木の枝の上で、気持ちよさそうに眠っているように見えるのは、北海道で「雪の妖精」の名で親しまれているシマエナガ。SNSでは北海道在住の写真家・やなぎさわごうさんが撮影した“奇跡の瞬間”が大注目。5.2万件ものいいねを集めた。「どんな夢を見ているのかな?」などの感想が寄せられた投稿について、やなぎさわさんに聞いた。

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「え、寝てる?」という一文と共に投稿された2枚の写真。そこには、手のひらにすっぽりと収まりそうな大きさの白くて丸い小さな鳥。雪だるまのようにモコモコしたフォルム、フワフワの毛が人気で、「雪の妖精」と愛されている。

　キュートな姿にキュン死する人が続出した写真は、今年の1月に札幌市内の公園で撮影されたもの。眠っている姿を撮影するのは、さぞかし根気が必要だったはず。やなぎさわさんに問いかけると思わぬ回答が戻って来た。

「実は、こちらの画像は寝ている姿ではなく、雪浴び直後に顔についた雪を枝にこすりつけている場面を切りとったものになります。通常は水場で水浴びをするのですが、前日の晩に降った大雪の影響で、水場が埋まってしまった影響か、枝に積もった新雪で体の汚れを洗う行動をこのとき初めて見ました」

「ふっくらして、寝姿がキュート」「雪の妖精がねんねしてる」「うそ…天使の寝顔…」「かわいい。寝ても起きててもかわいいなんて……!!」など、投稿した写真を目にした人も“眠っている”と誤解していたが、それよりも貴重な“生きる知恵”に、シマエナガを追いかけ続けているやなぎさわさんは感動。「雪浴びは初めて見た行動だったので、うれしかったです。鳥にとって体の汚れを落とすことはとても大事なことだと知りました」と振り返っている。

　誤解をした人のため、やなぎさわさんは「ぼく、シマエナガ。（@daily_simaenaga）」のアカウントの中で、シマエナガが雪に飛び込む様子を動画で配信。「具合が悪いのかも?」と心配していた人からは、「元気で良かった」という感想も寄せられた。

　やなぎさわさんは「『え、寝てる?』という紛らわしいツイートをしてしまったせいで、みなさん本当に枝で寝ていると思われたようで、こんな場所で無防備で寝ているシマエナガを心配するリプをいくつかいただいたのが印象に残っています」と話してくれた。

　46万人以上のフォロワーに、シマエナガ愛を伝えたいと、投稿にはシマエナガをモチーフにした自作のケーキなどを作って発信したことも。写真集やグッズなどの制作・販売もしているやなぎさわさんは、その魅力について「なんといってもかわいい点につきます。正面から見ると真っ白な体に、つぶらな瞳と口というシンプルさにもかかわらず、一目見た人をひきつけてやまない見た目にはまっています」とメロメロのようだ。

　シマエナガの観察は1～2月がベストシーズンという。妖精との出会いを求めて、スノーシーズンに北海道を訪れてみたい。