“まことお兄さん”が歌舞伎と体操でコラボ 歌舞伎や日本舞踊の動きに「難しいことだらけ」

タレントで、NHK Eテレ『おかあさんといっしょ』・第12代体操のお兄さんを務めた“まことお兄さん”こと福尾誠が、松竹公式動画配信サイト『歌舞伎オンデマンド』で28日に行われる「歌舞伎座十二月 大歌舞伎『あらしのよるに』」の疑似生配信に出演する。今回福尾は、疑似生配信視聴券購入者の特典映像『食べちゃいたいそう』にも出演し、収録後に行われた取材会に出席した。

取材会に出席した福尾誠【写真:松竹提供】
取材会に出席した福尾誠【写真:松竹提供】

28日から『歌舞伎オンデマンド』で『あらしのよるに』」を疑似生配信

 タレントで、NHK Eテレ『おかあさんといっしょ』・第12代体操のお兄さんを務めた“まことお兄さん”こと福尾誠が、松竹公式動画配信サイト『歌舞伎オンデマンド』で28日に行われる「歌舞伎座十二月 大歌舞伎『あらしのよるに』」の疑似生配信に出演する。今回福尾は、疑似生配信視聴券購入者の特典映像『食べちゃいたいそう』にも出演し、収録後に行われた取材会に出席した。

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『あらしのよるに』は、シリーズ合計300万部を超える同名ベストセラー絵本が原作。嵐の夜に出会った狼のガブと山羊のメイが友情をはぐくむ物語。中村獅童が2002年にNHKのEテレ『てれび絵本』で同作の読み聞かせをおこない、ナレーションと全キャラクターの声を担当。05年には映画『あらしのよるに』で主人公の狼・ガブの声優を務めている。また獅童の熱い思いから、15年には同作で新作歌舞伎を作り、京都・南座で初演された。16年には歌舞伎座、18年には博多座、そして24年9月に南座と、これまでに4度上演されており、24年の歌舞伎座十二月大歌舞伎の第一部で5度目の再演となった。獅童が「がぶ」を演じ、尾上菊之助が同作初出演で「めい」を演じる(歌舞伎版の役名は平仮名)。

 今回の『歌舞伎オンデマンド』では、26日まで上演の『あらしのよるに』の舞台映像を配信。開演前、幕間、終演後の部分に福尾が生出演し、歌舞伎を見たことがない子どもたちや家族をナビゲートする。舞台映像本編には「やさしい解説音声」が付き、視聴者はチャット機能を使い質問や感想をシェアできる。アーカイブ映像は29日から25年1月13日まで視聴可能。

 この疑似生配信の購入者には、松竹が主催する「こども歌舞伎スクール寺子屋」に通う小学生と“まことお兄さん”による『食べちゃいたいそう』の特典映像付き。“まことお兄さん”が、お腹のすいた「がぶ」の気持ちになってさまざまなポーズを披露し、歌舞伎の見得を切る。

 今回のコラボをきっかけに初めて歌舞伎を見たという福尾は、『食べちゃいたいそう』のオファーに当初、「僕でいいのでしょうか?」と驚いたという。「歌舞伎はこれまで見たことがなくて、正直に言うと、 “白塗りをしているお化粧”という姿をなかなか生活の中で見ることがなかったので、子どもの頃は歌舞伎に対して怖いイメージがありました」と明かし、「実は『あらしのよるに』で初めて歌舞伎を見ました。『食べちゃいたいそう』で自分の身体を使って体験して、『歌舞伎の動きってこんなに難しいんだ』と、新しい学びがありました」と語った。

 取材時は情報が解禁前だったこともあり、「まだ発表してないので秘密にしています。でも(発表されたら周りは)びっくりすると思います」と語り、「体操の中でもいろんなコラボがありますが、歌舞伎とコラボするなんて思っていなかったので、貴重な経験をさせていただいて、感謝しかないです。誇りですね。日本の伝統芸能に携わることができたのは、すごくうれしかったです」と喜んだ。

 また「僕は体操しかやってきてないから、こうして、体を動かす“別の表現”を経験させていただけたことは、日本人としても誇りですし、これから世界に行くとしたら世界中の人々に自慢しようと思います(笑)」と取材陣を笑わせた。『食べちゃいたいそう』については、「動きが分かりやすくて、(子どもでも)マネしやすい動きになっています。片足でバランスをとる、ジャンプをするという、ひとつひとつの動きに“運動としての意味”も持っているなと思いました」と解説した。

 一方、体操選手として長年身体を鍛えてきた福尾でも、日本舞踊を取り入れた『食べちゃいたいそう』は難しかったという。「難しいことだらけでしたね。身体を動かすことはすごく得意分野ですし、今まで体操で培ってきたものがあるので、(どの分野でも)ある程度かたちになることが多いです。だけど(食べちゃいたいそうは)ものすごく難しくて……」と明かし、「使う筋肉も違いしますし、『立ち姿』だけでも難しい」という。

「僕も体操をかれこれ数十年やっているので、ビシっとキレイに立つことはできますが、それとは違う。歌舞伎俳優さんと僕が『キレイに立ってください』と言われた時に、僕がその俳優さんと同じ立ち姿には簡単にはなれないと思いました。単にマネをするということではなく、想像を超えるほどの努力を毎日継続しているのだと感じました」

 立ち姿ひとつとっても簡単な“マネ”ではないと感じたという福尾は、「普段の生活の中の、立つ・座るという姿が、一番難しいんじゃないかと思う」と語った。「とはいえ、動き自体はマネしやすく、子どもたちにとっても動きは分かりやすいです。運動量もありますし、大人のみなさんもできる内容。親子で『見得のポーズってこうだよね』と、それぞれが思うカッコイイポーズをやってみてほしいです。今回配信で本物の見得が見られるので、ぜひ違いを見ていただきたいです」と呼びかけた。

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