青木真也はなぜ離婚に進むのか 語った「家族」と「ファミリー」の違い そして「再婚」
コロナ禍にあって混迷する日本格闘技界。その中で“バカサバイバー"青木真也は独自の色彩を放っている。青木といえば、過去には対戦相手の腕を折り、敗者に中指を立てて「バーカ」と罵倒。「うんこ食ってろ!」をはじめとする数々の暴言を含め、「やらかしてきた」経験値では他の追随を許さない。そんな青木が、3冊目の著書「距離思考」(徳間書店)を上梓した。表紙にはサブタイトルとして「曖昧な関係で生きる方法」とある。表紙をめくっていくと、「おれたちはファミリーだ! 青木真也」との自筆の文字が現れた。
3冊目の著書「距離思考」を発売
コロナ禍にあって混迷する日本格闘技界。その中で“バカサバイバー”青木真也は独自の色彩を放っている。青木といえば、過去には対戦相手の腕を折り、敗者に中指を立てて「バーカ」と罵倒。「うんこ食ってろ!」をはじめとする数々の暴言を含め、「やらかしてきた」経験値では他の追随を許さない。そんな青木が、3冊目の著書「距離思考」(徳間書店)を上梓した。表紙にはサブタイトルとして「曖昧な関係で生きる方法」とある。表紙をめくっていくと、「おれたちはファミリーだ! 青木真也」との自筆の文字が現れた。
振り返ると青木は、2016年9月に最初の著書「空気を読んではいけない」を、19年2月に「ストロング本能」を上梓しているが、実はそれぞれを読み比べていくと、微妙な変化を感じ取ることができる。それはブレたのではなく成長と呼ぶべきもの。しかしながら最初に青木にその話を向けると、意外な答えが返ってきた。
「成長なのか後退なのかっていう問題はありますよね」
「成長」ではなく「後退」とはどういうことなのか。興味をそそる発言に、思わずその意味を聞き返してみた。青木が答える。
「選手として、自分のパフォーマンスにビッグキャリアがあったのは『空気を読んではいけない』の頃だと思います。競技者として考えたら、その頃より数値としての能力は落ちているでしょうし、それを指して『弱くなった』という言い方をする人もいる。ただ、あの時よりも今は、やりくりをする技量は増していますよね」
青木からすれば、最も数値的に高い状態にあった段階の言葉には鋭角的な物言いが存在するが、現在はそれをさらに包み込むような柔軟さが加わった、といったニュアンスの言葉に聞こえた。
思えば記念すべき最初の著書「空気を読んではいけない」には極論が書かれていた。
「幸せな人生を生きるために友達はいらない」
この言葉はその当時、業界内外に賛否を呼び込んだ。青木は言う。
「今も友達はいらないと思っています。ただ、熱量が近い『仲間』は大切ですね」
「友達」はいらないと言った男が、数年経って「仲間」は大切と言い始めた。青木がその心境に至るまでのキーワードがある。それは「家族」。
現在の青木は、妻と妻との間に設けた3人の子どもとは離れて生活している。ダイレクトに言えば、離婚に向けた話し合いに入っている。
当然、今回の「距離思考」でもそれに関する記述や章立てがひとつの核になっている。