波紋広がる中居正広の謝罪声明、弁護士が「芸能活動再開はより難しくなった」とまで指摘する“重大なミス”とは
中居正広が、20代女性との「性的トラブル」報道を受ける形で出した謝罪声明は、9日夜の発信から24時間が過ぎても波紋を呼んでいる。物議を醸しているのは「なお、示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました」の部分。これにすぐに反応し、Xで「残念な感がある」と指摘した紀藤正樹弁護士に詳しく話を聞いた。
必要だったセカンドオピニオン
中居正広が、20代女性との「性的トラブル」報道を受ける形で出した謝罪声明は、9日夜の発信から24時間が過ぎても波紋を呼んでいる。物議を醸しているのは「なお、示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました」の部分。これにすぐに反応し、Xで「残念な感がある」と指摘した紀藤正樹弁護士に詳しく話を聞いた。(取材・文=柳田通斉)
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紀藤氏は中居の声明を受け、Xで「リスク回避の観点からは“なお書き”2行は不要ないし誤解を招くと思います。その他がよく練られた文章なのに残念な感があります」とつづった。その後、ネット上でも「余計な文言だった」「9000万を払ったからいいでしょと聞こえる」などの厳しい指摘が相次いだ。
紀藤氏はこの状況を踏まえ、ENCOUNTに「これは中居氏を守る立場の事務所と弁護士を含めた重大なミス」と指摘し、その理由を語った。
「私も芸能人の謝罪コメントに関わることがありますが、まず、考えることは『有害的記載事項を残さず、有益的記載事項と無害的記載事項のみで文章を成立させる』です。しかしながら、今回の場合、“なお書き”2行は有害的記載事項でした。私は文面を見た瞬間に『これは大変なことになる』『なぜ、チェックできなかったのか』『顧問弁護士も中居さんの立場で弁護活動するうちに、中立的な意識が持てず、『当事者意識になってしまったのか』と思いました」「不祥事を起こした企業でもそうですが、こういう場合は、第三者的な立場の弁護士のセカンドオピニオンが、とても重要になるケースでした」
紀藤氏が指摘する問題点は大きく分けると2つある。
1つ目は、「芸能活動についても支障なく続けられることになりました」の部分で、「被害者との間で、示談内容に『芸能活動に異議を唱えない』という約束があったことを感じさせます」と指摘した。
「まず、その部分をここで明かしていいのかと思いました。仮に示談内容になっているなら、被害者との間の秘匿義務に違反している可能性がある。逆に、示談内容になっていないなら、中居さんは世間に向けて、示談した趣旨が、芸能活動を続けるためと強調したかったようにも感じます。それは大きな失敗でした」
2つ目の問題点は「一般市民の感情が分かっていない」ことだという。
視聴者の感情を逆なでた発言…後悔、先に立たず
「被害者の救済をしていると世の中の理不尽をつくづく感じることがあります。お金持ちや社会的地位がある加害者であれば、被害者は多額の示談金をもらうこともできます。しかし、加害者に財力がない、社会的地位もないという場合は『示談することすらできず、補償がない』『補償があってもわずか』という被害者も多くいます。そういう人たちも見るのがテレビなのに、『示談したことにより、今後の芸能活動についても支障なく』は視聴者の感情を逆なでるものでした。さらに言えば、この声明で性加害の疑惑が消えたわけではありません。中居さんをテレビに出すかどうかの判断は、テレビ局、スポンサー、視聴者にかかっているのに、まるで『これで復帰します』と受け取れるコメントは、やはり、あり得ないものでした」
このコメント部分については「今からでも削除か修正をすべき」との声も多くがあるが、紀藤氏は「今更、遅いです」と言い切った。
「削除や修正という形ではなく、新たな声明を出して、今回のコメントを撤回することは可能かもしれませんが、残念ながら、問題のコメントを消しても残り続けるのが今の時代です。ただでさえ、厳しい状況にあったのに今回の重大なミスによって、中居さんの芸能活動再開はより難しくなったと言えるでしょう」
文字通り、中居は「後悔、先に立たず」の状況に陥っているといえそうだ。