俳優の山田孝之が5日、都内で行われた映画『正体』（11月29日公開、藤井道人監督）の完成披露舞台あいさつに、横浜流星、吉岡里帆、山田杏奈、SixTONESの森本慎太郎、藤井監督とともに出席。撮影現場に変装して行っていたことを、吉岡に明かされる場面があった。

　原作は、小説家・染井為人氏による同名小説。日本中を震撼させた殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けたが脱走し潜伏を続ける主人公・鏑木（横浜）は5つの顔を持つ。東京でフリーライターをする沙耶香（吉岡）、大阪の日雇い労働者・和也（森本）、長野の介護施設で働く舞（山田杏奈）、各地に出没する鏑木を追う刑事の又貫（山田孝之）。この4人が出会った鏑木は、それぞれまったく違う姿をしていた。4人の視点から描かれる鏑木の本当の正体とは……。

　同作は、夏と冬に分けて撮影しており、吉岡は「期間を開けてくださったおかげで、意味のあるシーンが取れたので、私は感謝しています」とにっこり。続けて「夏篇のクランクアップの日に忘れられないことがあって」と切り出し、「とあるシーンに、又貫さんじゃなくて、山田孝之さんが映っています」と暴露した。

　しかし、最終的には、編集によって「映らなかった」と藤井監督。山田孝之は、夏篇の撮影最終日に変装して現場に来ていたとのことで「外での撮影で、エキストラの人がたくさん必要ってことで『じゃあ僕も行きまーす』って」と明かし、笑いを誘っていた。この行動を吉岡は「出演している側としてはうれしい。『山田（孝之）さん来てくださったんだ』と思って、印象的でした」と喜んだ。

　この日は、同作のタイトルにちなみ、横浜の「正体」をテーマにフリップトークを実施した。山田孝之は「水」と発表し、「さあ、流星その心は！」と無茶ぶりをすると、横浜は「わからないです……！　水でできているから？」と困惑。山田孝之は「『早く書いてください』と言われて、悩んだ末に、（何を書いたか）皆さんに聞いていったんです。『やっちまったな』と。皆さんのを聞いた段階で大喜利が始まり、もう書けないぞとなってしまって、ふと出てきたのが『水』。『あとは流星に振ろう！』と」と裏話を披露し、観客を笑わせた。

　また、横浜は、自身の「正体」をフリップに記入。「なし」と書かれたフリップを見せ、「自分から自分のことを伝えたくない。というのも、役者はミステリアスでいるほうがいいと思うし、自分の人柄を知られて、作品に影響するのも嫌だし、だから自分は『なし』。教えません」と説明した。この回答に山田孝之は「僕、多分1番近かったですよね」と手応えを感じていた。