『普通だね』『個性ないね』からの脱却 東女レギュラー参戦が決まった長谷川美子が目指すプロレスラーの姿

2024年、長谷川美子はプロレスラーとして大きな岐路に立った。大怪我から復帰したリングであるガンバレ☆プロレスを退団し、フリーの道を選択することにしたのだ。その長谷川に、東京女子プロレスへのレギュラー参戦というチャンスが舞い込んでくる。今後、長谷川がどのようなプロレスラーを目指していきたいのかを聴いた。

笑顔を交えながら今後の展望を語った長谷川美子【写真:橋場了吾】
笑顔を交えながら今後の展望を語った長谷川美子【写真:橋場了吾】

東女での初勝利は嬉しすぎてリピートで見返してしまった

 2024年、長谷川美子はプロレスラーとして大きな岐路に立った。大怪我から復帰したリングであるガンバレ☆プロレスを退団し、フリーの道を選択することにしたのだ。その長谷川に、東京女子プロレスへのレギュラー参戦というチャンスが舞い込んでくる。今後、長谷川がどのようなプロレスラーを目指していきたいのかを聴いた。(取材・文=橋場了吾)

 今年4月からフリーランスとなった長谷川だが、首の調子が思わしくなく1か月の休養を取った。

「オファーはいろいろな団体からいただいたのですが、最初の1か月休んでしまったことで、プロレスの試合のオファーは減ってしまいましたね。これがフリーランスの厳しさか……と感じました。その中で、東京女子プロレスさんとのご縁をいただいて、レギュラー継続参戦することになりました。東女にはガン☆プロ時代に何度か参戦しているのですが、温かく迎え入れてくれて、レギュラー参戦し始めてからもその印象は変わっていないですね。私がいるのが当たり前、と言ってくださった選手がいてそれがとても嬉しかったです」

 9月8日、名古屋大会。長谷川は東女の旗揚げメンバーである中島翔子とタッグを結成するも敗北。”全長1.47mの大怪獣”とタッグを組んだ、1.5mの長谷川はどう感じたのか。

「中島さんがずっと『頑張れ』とコーナーから応援してくれていたのは、レッスルユニバースを見て気づきました。実はあのとき、自分に余裕がなくて中島さんの声が全然聞こえていなかったんです。それも敗因ですよね、こんなに応援してくださった声を聞こえていないとは……」

 9月14日、遠藤有栖の地元凱旋興行だった福島・会津大会。この日、長谷川は東京女子のリングにおける自力初勝利を挙げた。

「もう『大感動』の一言ですね。プロレスラーになってやりたいことのひとつが自分自身で歌った曲で入場する、というのがあったんですが、(東女のリングで)試合後に流れたのは初めてで。そもそも、トータルでも数えるほどしかまだ自力勝利がないので、もっともっと増やして勝って当然という状況にしていきたいですね。この試合のフィニッシュは、レッスルユニバースで何度も見返しちゃいました(笑)」

得意技のマフラーホールドでギブアップを狙う【写真:(C)東京女子プロレス】
得意技のマフラーホールドでギブアップを狙う【写真:(C)東京女子プロレス】

プロレスラーをやり切る覚悟でベルトを狙っていきたい

 秋の東女のビッグマッチ『WRESTLE PRINCESS V』が、9月22日に千葉・幕張メッセで開催される。この日、長谷川は鳥喰かや&HIMAWARIと組み、キラ・サマー&七瀬千花&高見汐珠と対戦する。長谷川より後にデビューした選手たちの中に入ったわけだが、その分勝利に飢えている選手ばかりが集まった形だ。

「これまではキャリアの上の選手と組むことが多くて、こういった機会はほとんどなかったですね。一緒に組む鳥喰さんもHIMWARIさんもセンスの塊なので、仲間ですけど負けられないです。仲間も相手も、みんな自分が自分がと勝ちを狙ってくる組み合わせだと思うので、気持ちのぶつかり合いになると思いますが、絶対に自分が勝ちたいですね」

 その長谷川、自分が“無個性”であることが悩みだという。

「東女は本当に『個性の塊』の団体だなと思います。私はずっと『普通だね』『個性ないね』と言われ続けた人生で、『だからずっとナンバーワンにはなれないんだよ』と言われてきたことがトラウマになっているんです。だからこそ、自分の個性を確立させたいですし、プロレスではベルトというナンバーワンの象徴がはっきりしているので、ベルトを取ることを最終目標にして自分のプロレスラーとしての形をみつけていきたいですね。そして、東女でプロレスラーをやり切る覚悟で、頑張っていきたいです」

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