24歳で芸歴23年…岡田結実が一度だけ“芸能界を辞めたい”と感じた思春期の思い出「母の言葉で踏みとどまった」
サスペンスホラー映画『他人は地獄だ』(11月15日公開、児玉和土監督)でヒロインを演じた岡田結実(24)。幼少期から芸能界で活躍し、女優やタレントとして多方面で注目を集めている岡田がターニングポイント、恋愛観、キャリアに対する思いを語った。
1歳からキャリアをスタートさせた
サスペンスホラー映画『他人は地獄だ』(11月15日公開、児玉和土監督)でヒロインを演じた岡田結実(24)。幼少期から芸能界で活躍し、女優やタレントとして多方面で注目を集めている岡田がターニングポイント、恋愛観、キャリアに対する思いを語った。(取材・文=平辻哲也)
芸能一家に生まれ、1歳からジュニアモデルとしてキャリアをスタートさせた岡田。子供向け番組『天才てれびくん』シリーズ(NHK)で人気を博し、ティーン誌『ピチレモン』の専属モデルも務めた。その愛らしい笑顔と自然体のキャラクターで多くのファンを獲得し、その後もバラエティー番組に出演しながら俳優としてのキャリアも積み重ねていった。
最新出演映画『他人は地獄だ』は、韓国の人気WEBコミックを日本で実写映画化したサスペンスホラー。岡田は、不気味な住民が集う格安シェアハウスで地獄のような体験をする主人公ユウ(八村倫太郎)の恋人メグミを演じている。
映画にちなみ、「地獄を感じた経験は?」と尋ねると、岡田は少し考え込んだ後、「残酷だなと思った瞬間ならあります」と語り始めた。
「幼い頃から一緒に頑張ってきた仲間が、この業界を辞めてしまったり、遠くに引っ越して会えなくなったりしたときですね。小さい頃はみんなでワイワイやって、全員が夢を叶えていくと思っていたんです。でも、必ずしもそうではなく、業界に残る人もいれば、違う道を選ぶ人もいる。自分も含めて、どれだけ頑張っても報われないことがあると気づいたとき、この世界でやっていく意味について考えさせられました。それは、幼いながらに感じた地獄というか、残酷さでした」
芸能界でのキャリアは23年に及ぶが、唯一「辞めたい」と感じたのは思春期のことだという。
「ありがたいことに、辞めたいと本気で思ったことはほとんどありません。周りに素敵な人たちがいて、良い環境に恵まれていたからだと思います。ただ唯一、中学から高校にかけて『恋愛がしたくて辞めたい』と思ったことがありました。その時、母に『普通の恋愛がしたい』と訴えたんです。すると、母が『今しか見ていないで、将来のことも考えなさい』と真剣に言ってくれて、その言葉が身に染みました。そのおかげで踏みとどまり、自分のキャリアを優先できたと感じています」
恋愛についても深く考えるようになった。
「今振り返ると、若い頃に恋愛を制限されたことで、目標にしっかり集中できたのは良かったと思います。私は恋愛体質なので、若い頃に制約があってむしろ良かったかもしれません」と笑顔で語る一方、「恋愛に溺れてしまうとキャリアにも影響が出ることがあるので、バランスが大事ですね」と冷静に分析する。
今後は舞台や海外作品への挑戦にも意欲
2017年頃からは、多忙なバラエティーと並行しながら女優としても本格的に活躍の場を広げ、『静おばあちゃんにおまかせ』(NHK)や『わたしのおじさん~WATAOJI~』(テレビ朝日)で主演を務めた。俳優業で大きな転機となったのは、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(2021年)だ。
演じたのは、良家育ちの上品な女性・雪衣。ある理由からヒロインの安子(上白石萌音)に冷たい態度を取る役だった。
「主役のオーディションに落ちてしまい、雪衣役で呼んでいただいたのですが、とても難しく、どうしてこのキャラクターがこういう行動をするのかを理解するのに苦労しました。でも、その経験を通じて、『わからない時には人に頼ることが大切だ』ということを学びましたし、現場で生まれる化学反応もあるんだな、と思いました。主役ではない、私のために大勢の方が向かってくださって、私も、こういう熱量で芝居に向き合っていかないといけない、と感じました」
今後は、舞台や配信サービスでの海外作品にも挑戦したいと考えている。「さまざまな視点を持った方々と一緒に作品を作ってみたいですね。舞台では生の緊張感や追い込まれる感覚を体験してみたいです。今は事務所の方とも話し合いながら、どのような舞台が自分に合うかを模索しています」。仕事で大事にしているのは、人間性だ。
「どれだけ実力があっても、人として信頼されなければ仕事は続かないと思っています。だからこそ、周りの人から『いい人だね』と思ってもらえるような人間でありたいですね。今後も自分の道を大切に歩んでいきたいと思っています」。岡田は、これからも自分らしい道を歩み続けるだろう。
■岡田結実(おかだ・ゆい)2000年4月15日生まれ。大阪府出身。幼少期からジュニアモデルとして活躍し、17歳のときに映画で俳優デビュー。2021年後期NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』へ出演を果たし、ドラマ『わたしのおじさん~WATAOJI~』『女子高生の無駄づかい』『江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす。~』『最果てから、徒歩5分』などで主演を務めている。バラエティ番組や情報番組にも多数出演しており、現在『news おかえり』『Finder TRIP』含め、計4本のレギュラー番組に出演中。
ヘアメイク:やすす
スタイリスト:武久真理江
衣装協力:
・BORDERS at BALCONY
・SHUN OKUBO