ゴルフ好きだった小倉智昭さん「年間250ラウンド以上」…『とくダネ!』放送後はすぐにコースへ【記者コラム】
フリーアナウンサーの小倉智昭さんが9日午後、都内の自宅で亡くなったことが10日、分かった。77歳だった。死因は膀胱(ぼうこう)がんだった。小倉さんは1994月から2021年3月まで22年間、フジテレビ系情報番組『とくダネ!』で総合司会を務めていたが、元気だった頃は放送終了後にすぐにコースに向かうほどのゴルフ好きとして知られていた。
駆け抜けた77年の人生
フリーアナウンサーの小倉智昭さんが9日午後、都内の自宅で亡くなったことが10日、分かった。77歳だった。死因は膀胱(ぼうこう)がんだった。小倉さんは1994月から2021年3月まで22年間、フジテレビ系情報番組『とくダネ!』で総合司会を務めていたが、元気だった頃は放送終了後、すぐにコースに向かうほどのゴルフ好きだった。(取材・文=柳田通斉)
18年前の2006年初夏。新聞記者だった私は、小倉さんを1時間ほど取材している。きっかけは、小倉さんからの「俺、おたくの新聞を定期購読しているんだけど、そのコーナーにまだ出ていないんだよ。俺を取材してよ」だった。紙面には週1回のインタビュー企画があり、先に『とくダネ!』のコメンテーターだった眞鍋かをりを特集。小倉さんに「関係者コメント」をいただいた際に受けた“リクエスト”が、「俺を取材してよ」だった。
小倉さんほどの大物司会者を単独取材できることは、ありがたい限り。後日、フジテレビを訪れると、小倉さんはよどみなく、吃音に悩んだ少年時代、陸上競技に没頭した青春時代、アナウンサー採用試験で苦労したこと、東京12チャンネル(現テレビ東京)アナ時代のエピソード、フリーアナウンサーに転身後、金欠で六本木から府中の自宅までの約25キロを徒歩で帰宅したことなどを明かした。
そして、当時のプライベートを聞くと、小倉さんは「46歳から始めて13年だけど、ゴルフが好きでね。年間250ラウンド以上はするんですよ」と話した。私が「平日は『とくダネ!』がありますよね。どうやって」と驚いていると、「番組が終わったら、マネジャーとすぐにね」と言って、外を眺めた。
視線の先に広がる東京湾。そこにかかるアクアラインを使えば、フジテレビから数十分で千葉のゴルフ場に到着できる。『とくダネ!』後にスケジュールが空いている日は、そうやってリラックスしていることが分かり、「有意義に時間を過ごしている人だ」と感じた記憶がある。
本人が公言している通り、小倉さんは五輪やサッカーW杯の現地取材に情熱を燃やしていた。取材日はW杯ドイツ大会の開幕直前。記者が2002年日韓共催大会を取材したことを伝えると、小倉さんが前のめりになったことを思い出す。挫折や苦労を経験しながら、アナウンサー、キャスターとしての地位を築いた小倉さん。『とくダネ!』を軌道に乗せてからは、好きなスポーツ、音楽にも時間を費やしてきた。駆け抜けた77年の人生。ご冥福をお祈りいたします。