俳優・伊藤沙莉が主人公・寅子を演じるNHK連続テレビ小説『虎に翼』（月～土曜午前8時）がいよいよ最終週を迎える。伊藤が23日からの最終週を前にこれまで演じてきた寅子への思いや間もなく迎える最終回を前に現在の心境を語った。

　これまで寅子を演じてきてどうだったのか。

「演じるにあたっても、セリフに書かれている以外の部分で『この人、本心ではどう思っていたんだろう？』と考える時間がとても多かったですね。そうしてぐるぐると考えを巡らせるところは、私自身と似ているところでもありました。寅子は少しずつ成長しながら、大きな失敗をたくさんしてきた人。私自身もこのドラマを通して、1人の人間として成長させていただきました。寅子でいられて、本当に幸せでしたね」

　先日、撮影はクランクアップした。今の気持ちを尋ねた。

「とっても濃い時間でした。このチームで作品を作ることができてよかったとあらためて思いますし、撮影していたころに戻りたいです（笑）。昨日もよねさんと、そんな話をしていたんですよ」

　最後に視聴者へのメッセージを。

「『虎に翼』は、『いろんな人がいていいんだ』という証しになったのかなと思います。そして放送中にもたびたび感じていましたが、『虎に翼』は視聴者のみなさんとともに歩んできたドラマでした。私自身もそうですが、登場人物を通していろんな考えを見聞きしながら『この考え方もおもしろい』、『これは初めての感覚だな』なんて思いながら、見ていただけていたのではないでしょうか。この作品がみなさんにとって、何かを考えるきっかけになっていたらうれしいです」