ボクシング中継が地上波消滅危機 “最後の砦”だった井岡一翔はABEMAが独占PPV配信

ボクシングの元世界4階級制覇王者で前WBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(34=志成)が24日、都内で会見。6月24日にWBA同級王者ジョシュア・フランコ(27=米国)に挑戦することを発表した。会場は東京・大田区総合体育館。両者は昨年大みそかにWBA&WBOの2団体のベルトをかけた統一戦を行い、ドローだった。約半年ぶりのダイレクトリマッチとなる。当日は「ABEMA PPV ONLINE LIVE」で全試合生配信される。

会見に出席した北野雄司氏(左)と井岡一翔【写真:徳原隆元】
会見に出席した北野雄司氏(左)と井岡一翔【写真:徳原隆元】

フランコの再戦は「ABEMA PPV ONLINE LIVE」で配信

 ボクシングの元世界4階級制覇王者で前WBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(34=志成)が24日、都内で会見。6月24日にWBA同級王者ジョシュア・フランコ(27=米国)に挑戦することを発表した。会場は東京・大田区総合体育館。両者は昨年大みそかにWBA&WBOの2団体のベルトをかけた統一戦を行い、ドローだった。約半年ぶりのダイレクトリマッチとなる。当日は「ABEMA PPV ONLINE LIVE」で全試合生配信される。

 井岡は白のTシャツに黒のジャケット姿で登場。「自分自身一番望んでいた試合が決まったので、気持ちとしても気合が入ってますし、望んでいた試合ができるのはうれしく思います」と言葉を並べた。

 今回の放送プラットフォームはABEMAのPPVで配信される。ABEMAにとってはボクシングの世界戦を単独でPPV配信するのは初の試みとなる。一方で井岡の世界戦は長年TBS系列で放送されており、今回は地上波では見られないことになった。

 無料で見られる地上波とは違って、PPVはチケットを購入して視聴する。“見たい”という明確な意思がなければ見られない。日本ではお金を払って番組を視聴するというスタイルはまだ浸透しているとは言い難いが、ボクシング中継において北米などでは一般的なスタイルだ。

 かつては地上波で高視聴率を誇ったボクシング中継だが、近年は那須川天心のデビュー戦を放送した「Prime Video」、7月25日の井上尚弥―スティーブ・フルトンを放送するNTTドコモの新サービス「Lemino」、そして「ABEMA」にと放送形態が多様化。2022年地上波全国ネットで放送されたのは、井岡の世界戦2試合だけ。地上波“最後の砦”だったが、その牙城が崩れたことになる。

「地上波で多くの方に見ていただくことと、お金を払ってでも見てもらうというのは、熱狂の種類が違ってくる。ボクシングファンの皆様に地上波でやっていた頃とは違う興奮を生み出せるようにしたい」と説明したのは、ABEMA格闘チャンネルエグゼクティブプロデューサー・北野雄司氏。井岡も自身初のPPV配信について、「PPVをやっていただけることに感謝しています。評価していただけてうれしく思う気持ちと、それに応えられるように頑張ろうと思っています。僕の試合を見たいと思ってもらえる方ばかりだと思うので、期待に応えられるように全力を尽くそうと思います」と意気込んだ。

 思えば格闘技イベント「RIZIN」も2021年を最後に地上波中継がなくなり、那須川天心と武尊が戦ったキックボクシングのメガイベント「THE MATCH 2022」も結果的に地上波では生放送されなかった。このままボクシングも地上波から消えてしまうのだろうか。

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