高橋一生、24年ぶりドラマ化『ブラックジャック』で主演「正直なところ、自分にできるのかなと」

俳優の高橋一生がテレビ朝日系ドラマ『ブラックジャック』(2024年放送)で主演を務めることが16日、明らかになった。手塚治虫の名作漫画『ブラック・ジャック』がテレビドラマ化されるのは24年ぶり。

『ブラックジャック』で主演を務める高橋一生【写真:(C)テレビ朝日】
『ブラックジャック』で主演を務める高橋一生【写真:(C)テレビ朝日】

2024年、テレビ朝日系で放送

 俳優の高橋一生がテレビ朝日系ドラマ『ブラックジャック』(2024年放送)で主演を務めることが16日、明らかになった。手塚治虫の名作漫画『ブラック・ジャック』がテレビドラマ化されるのは24年ぶり。

“医療漫画の金字塔”として色あせることなく、多くの人に愛され続けてきた本作は、連載開始から早50年が経過。節目を迎えた2023年からは、生成AIを活用した新作漫画の制作など、連載50周年記念の特別プロジェクトも多数展開され、今なお増加する熱狂的ファンを沸かせている。

 そんな中、過去に幾度となくアニメ化および実写化、そして派生作品を生み出してきた本作のオリジナルが、実力派俳優・高橋を主演に迎え、24年ぶりにテレビドラマ化されることが決定。法外な治療費と引き換えに、どんな手術も成功させる無免許の天才外科医ブラック・ジャックが、コロナ禍を経て……医療の在り方がふたたび問われる令和の時代、センセーショナルによみがえる。

 テレビ朝日では1981年、加山雄三主演で『ブラック・ジャック』を初めてテレビドラマ化。その後、TBSで放送された本木雅弘主演の2000年版テレビドラマなど、さまざまな実写版や舞台版が各所で制作され、作品によっては大幅なアレンジも施されてきた。

 そんな『ブラック・ジャック』が連載50周年の節目となる今回は原作から厳選した有名エピソードを凝縮し、その真髄を掘り下げていく。改めて「医療とは何か」が問われる今だからこそ、人々の心に強烈に突き刺さる『ブラック・ジャック』。2024年版では原作へのリスペクトの念を軸に据えながら、現代を生きる人たちへ時代を超えた真摯(しんし)なメッセージを投げかける。

 主人公ブラック・ジャックは神業ともいえる手術手腕を誇る驚異的な天才外科医ではあるものの、単純に絵に書いたようなヒーローではない。常にドライで冷酷に見える彼。その半面、患者とその関係者が置かれた状況を見据え、ひそかに心を痛める優しさも……。さらに、要所要所で壁にもぶつかり、時には滑稽な姿もさらけ出す。そんな実に多面的であるがゆえに、人々を引きつけてやまないブラック・ジャックに、新たな命を吹き込むことになった高橋は「正直なところお話を頂いた時は、自分に出来るのかと思いました。幾ら彼の矜持や人情、生に対する思いが好きであっても、いざ自分が演じるとなれば、当たり前ですが話はまったく別です。好きというだけではどうしても成立しない何かがあると思うからです」と、素直な心境を吐露した。

大物スタッフも参画

 本作には鬼才の大物クリエイターも続々と参画。監督を務めるのは城定秀夫。『アルプススタンドのはしの方』と『性の劇薬』(ともに2020年)でヨコハマ映画祭・監督賞を受賞し、『女子高生に殺されたい』『ビリーバーズ』(22年)でも注目を集めた城定監督が、『ブラック・ジャック』の世界をどう切り取り魅せていくのか。

 また、脚本を務めるのは森下佳子。『JIN -仁-』(09年、11年)、『ごちそうさん』(13~14年)、『天皇の料理番』(15年)、『義母と娘のブルース』(18年ほか)、高橋一生ともタッグを組んだ『おんな城主 直虎』(17年)、『天国と地獄 ~サイコな2人~』(21年)といった大ヒット作に加え、25年放送のNHK大河ドラマ『べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~』の脚本も手掛ける森下。彼女が手塚プロによる綿密な監修のもと、現代設定も取り入れつつ、入念に再編成する物語は話題を呼びそうだ。

 さらに、人物デザイン監修・衣装デザインを柘植伊佐夫が担当。NHK大河ドラマ『龍馬伝』(10年)や『どうする家康』(23年)、『精霊の守り人』(16~18年)、『シン・ゴジラ』(16年)、『翔んで埼玉』(19年、23年)、高橋主演の『岸辺露伴は動かない』(20~22年ほか)も手掛けた柘植。2000年版『ブラック・ジャック』でもブラック・ジャックのヘアメイクデザインを担当したクリエイターが、今回は細部に神を宿らせながら、ドラマの世界観をすべて監修する。

 高橋のコメントは以下の通り。

――出演オファーを受け、ご自身がブラック・ジャックを演じると聞いた時、どう思いましたか。

「今回演じさせていただく間黒男はブラック・ジャック『先生』ですが、僕にとっては大事な『先生』と呼ばれる人が一人、居ます。正直なところお話を頂いた時は、自分に出来るのかと思いました。幾ら彼の矜持や人情、生に対する思いが好きであっても、いざ自分が演じるとなれば、当たり前ですが話はまったく別です。好きというだけではどうしても成立しない何かがあると思うからです。好きだからこそ失敗することも大いにあると思います。それでもお受けさせていただいたのは『おんな城主 直虎』等でご一緒させて頂いた脚本家の森下佳子さん、『民王』でプロデューサーをされていた飯田サヤカさんがお声掛けくださった事。それが何よりも大きな決定打でした。

 撮影が始まった今も、試されている様な事が日々起きています。多くの方の心の中に居るブラック・ジャック像や基盤を大きく外すことなく、何よりも自分が思うBJ像を一瞬でも溢してしまいたくありません。これまでと同じように、お芝居をする時は、迷う事なく打ち出していきたい。演じさせていただく度に納得し、許せる瞬間を積み重ね、それが作品になっていける様、毎シーン毎カットお芝居をさせていただいています。観てくださる皆さんも是非厳しい目線で観ていただき、願わくば楽しんでいただけるとありがたいと思います」

――森下佳子さんが書かれた脚本を読んで、どんな感想を持ちましたか。

「森下さんが書かれる脚本は、表現が非常に豊かなんです。読み進めていくごとに『さあ、この場面はどうしたら、より素敵に立体化していけるだろうか?』と、感覚が具体的になっていきました」

――人物デザイン監修・衣装デザインを柘植伊佐夫さんが担当されていますが、ブラック・ジャックになったご自身を見てどう思いましたか? 新しいアイデアや感情は湧いてきましたか。

「僕は基本的に柘植さんが『大丈夫』と言ったら、大丈夫なんです。柘植さんは嘘をつかない方で、ダメだったら何度でもやり直す方。その柘植さんが、僕がブラック・ジャックの扮装をした時に『うん』と言って頷かれたので、きっと大丈夫だろうなと思っています。と同時に、この姿にいかに説得力をもたせながら、原作を愛する視聴者の皆さんの前に存在できるか…という点も大事だな、と。また、今回初めてブラック・ジャックと出会う方々にも、その人となりを分かってもらわなければなりません。このダブルスタンダードを成立させるためには、演者とスタッフの総合力が大きく関わってくるので、常に針の穴に糸を通すような感覚の撮影になるかもしれないなと思ってます。単純に『わーい! ブラック・ジャックの世界にいる!』という気持ちには、決してなれないですね。

――最後に、視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

「『ブラック・ジャック』の世界や、手塚治虫さんの漫画がとても好きな方々に『うん、アリだわ』と言っていただかないと、失敗だと思っています。僕も自分自身が納得し許せる瞬間を求め、常に厳しい視線でお芝居を模索しているので、視聴者の皆さんにも厳しく観ていただきたいです」

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