尾上菊之助、“毛穴から上方のニオイがする”片岡愛之助を称賛「居て、心地がいいです」
歌舞伎俳優の尾上菊之助と片岡愛之助が13日、東京・中央区の歌舞伎座タワーで行われた歌舞伎座『三月大歌舞伎』、『四月大歌舞伎』の取材会に出席した。
3月4月昼夜、2か月連続で歌舞伎座共演
歌舞伎俳優の尾上菊之助と片岡愛之助が13日、東京・中央区の歌舞伎座タワーで行われた歌舞伎座『三月大歌舞伎』、『四月大歌舞伎』の取材会に出席した。
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菊之助と愛之助は、三月大歌舞伎の昼の部『菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてらないかがみ)寺子屋』と夜の部『伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)』、四月大歌舞伎の昼の部『夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)』と夜の部『四季』で共演。メインキャストである2人が3月4月の昼夜連続で2か月同じ舞台に立つ。
2人は2023年6月の博多座公演『夏祭浪花鑑』で共演。菊之助は「それ以来、仲良くさせていただいていて」と語り、「愛之助さんは博多座公演が終わってから、怒涛(どとう)のスケジュールを過ごされていたので、心配していました」と明かした。愛之助は「何かの折には(菊之助が)ちょっとお電話くださったりして、精神的に救われてます」と感謝し、「こんなにガッツリ組ませていただいて、身に余る光栄です」と再共演を喜んだ。
『夏祭浪花鑑』は、延享元年(1744年)に堺の魚屋が大坂の長町裏で人を殺した事件をもとにした、浪花の侠気(きょうき)の男たちとその妻たちを描いた上方が舞台の物語。まさに大阪・堺市出身の愛之助は、「今の大阪弁とは少し違いますが、ネイティブな大阪弁がしゃべられるのは、自分にとってやりやすい」と語った。
また、博多座で演じた『夏祭浪花鑑』の団七九郎兵衛役などの演技が評価され、芸術各分野で優れた業績をあげた人に贈られる『芸術選奨文部科学大臣賞(演劇部門)』を受賞。前日12日に贈呈式に出席したばかりで、「受賞理由に『夏祭浪花鑑』の団七が入っているので、こんなに早く菊之助さんとご一緒させていただき、こんなありがたいことはないですね」と語った。今回は同演目で、団七と徳兵衛女房お辰(女方)の二役を務める。
団七と義兄弟の契りを交わす徳兵衛を演じる菊之助は、「(文部科学大臣賞の)受賞理由が、『毛穴から上方のニオイがする』ですからね(笑)。その団七に向かっていくのはかなりのプレッシャーがありましたね。なんとか食らいついていきたい」と語り、上演後に上方なまりを修正しながら挑んでいるという。愛之助は、「江戸の代表の方が、上方の言葉をすごく勉強していらっしゃって。見事に言葉を使われていて、本当にすごいなと。やっていて違和感がないんです。(舞台上で)『あ、徳兵衛って本当にこういう人だったんだろうな』と思いました」と、菊之助の上方なまりを絶賛した。
菊之助は愛之助について、「居て、心地がいいです」と語り、「役と対峙した時に、気持ちと気持ちでぶつかり合っている。お互いの出方や息を感じて務めさせていただいて、戸惑うことがないです」と称賛。愛之助も菊之助を「昔から研究熱心な方だと思っていました」と明かし、「いろんな方のいろんなものを、『ちょっと今日は、こういう風にやってみたい』とおっしゃって、『どうぞどうぞ』と。日々、変化球が来るのを楽しめる役者さんってすごい」と称えた。