったって、(選手として現役)バリバリだぞこっちは」とインリン様のM字開脚固めにもん絶した思い出に花を咲かせたが、それが原因なのか、師匠・猪木の逆鱗に触れることに。

 だが、小川はこれを否定した。

「いや、猪木さんは怒れなかったんだよ、(『ハッスル』が)行きすぎちゃって。『あれは違うもんだ』って言うしかない。俺にしてみれば、行き過ぎるところまで行かなきゃいけない。猪木さん、言うじゃん。『やるなら中途半端にやるな』って。だから(『ハッスル』は)猪木イズム満載ですよ。だって猪木さんは拾えなかったもん。あまりにもやりすぎちゃって。ひと言いうのは『小川の野郎』だよ。それしかないじゃん、だって」(小川)

 その後、小川は「戻って来い」と2007年に猪木が立ち上げたIGFに誘われることになるが、小川は「あの時は面白かったよ」と話しつつ、「破壊王(橋本真也)だけ(『ハッスル』に)ノってこれなかったんだよ。破壊王は破壊王であの時はゼロワンがあったからね。どうしてもそこは融合できなかった」と、意外にも小川の盟友である橋本真也だけがノリきれていなかったと明かした。

 なお、小川は「リング外はね、川田さんにはお世話になりました。メモしといて、六本木事件」と語っており、予告編を見る限り、次回は川田とその辺りについて語り合っていることが匂わされている。

(一部敬称略)

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