村田諒太さん「夢をかなえる方程式はない」 目の前の目標に全力「大小は関係ない」

ボクシングの元WBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太さんが22日、東洋大・赤羽台キャンパスで行われた「TOYO ATHLETE FORUM」にボクシング部OBとして登壇。“闘う哲学者”としてスポーツに関するテーマについて思いの丈を語った。

「TOYO ATHLETE FORUM」に登壇した村田諒太【写真:ENCOUNT編集部】
「TOYO ATHLETE FORUM」に登壇した村田諒太【写真:ENCOUNT編集部】

身に付けるべき習慣は「良い食文化」

 ボクシングの元WBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太さんが22日、東洋大・赤羽台キャンパスで行われた「TOYO ATHLETE FORUM」にボクシング部OBとして登壇。“闘う哲学者”としてスポーツに関するテーマについて思いの丈を語った。

「スポーツと哲学」をテーマしたトークでは、「東洋大学はすごく価値のある大学。表面上の知識だけを得るのではなく、深いところまで考えることが必要です。というのも今はネット社会で、グーグルやチャットGPTである程度の答えは出てくる。その中で、その知識をどのように使って、どうやって人のために活かしていくか。我々はAIを活用する側にいて、物事を少しでも深く考えることが哲学を学ぶ上で求められているのではないかと思います」と述べた。

 毎日3時間30分の英語の勉強を行っていると司会者から明かされると照れ笑いを浮かべた村田さん。現在も英語の勉強は継続しているという。

 そして「スポーツと食」に関する話題では、「若いうちに良い食事の習慣を付けておくことが大事。人間は3歳で食べたものは永遠に食べ続けると言われています。良い食文化を子どものうちに親として教えたいです。それを身に付けていたから、ボクサーのとき減量しても大変ではありませんでした」と会場に訪れた親子へ伝えた。

 続く「スポーツをささえる人」のテーマでも“村田節”はさく裂。「世界大会を日本で開催したけれど、資金面とかの支えがなければできませんでした。コロナ禍で試合ができたのも周りの支えがあったから。それを勘違いして、現実を見ずに自分の力だと思い込んでしまうと事実とズレる。だから感謝をしろではなく、感謝せざるをえない環境にいると思っています」と感謝を口にした。

 会場にはボクシング部の後輩たちの姿も。冷蔵庫に自らを鼓舞する紙を貼り、実際にロンドン五輪で金メダルを獲得した村田さんは、「世間からは夢をかなえた人というイメージがあります。よくどうやって夢をかなえられるか質問されるけど、そんな方法や方程式はないと思っています」と断言。

 そして、「ボクシング人生を振り返ったときに、どの試合も真剣に緊張感持って向き合ってきました。今なにかに取り組んでいることに対して一生懸命に頑張ってそれをクリアしていくだけ。それを繰り返して重ねていく、たまに失敗にしてもそこからまた重ねていけばいい。振り返ったときに、ああこんな結果を残していたんだ、成功していたんだ、と。今目の前にある目標に一生懸命、それがすべてです。そこに大小は関係ない。それを学生時代に経験してほしいです」とエールを送った。

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