元モー娘。小川麻琴、留学でTOEIC800点→東洋大で講義 36歳でフルマラソン完走「挑戦したいことは尽きない」
元モーニング娘。の小川麻琴(36)が5月18日、大阪・THE LIVE HOUSE somaで開催されるイベント「eN」で、紺野あさ美(36)と約10年ぶりの共演を果たす。13歳でモー娘。に加入。同じ5期メンバーの紺野、高橋愛、新垣里沙とグループを盛り上げた。卒業後は海外留学を経て、俳優、大学講師、MC、YouTuberとマルチな活動を続けている。今年は初めてフルマラソンを完走。「挑戦したいことは尽きない」と語る小川自身が、その半生をENCOUNTに明かした。3回連載の最終回は「モー娘。卒業と現在の活動について」。
ニュージーランドに1年以上留学
元モーニング娘。の小川麻琴(36)が5月18日、大阪・THE LIVE HOUSE somaで開催されるイベント「eN」で、紺野あさ美(36)と約10年ぶりの共演を果たす。13歳でモー娘。に加入。同じ5期メンバーの紺野、高橋愛、新垣里沙とグループを盛り上げた。卒業後は海外留学を経て、俳優、大学講師、MC、YouTuberとマルチな活動を続けている。今年は初めてフルマラソンを完走。「挑戦したいことは尽きない」と語る小川自身が、その半生をENCOUNTに明かした。3回連載の最終回は「モー娘。卒業と現在の活動について」。(構成=福嶋剛)
これまでモーニング娘。時代の小川麻琴についてお話をしてきましたが、今回が最終回です。
18歳になり、「何か新しいことにチャレンジしたい」と思い始めました。会社からも「次のステップを考え始めよう」みたいな話もあり、グループに入って5年という切りのいいところで卒業を決めました。今までの卒業生がやったことないものに挑戦してみたくて、「ニュージーランドへ語学留学に行こう」と決めました。英語は特に得意じゃなかったのですが、「行ったらしゃべれるようになるだろう」みたいなノリもありましたし、不安よりかは海外への好奇心の方が優っていたように思います。
ニュージーランドにはトータルで1年3か月程留学していたのですが、現地では月曜日から土曜日まで語学学校に通う学生生活をずっと送っていました。モーニング娘。の頃には経験できなかった時間をニュージーランドで過ごしていた感じですね。とてもすてきなホームステイファミリーにも恵まれて充実した留学生活でした。日本に戻るまでにTOEICは730点取れるようになり、英語を母国語としない子供達に英語を教える資格TECSOL、コーヒーが好きなのでBaristaの資格も取得して帰国しました。ありがたいことに英語教材のお仕事をいただけて、その流れでTOEICのチャレンジも続けることができ、最終的には800点まで取ることができました。
留学から戻ってきてからは芸能活動を再開したのですが、毎日のように会っていたメンバーがいない楽屋に少しの間、慣れなかった記憶があります。卒業直後、「しばらくゆっくりできるー!」なんて思っていましたけど、13歳から休まずに働き続けてきたので、ちょっとでも時間が空くとそわそわしちゃうもんですね(笑)。
ソロになってしばらくは「モーニング娘。OG」としてさまざまなお仕事をさせていただきました。すてきなご縁にもたくさん恵まれてとてもありがたかったです。一方で、「このままでいいのかな」と未来の自分に自問自答することも増えていきました。自分自身と向き合った中で、『一度環境を変えてトライしてみよう!』と思い、2015年に長年お世話になった事務所を退所して、現在はフリーランスで活動をしています。フリーでの活動は正直リスクも責任も伴いますが、その分、それまでになかった喜びもたくさんあり、「この活動の仕方が今の自分に合っているのかな」と思っています。
実は私、大学の講師もやらせていただいているんです。ソロ活動を再開してすぐの頃、日本でスマートフォンが普及し始め、私が秋葉原でスマホアプリを紹介する配信番組をレギュラーでやっていた時、ご一緒していた東洋大学の先生に「小川さんもスマホアプリを作ってみませんか」と声をかけていただきました。それをきっかけに初めてアプリをプロデュースしました。そして、アプリのリリースの記念として先生が教えている東洋大学総合情報学部にお招きいただき、初登壇しました。ありがたいことにそのご縁が今も続いていて現在も年に1回講師として、教壇に立たせていただいています。
登壇当初は「次世代メディアとしてのスマートフォン・アプリ」というタイトルの講義でしたが、しばらくすると学生たちの方がスマホにもアプリにも詳しくなってきました。そこからはテーマを「職業を語る」に切り替えました。そして、ここ数年は私の経験談を通して、当時の活動の仕方やメディア、芸能の世界を紹介するみたいな授業を続けています。
始めたばかりの頃は、学生と年齢が近かったので、私がモーニング娘。にいたことを知っている子たちも多かったのですが、今は「お父さんやお母さんがファンでした」という感じです。教壇に立つと真剣に聴いてくれる子もいれば、居眠りしている子もいて(笑)。何かそんな風景がちょっと懐かしくてかわいいなって感じます。
フリーランスで活動9年 舞台出演、MC、YouTubeチャンネル開設
あの頃のメンバーと久しぶりに会う機会も増えました。この前は石川(梨華)さんとお会いできたのですが、それぞれ大人になって環境も変わり、当時とはまた違う話題で話ができるのもとてもうれしいです。
それから、今年は人生初のフルマラソンにも挑戦しました。沖縄でカフェを経営しているオーナーさんたちと仲が良くて、「沖縄マラソンが復活するから一緒に走ろう」と誘われて、マラソン経験なんてないのに勢いで「やります!」と言ってしまいました(笑)。エントリーしてから半年間かけて準備をし、42.195キロを完走。初めてのフルマラソンは今まで経験したことのない達成感を味うことができ、「チャレンジを決めて良かったな」と思っています。
現在は、浅草九劇倶楽部で5月8日から始まる舞台『FAMILY TREE FUNK!!!』の稽古で忙しい毎日を過ごしています。ソロになってからはたくさんの舞台に立ってきましたが、コロナをきっかけに頻度は減っていたので、今回は約1年半ぶりの出演です。ダンスあり、殺陣ありのコメディー時代劇で、私自身とてもワクワクしています。ここ数年はイベントのMCとして呼んでいただくことも増えましたし、ずっとやってきたラジオ番組のメンバーでYouTubeチャンネルも始めました。
早いもので、13歳でこの世界に入った私も今年で37歳になります。幼い頃に思い描いていた大人な女性にはなれていませんが、こういう人生も私らしいのかなと思っています。今後も自分の心が動くことに一生懸命に取り組んでいけたらと思っています。中でも子どもが大好きなので、今後はエンタメ×子どもで何か面白い空間を作っていけたらいいなと考えています。
そして、5月18日には4児の母親になるこんこん(紺野あさ美)と相変わらず自由な小川が、久しぶりに大阪で共演します。そちらもチェックしていただけるとうれしいです。
最後に前回お話したつんく♂さんからいただいた言葉をもう一度ご紹介します。
「あなたは小川麻琴という商品を売っている小川屋さんだとします。小川屋さんの商品をみなさんに買ってもらうために、小川の好きなところ思いつくだけ書いていてみて」
ここでつんく♂さんに伝えます。
「相変わらず好きなところはたくさんは思いつきません(笑)。でも『自分らしく』を大切に生きれてますよ、つんく♂さん!」
3回にわたりお読みいただき、ありがとうございました。
□小川麻琴(おがわ・まこと) 1987年10月29日、新潟・柏崎市出身。2001年、「モーニング娘。LOVEオーディション21」に合格し、5期メンバーとして06年8月まで5年間在籍。卒業後はニュージーランドの語学留学を経て、俳優、タレントして活動する傍ら、東洋大総合情報学部の講師を務めている。22年12月、YouTubeチャンネル『小川麻琴とへなぎのIDOBATAちゃんねる!!』を開設し、動画を配信中。