俳優・丸山博一さん、9月に88歳で亡くなっていた 死因は腎不全 『放浪記』上野山役などで知られる

東宝製作の舞台、ミュージカルで活躍した、劇団東宝現代劇の丸山博一さんが今年9月29日に88歳で亡くなっていたことが5日、分かった。東宝が発表した。死因は腎不全。葬儀は家族で執り行われた。

丸山博一さん
丸山博一さん

死因は腎不全

 東宝製作の舞台、ミュージカルで活躍した、劇団東宝現代劇の丸山博一さんが今年9月29日に88歳で亡くなっていたことが5日、分かった。東宝が発表した。死因は腎不全。葬儀は家族で執り行われた。

 丸山さんは『放浪記』など数多くの東宝演劇や、東宝ミュージカルに数多く出演した、劇団東宝現代劇所属の俳優、演出家。

 1957年に東宝演劇部と契約し、1958年に劇団東宝現代劇に一期生として入団。同年の芸術座公演『モデルの部屋』で初舞台を踏んだ。作家・林芙美子役を森光子さんが演じた舞台『放浪記』(作・演出 菊田一夫)に61年の初演に出演。中抜けしながらも、2009年の森さん主演の最終公演まで出演。その大半は、林芙美子を見守る詩人仲間の上野山(うえのやま)役を演じ、当たり役となった。

 愛嬌と人情味のある演技が評価され、東宝製作の演劇やミュージカルに数多く出演。近年ではミュージカル『ジキル&ハイド』、『ミー&マイガール』、帝劇開場100周年記念作品『風と共に去りぬ』に出演。

 第8回(1982年度)の菊田一夫演劇賞演劇賞を、山田五十鈴主演舞台『横浜どんたく-富貴楼おくら-』の演技により受賞。また劇団東宝現代劇の有志による「劇団東宝現代劇75人の会」の結成に参加した。

 75人の会の主催による舞台『熊楠の家』(小幡欣治作)では丸山さんが演出を担当し、作品の上演成果により、同会は、第22回(1996年度)菊田一夫演劇大賞、松尾芸能賞優秀賞を受賞。近年も、「劇団東宝現代劇75人の会」の舞台に、出演と演出で参加していたが、2019年の公演を最後に、新型コロナ禍の影響で、会の活動も中断していた。

 20年にテレビ番組『森光子 生誕100年 ~放浪記 永遠のメッセージ~』(NHK BSプレミアム)に、11年ぶりに上野山役の扮装で出演し、森さんの想い出を語った。

 12月21日・22日に、深川江戸資料館小劇場において、劇団東宝現代劇75人の会として4年ぶりの活動となる『菊田一夫没後50年 リーディングの会』にて、菊田作品を二作上演するうちの『夜汽車の人』の構成・演出を丸山さんが担当することになっていた。意欲をもって戯曲の構成にあたっていたが、稽古を目前に控えた11月に、本人に連絡がつかない為、劇団員が家族へ確認したところ、9月29日に都内の自宅で腎不全にて亡くなっていた事がわかった。葬儀は家族で執り行われたという。

 劇団員は丸山さんの遺志を継いで初日に向けて稽古を続けており、『夜汽車の人』は、丸山さんによる構成のもと、劇団東宝現代劇の横澤祐一氏が演出を手掛ける。

次のページへ (2/2) 【写真】舞台『放浪記』での丸山博一さんと森光子さんの2ショット
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