小学生の発明がまさかの物議 ランドセルって必要? 実は地域差、過去には廃止論も

重いランドセルを背負うことで起こる健康被害「ランドセル症候群」を解消しようと、小学生が自ら中心となり開発した製品「さんぽセル」が大きな議論となっている。製品発売のニュースに大人たちから1000件以上の批判の声が殺到、開発に関わった小学生たちはこの事態を「さんぽセル事件」と呼び憤慨している。そもそも“脱ゆとり化”で教科書の重さが増す時代、重くて高価なランドセルは絶対に必要なものといえるのだろうか。

小学生の発明がまさかの物議(写真はイメージ)【写真:写真AC】
小学生の発明がまさかの物議(写真はイメージ)【写真:写真AC】

小学生の発明に大人たちから1000件以上の批判の声が殺到 小学生も反論

 重いランドセルを背負うことで起こる健康被害「ランドセル症候群」を解消しようと、小学生が自ら中心となり開発した製品「さんぽセル」が大きな議論となっている。製品発売のニュースに大人たちから1000件以上の批判の声が殺到、開発に関わった小学生たちはこの事態を「さんぽセル事件」と呼び憤慨している。そもそも“脱ゆとり化”で教科書の重さが増す時代、重くて高価なランドセルは絶対に必要なものといえるのだろうか。

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「さんぽセル」は国内すべての既製ランドセルに取り付け可能な、キャスター付きの棒状の製品。株式会社「悟空のきもちTHE LABO」と栃木県の小学生が中心となり開発し、ランドセルに取り付けキャリーすることで総重量5キロのランドセルを体感約500グラムに軽減できるという。もちろん、取り付けたまま通常のランドセルのように背負うことも可能だ。本体の重さはわずか280グラムで、価格は5940円(税込)となっている。

 発売のニュースが報じられると、ニュースサイトには心ない大人たちから「両手がふさがったら危ない」「坂道で転がったら危険」「ランドセルは後ろに転んだとき頭を打たないためにある」「楽をしたら筋力が低下する」などの批判的な意見が1000件以上も寄せられたという。

 これに、小学生たちは「なんで、キャリーを持ったまま転ぶって思うの? ふつう手をはなします」「そもそもランドセルが重いから後ろに転ぶんじゃん!」「2つのタイヤだけでどうやって坂道を転がすの?? そんなことできないように考えてるんですよ」と反論。利用者の友達に大量のさんぽセルを配るため、5月30日からはクラウドファンディングを開始している。

「ランドセル症候群」として重すぎるランドセルによる健康被害は以前から問題になっていたが、ランドセル工業会の調査では平均購入金額がバブル期の2万8000円台から2022年には5万6425円まで上がるなど、近年は販売価格の上昇にも拍車がかかっている。通学用かばんを国全体で統一しているのは世界的にもまれで、ランドセルは日本独自の文化ともいえるが、果たして本当に必要なものなのか。

次のページへ (2/6) 京都の「ランリック」、小樽の「ナップランド」などランドセルを使わない地域も
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