俳優の趣里がヒロイン・花田鈴子（はなだ・すずこ）を演じる、10月2日スタートの2023年度後期のNHK連続テレビ小説（第109作）『ブギウギ』（月～土曜、午前8時）の完成披露会見が8日、NHKで行われた。会見には、柳葉敏郎、澤井梨丘らが出席。本作への意気込みを語った。

　本作は、大阪の下町の銭湯の看板娘として育つ鈴子がヒロイン。小さな頃から歌って踊るのが大好きで、やがて歌の才能を発揮し始める。そして歌手の道を歩んでいき、戦後のスターとなっていく半生を描く。実在の人物である戦後の大スター・笠置シヅ子さんをモデルに、波瀾（はらん）万丈の物語をフィクションとして再構成する。

　第1週が報道陣に披露されたこの日。趣里は「今日を無事に迎えられてうれしく思っております。鈴子の原点が詰まっていて、早く2週目が見たいですよね!?」と投げかけた。

　今作では朝ドラでは、異例となる主題歌も担当する。劇中でも歌唱シーンが描かれ、「歌はその都度、細かくレッスンを受けていて、歌うことが楽しくなってきてよかったなと思っています」と手応えを明かした。

　主題歌を担当することについては、「いまだに『ホントに？』って。まさかって感じで半信半疑でしたけど、どうやら本当に流れるようで」とにっこり。すると、同席した鈴子の父・梅吉役の柳葉から「だって紅白（歌合戦）狙ってんだろ？」とツッコミを受けると、「これ書いちゃうから！」と火消しに大慌て。続けて「撮影がんばります！」と力強く答えた。

　会見には、今作の音楽を担当する服部隆之氏も出席。主題歌は当初、趣里が担当する予定ではなかったものの、劇中歌をレコーディングするうちに「本当に勘がいいんですね。歌うにつれて、女優さんから歌手になっていく感じがすごくあったものですから。個性的でパワフルな歌声になっていました」と、起用した経緯が明かされた。

　また服部氏は今回、趣里と約3か月ぶりの再会。趣里について「痩せられた。ほっそりなられてた。朝ドラのヒロインは大変な仕事なんだと実感しました」とヒロインの重圧をおもんぱかり、趣里は「本当ですか？」とやせた実感はないと笑顔で答えた。

　そのほか、会見には脚本の足立紳氏、NHK大阪放送局の制作統括・福岡利武氏、橋爪國臣プロデューサーが出席した。