アニメ『チ。―地球の運動について―』が10月スタート 坂本真綾や津田健次郎ら主要キャスト決定
NHK総合で10月からテレビアニメ『チ。―地球の運動について―』(土曜午後11時45分)がスタートすることが25日に発表され、声優の坂本真綾、津田健次郎、速水奨ら主要キャストが発表された。併せてティザー映像とティザービジュアルも公開になった。
神童・ラファウを演じる坂本「親しみやすさを重要視」
NHK総合で10月からテレビアニメ『チ。―地球の運動について―』(土曜午後11時45分)がスタートすることが25日に発表され、声優の坂本真綾、津田健次郎、速水奨ら主要キャストが発表された。併せてティザー映像とティザービジュアルも公開になった。
同作は、第26回手塚治虫文化賞のマンガ大賞ほか、数々の賞を席巻する漫画家・魚豊(うおと)氏が世に放つ、“地動説を証明すること”に自らの信念と命を懸けた者たちの物語。2022年4月に『ビッグコミックスピリッツ』での連載が終了し、同年6月にアニメ化が発表されていた。
舞台は15世紀のヨーロッパ某国。飛び級で大学への進学を認められた神童・ラファウは周囲の期待に応え、当時最も重要とされていた神学を専攻すると宣言する。しかし、以前から熱心に打ち込んでいる天文への情熱が捨てられずにいた。そんな中、フベルトという謎めいた学者と出会う。フベルトは“異端思想”に基づく禁忌に触れたため拷問を受け、投獄されていたという。彼が研究していたのは、宇宙に関する衝撃的な「ある仮説」だった。主役の神童ラファウを坂本、異端審査官ノヴァクを津田、謎の学者フベルトを速水が務める。
今回解禁となったティザー映像は、神童・ラファウの「この世はバカばっかりだ」という独白から始まる。最後には彼の「今から地球を動かす」というセリフで締めくくられる。「地球が宇宙の中心でその周りを惑星が動いている」とする“天動説”こそがこの世の真理だとされ、その理を覆すようなことを信じ研究することが重罪だった時代に、謎めいた学者・フベルトの言葉でラファウは“地動説”の可能性を知る。周囲から「天才だ」と言われ自認もしていた彼に芽生えた強烈な知的好奇心。「いったい何を捧げれば、この世界のすべてが知れる?」と、自らの「知」と「血」、そして命を懸けて「地」動説の証明に挑む。
またティザービジュアルでは、地球から宇宙を観察しているラファウの様子が描かれている。さらに美しい夜空を眺めるラファウや、不敵な笑みが暗闇に浮かび上がる異端審問官ノヴァク、強い信念を目に宿したフベルトなどを切り取った場面カットが解禁となった。
原作者の魚豊氏は、テレビアニメ化決定に際し「決定した制作会社さんや、それ以外のスタッフ、キャスト、放送局、音楽などをお聞きすると、全て『本当に?』と疑うくらい好条件で、いまだに夢のままのようで、現実感がありません」と喜んでいる。以下、主要キャストのコメント全文。
○坂本真綾/ラファウ役
――原作・台本を読んだ時の感想
「もともと原作の大ファンで、大きな感動をいただいていました。オーディションのお誘いをいただいた時にはうれしさと興奮、そして、まさかのラファウ役?!と衝撃を受けました。難しい役どころであるとわかっていたので緊張しました」
――演じられたラファウについて
「この壮大な物語の起点を担う、大事な役割を持ったキャラクターです。彼自身の中に湧き起こる葛藤や欲求を視聴者の皆さんが一緒に体験して“知”への渇望を共有してもらえるように、序盤は特に親しみやすさを重要視して演じました」
――ファンに向けて一言
「ラファウ役を女性が演じることを意外に思う方もいるかもしれません。でもオーディションを受けて選んでいただいたからには、これぞラファウだと思っていただけるような仕事をしなければと、原作ファンのひとりとして使命感を持って臨みました。違和感なく楽しんでいただけると信じています」
○津田健次郎/ノヴァク役
――原作・台本を読んだ時の感想
「命懸けで地動説に挑む主人公達と弾圧していく体制側の人間達の強烈なドラマ。感動しました。夜空を見上げる事が神聖な行為に思える程に。そして、タイトルの深さよ」
――演じられたノヴァクについて
「なんとも魅力的な悪役です。この物語世界における冷徹な正義の執行代理人であり、子煩悩な家庭人。強い意志で任務を遂行しながらも、根源的な問いや世界の常識の変革に翻弄される脆弱さも持つ個性は、演じていて楽しいです」
――ファンに向けて一言
「命懸けで自分の信じたものを貫く強さ、人間達の強烈なドラマ、簡単には掴めないテーマ、さまざまな要素をはらんだエンタテイメントです。是非ご覧下さい」
○速水奨/フベルト役
――原作・台本を読んだ時の感想
「物語だけでなく、人間の集合体では良くある事。諦観の中、生きるか、それとも……歯ぎしりするほどの悔しさ、悲しみを感じながら読みました」
――演じられたノヴァクについて
「怜悧な頭脳と、迸る情熱。圧政に屈することなく、いや理性では屈しても、真理を、解を希求する熱に冒され『地動説』に魅せられる。悲しくも、美しく、そして罪な研究者だと思います」
――ファンに向けて一言
「享受する娯楽作品ではありません。心の痛みを共有して、想像の翼をいっぱい拡げて『チ』をご覧ください」