青木真也を独占直撃 自粛マット界に喝「今、格闘技をやらなくてどうするんだって!」

17日、AbemaTVにて「Road to ONE:2nd」が生中継され、元ONE世界ライト級王者の“バカサバイバー"青木真也がグラップリングルールで世羅智茂(2017年 IBJJFアジア選手権黒帯フェザー級準優勝)と対戦。コロナ禍の最中に都内で行われた無観客試合であり、感染防止のためにセコンドに付いた全員が防護服とゴーグルを着用、試合を行うこと自体に賛否が飛び交う中、MMAファイター対グラップラーの一戦は決着がつかず、10分時間切れドローとなった。試合後に青木は「いつ死んだっていいんだよ、俺。いつ格闘技やめてもいいんだ。死にたくねえ? 負けたくねえ? だったらずっと家にいろよ。ステイホームって書きこんでろ。でも生きるってことはそういうことじゃねえよ」とマイクアピールした。一夜明けた18日、青木に今回の試合に出た真意と最近のマット界に思うことから今後の予測を含め、テレビ電話を使って話を聞いてみた。

テレビ電話で取材に応じた青木真也
テレビ電話で取材に応じた青木真也

セコンド全員が防護服「いつ死んだっていいんだよ」

 17日、AbemaTVにて「Road to ONE:2nd」が生中継され、元ONE世界ライト級王者の“バカサバイバー”青木真也がグラップリングルールで世羅智茂(2017年 IBJJFアジア選手権黒帯フェザー級準優勝)と対戦。コロナ禍の最中に都内で行われた無観客試合であり、感染防止のためにセコンドに付いた全員が防護服とゴーグルを着用、試合を行うこと自体に賛否が飛び交う中、MMAファイター対グラップラーの一戦は決着がつかず、10分時間切れドローとなった。試合後に青木は「いつ死んだっていいんだよ、俺。いつ格闘技やめてもいいんだ。死にたくねえ? 負けたくねえ? だったらずっと家にいろよ。ステイホームって書きこんでろ。でも生きるってことはそういうことじゃねえよ」とマイクアピールした。一夜明けた18日、青木に今回の試合に出た真意と最近のマット界に思うことから今後の予測を含め、テレビ電話を使って話を聞いてみた。

――お疲れ様です。まず一夜明けて、今の心境は?

青木「しょっぱい試合でした。申し訳ないです。いろんなことに絶望と落胆ですよ」

――いろんなことに?

青木「自分の無力さに対してはもちろん、対戦相手、格闘技界、マット界、世の中……。これから生きていくことが嫌になるくらい」

――そこまで!?

青木「今は絶望感しかないけど、生きていくってそういうことみたいだから生きていきますよ。だけどもう、嫌になっちゃうよなー」

――では、ここからは気を取り直して(笑)。試合後は問題提起を含めた発言が飛び出しましたね。

青木「あれもやりたくなかったんですよ。消え去りたい気持ちが強くて」

――それでもやった?

青木「やらないとカタチにならなかったし、申し訳ないと思ったから。それで少し尖ったことを言ったんですけどね。届く人には届くと思う。だけど今はコロナ問題に関して一様に、そして声高に『ステイホーム』が叫ばれているじゃないですか」

――在宅ワークも急増していると思います。

青木「今、僕らの仕事である『練習』をしていることにすら、とやかく言われたりするんですね」

――練習にもいろいろあるでしょうけど、確かに今はスパーリングはするなと言われるでしょうね。

青木「だけど中にはそれを理由に練習に来なくなったりするし、家族からは『練習に行かないでくれ』と言われたりする」

――ええ。

青木「でも、それっておかしいじゃないですか」

――おかしい?

青木「興醒めですよ。だってプロレスラーや格闘家と結婚して家族になるっていう意味をわかっているのかって思います」

――どういうことですか?

青木「だって僕らのいる世界は、そもそもカウンターカルチャーとして存在してきたじゃないですか」

――とくに日本の場合、世間にあるカルチャーの対極にある文化圏としてマット界は存在してきた側面はあると思います。

青木「それがこの有様ですよ。情けなくなる。プロレス界も格闘技界も終わってますよ。止まってます。全団体が止まっている」

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