花江夏樹、人気アニメで1人8役の新境地 多彩な声の魔法で演じ分け「非常にやりがい」

人気声優の花江夏樹(32)がNHK Eテレのアニメ『チキップダンサーズ』第3期(9月25日スタート、月曜8時45分)で1人8役に挑戦する。同アニメは、ちょっぴりチキンでも好奇心いっぱいの「ほねチキン」たちが活躍する人気シリーズ。花江が「8色」の声の秘けつを語った。

花江夏樹が「8色」の声の秘けつを語った【写真:荒川祐史】
花江夏樹が「8色」の声の秘けつを語った【写真:荒川祐史】

娘も“パパ”の声が分からず「それが面白いです」

 人気声優の花江夏樹(32)がNHK Eテレのアニメ『チキップダンサーズ』第3期(9月25日スタート、月曜8時45分)で1人8役に挑戦する。同アニメは、ちょっぴりチキンでも好奇心いっぱいの「ほねチキン」たちが活躍する人気シリーズ。花江が「8色」の声の秘けつを語った。(取材・文=平辻哲也)

 同アニメはサンエックスキャラクターによる初の地上波アニメ。「からだがうごくと、こころもおどる」をコンセプトに、ダンスに力点を置き、子どもから親子まで楽しめる作品になっている。2021年10月期に第1期、22年9月に第2期が放送され、アマゾンプライムなど配信サイトでも見ることができる。

 花江はこれまでの2期で、ほねチキン、スキップガエル先生、なんこつ、くしかつ、小チキン、ぎゅうにゅうアイスの1人6役を披露。新シーズンでは、新たに2役を増やした。

「子どもたちに楽しんでもらいながら何かを学んでほしい、というコンセプトに惹かれました。教育的な要素がある作品に非常にやりがいを感じました。8役は大変ですけど、信頼されていると感じるのはうれしいですね。すごく楽しい作品だなと感じています。基本的には家で声のイメージを決めて、スタジオで監督に聞いてもらう感じでした」

 それにしても、8役の声を忘れることはないのか。

「大体は忘れることはないです。収録時に8役のキャラクターを切り替えてやっていて、テストを通じて、キャラの声を出しているので、慣れるんです」。中でも、お気に入りのキャラクターは、ほねチキンらに楽しいダンスを教えてくれる「スキップガエル先生」だ。

「自由に演じることができるキャラクターで、地声に近いトーンで演じているので、一番楽しく演じています」。9月で3歳になる双子の女児も大ファンだという。

 新キャラの目玉はトノサマガエル師匠だ。スキップガエル先生の師匠で、白い髪を1本にたばね、白まゆ、白ひげをはやしたシニアキャラ。特技は「いつまでもキレキレのダンス」という設定だ。

「年寄りキャラはここの中にはいなかったので、ちょっとしわがれた、ちょっと線の細いようなトーンでやらせていただきます」

 本作に限らず、声の質感やキャラクターなど声づくりはどうやって決めているのか。

「作品が何を伝えたいのか、誰に向けているのか、どういう空気感を求めているのかによってかなり違ってきます。例えば、『チキップダンサーズ』は子ども向けなので、言葉一つ一つを大事にして、子どもたちが理解しやすいようにしています。シリアスな作品になると、本当にリアルなトーンで話すこともあります。感情の振り幅も作品ごとに違うので、ミリ単位で感情を表現しなければなりません」

1人8役に挑戦した花江夏樹【写真:荒川祐史】
1人8役に挑戦した花江夏樹【写真:荒川祐史】

演じる上で一番難しいのは、敵キャラ

 演じる上で一番難しいのは、敵キャラだという。

「敵対しているキャラクターの気持ちは描かれないことが多いですが、演じる側としては、そのキャラクターの立場でしっかりと考えて演じなければなりません。出演回数やシーンが少ないので、手がかりが少ないので、難しいです」

 それにしても、驚くべきは、音域の幅の広さ。これは持って生まれたものなのか。

「声優を志してないときは意識してなかったので、分からなかったです。ただ、昔よりは低い声も出るようになったし、逆に高い声も出し方のコツというかだんだん分かってきて、より高い声も出せるようになった気はします」

 養成所を経て声優になる人が多いが、花江の場合は、山寺宏一に憧れ、所属事務所にボイスサンプルなどを送ったことがきっかけになっている。

「運が良かったというのはあると思います。それでも、行動を起こさないとつかめないので、何でもやってみるというのは大事だと思っています。それは昔からのポリシーですね」

 声優業のほかにも、個人の趣味的な活動としてゲーム実況がメインのYouTubeチャンネルも開設。チャンネル登録者数210万人を超える人気。昨年からは中国の動画サイト『bilibili(ビリビリ)』でもチャンネルを開設し、38万人以上を獲得している。

「昔から、企画をしたり、発表するのは大好きでした。それが生きたのかもしれません。最近では海外にも行く機会が増えていますが、国や言語を超えて、支持してくれることには驚きます。中国語も少し学んでいますが、まだ完璧ではありません。ただ中国のファンはとても熱心で、日本語でコミュニケーションをとってくれます」

 子どもたちに日常生活や生活習慣を楽しく教える作品をやりたいそうで、『チキップダンサーズ』はまさにうってつけの作品だろう。

「完成した作品が子どもたちに届くことを想像すると、モチベーションが上がります。子どもたちには『これ、パパの声だよ』というんですが、いつもの話し方とは違うので、分からないみたい。それが面白いですね」とパパの顔をのぞかせた。

□花江夏樹(はなえ・なつき)1991年6月26日、神奈川県出身。主な出演作は以下の通り。『鬼滅の刃』(竈門炭治郎役)、『東京喰種、東京喰種√A』(金木研役)、『四月は君の嘘』(有馬公生役)、『サマータイムレンダ』(網代慎平役)、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』(エラン・ケレス役)、「NieR:Automata Ver1.1a』(9S役)、『マッシュル-MASHLE-』(セル・ウォー役)、また10月から放送の『アンデッドアンラック』(シェン役)、『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』(加島龍斗役)、『Paradox Live THE ANIMATION』(棗リュウ役)に出演予定。

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