さらば・森田哲矢の「人生を変えた」20万円 社長として億を稼ぐ今も持つ“現実感”「明日はどうなっているのか」

お笑いコンビ・さらば青春の光の森田哲矢(42)が、今月25日からYouTubeで公開されるアシックスワーキング ショートドラマ『シゴトはもっと楽しめる』の第2話『たとえ時代が変っても』に出演する。積み重なった借金をアルバイトで返済した経験のある森田に、携わってきた仕事の思い出や「芸人」という職業について聞いた。

ショートドラマに出演する森田哲矢【写真:ENCOUNT編集部】
ショートドラマに出演する森田哲矢【写真:ENCOUNT編集部】

パチンコでできた200万円の借金、返済で残った20万円の使い道は

 お笑いコンビ・さらば青春の光の森田哲矢(42)が、今月25日からYouTubeで公開されるアシックスワーキング ショートドラマ『シゴトはもっと楽しめる』の第2話『たとえ時代が変っても』に出演する。積み重なった借金をアルバイトで返済した経験のある森田に、携わってきた仕事の思い出や「芸人」という職業について聞いた。(取材・文=大宮高史)

――ドラマでは中間管理職のサラリーマンの役ですが、若手芸人やタレントとのコミュニケーションで、思うことはありますか。

「最近は20歳近く離れた後輩の若い芸人たちと一緒の仕事も増えてきて、『何を考えてこの業界に入ってきたんだろう』と知りたくなります。僕なんかはシンプルに『有名になってお金を稼ぎたい。モテたい』でした。彼らとのギャップを感じることはありますね」

――具体的には。

「今の若手の反応を聞いていると、『お笑いがしたい』そのものが芸人を目指す動機になっているようです。僕らの若い頃は何だかんだで『異性にモテたい』が強くて、『モテない人間がオモロくなって売れたらモテるやろ』という安直な考えでいました(笑)。他にも芸能人に会ってみたいとか。とにかく、我々の世代はミーハーでした。遊びたい欲求も隠さなかったですね」

――芸人を目指す前、高校を卒業後に借金をアルバイトで返していたそうですが、その頃の人生観は。

「高校を留年した上にパチンコでこさえた借金が200万円くらいありましたから、まずそれを返すのに必死でバイトする日々でした。でも、卒業して初めて働いた病院の売店でのバイトは1日でクビになりました(笑)。空調が暑くてだるそうにしていたのが態度に出てたのか、店長から『明日、来れそうやったら来て』と言われました。それで『もう、アカンな』と思ったのを覚えています」

――経験したアルバイトの中で、面白かったものは。

「実験に使う検体の血液を運ぶバイトが、すごく時給が良かったんです。1日中車に乗って、血液を入れたクーラーボックスを運ぶ仕事でした。あと、パチンコ屋でのバイトが一番長続きしましたね。友達に誘われて好きなパチンコ屋で働けたんですが、ガラガラの店で(笑)。時間が経つのがしんどいくらいゆったりした環境で働けました」

――その頃、ご自身の将来をどのように考えていたのでしょうか。

「結局、借金200万を返して残った20万円を元手に松竹芸能の養成所に入りました。稼ぎたくて芸人を目指しましたが、それまではパッとしない日々でした。子どもの頃は漠然と『プロ野球選手になって巨人で4番を打ちたい』と思って少年野球チームに入ったら、初めての試合でボールを顔に食らって『俺は向いてないんや』と悟りました。Jリーグブームに乗って、中学でサッカー部に入っても僕より上手いやつがいる。お笑いも好きでいたとはいえ、芸人になりたいかと言われれば『誰か誘ってくれないかな』くらいの感覚でいました。借金から残ったお金が人生を変えてくれたようです(笑)」

YouTubeでも多彩な活動を見せている【写真:ENCOUNT編集部】
YouTubeでも多彩な活動を見せている【写真:ENCOUNT編集部】

不安定な仕事だけど…「平日の昼間」に得られる幸福感

――設立した個人事務所の年商は3億円や4億円に達しているとのこと。経営者としても順調のように見えます。

「若い頃は大手事務所と契約できるほど売れてもいなかったので、自分で事務所を立ち上げるしかなかったんですね。お笑いの業界自体が、僕も含めてよそで働いていけないような連中が集まっていました。それでも、『何とか食っていけるシステムを作って生きているな』と思っています。ただ、『何でこんな仕事でこんなにお金もらえるねん』って冷静に考える時もありますよ」

――現実的な感覚ですね。

「僕らの仕事については、国や政府から明日『お前らの仕事いらんわ』と言われたら、『そうですね。今まで楽してもうけてすみません』って思います(笑)。謙虚さというか、明日どうなっているか分からない仕事だからこそ『世間様に認めてもらえるうちに、面白いことやって稼いでいよう』という感覚が、芸人として稼いでこられた原動力ですね」

――養成所に入り、芸人になったからこその苦労もあったと思います。サラリーマンではできない経験も。

「業種ならではの心配事はあると思います。こんな不安定な仕事なんで、サラリーマンの皆さんにはない余計な心配を僕らはしてきました。でも、平日の昼間から銭湯に入っていると、『普通のサラリーマンだったらこんなこと気軽にできへんな』という幸福感を感じられます」

――YouTubeチャンネルでDIYに打ち込んだり、フィンランドのスポーツ・モルックの世界大会にも出場したりと、お笑い以外の分野でもアクティブな印象です。

「一番こだわってきた趣味に古着とスニーカー集めがあります。もともと、誰かが使い古した服や靴を使うことに抵抗がないんですね。母親も古着のバザーによく行っていました」

――何かこだわりはありますか。

「プライベートで履くのは100%スニーカーなんです。だから、その日の気分に合わせて選ぶことができます。芸人と一緒の現場なら何が起きてもいいようにラフなものを選んでいきますし、女性と一緒する日ならコレクションの中から小ぎれいなものにしようと。ウォーキングにも重宝しています」

――今後も公私ともに、アクティブに活動していけそうですね。

「若作りして(笑)バカなことをやっていけるのは芸人の特権です。アラフォーになっても相方(東ブクロ)のバイクをドッキリで金色に塗ったりして、良くも悪くも年齢相応の経験を積まないまま、ベテランのような世代に達してしまいました。けれども、それが僕らしさでもあると思うので、僕が芸人を志した時、テレビの中の人たちが持っていた『ギラギラ感』は持っていたいです。『売れたらあんな風にいっぱいお金を稼げて、遊びもできるんや』と。若者らしい青くさい憧れを持って芸人になって、YouTubeにMC、俳優……とたくさんの経験ができましたから。なので、今後も変にかしこまらないで貪欲に生きていきます」

□森田哲矢(もりた・てつや)1981年8月23日、大阪府生まれ。2006年に松竹芸能のタレント養成所に入所。08年、東ブクロとお笑いコンビ・さらば青春の光を結成。11年に『第32回ABCお笑い新人グランプリ』の優秀新人賞を受賞し、13年に個人事務所のザ・森東を設立。特技のモルックでは、日本代表として世界大会にも出場している。

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