日産フェアレディZの色あせない魅力 国内外30台所有のオーナーが「Z432」購入した理由
名車の魅力は何年たっても色あせない。5日に行われたクラシックカーが集う「THE銀座RUN」では、2台の日産フェアレディZが注目を集めた。今夏には7代目の新型の発売が予定される中、脚光を浴びた理由とは。2人のオーナーに魅力を聞いた。
44年前に新車で購入「免許返納まで持っていたい」
名車の魅力は何年たっても色あせない。5日に行われたクラシックカーが集う「THE銀座RUN」では、2台の日産フェアレディZが注目を集めた。今夏には7代目の新型の発売が予定される中、脚光を浴びた理由とは。2人のオーナーに魅力を聞いた。(取材・文=水沼一夫)
歯科医の埴英郎さんの愛車は、1978年式の日産フェアレディZ2/2 GS31だ。同年4月に新車で購入し、44年にわたってワンオーナーで乗り続けている。しばらく車庫に置いてある時期もあったが、自らコツコツと修理。車検を通して、再び公道を走るようになった。
オレンジの車体カラーは当時、母が気に入ったもの。4人乗りで、2シーターより30センチほど長くなっているのが特徴だ。自身は「フロントのライトの周辺が気に入っていますね」とデザインにほれた。
操作性は心地よく、令和になってもストレスのないドライブが楽しめる。「重量配分がね、もうほとんど50対50なんですね。思ったよりもハンドリングがいいんです。2シーターほどじゃないかもしれないですけど、すごくハンドリングがいいですね」。前輪にかかる荷重と、後ろのタイヤにかかる荷重がほぼ同じで、コーナリングのときのバランスも抜群だという。「今は(昔のように)速い運転はしていませんけれども、ただ、ゆっくり走っていてもね、そういうのは感じられますね」と続けた。
車体には「TOKYO NISSAN」「東京日産 新車整備済」など年季の入った当時物のステッカーも貼られている。
自身の趣向を「どうしても気に入るとずっと持っちゃうタイプ」と表現する埴さんは、ほかにもポルシェ944ターボ、ポルシェ993カレラS、メルセデス・ベンツ560SL、三菱GTOなどの車をワンオーナーで所有している。ガレージにはトヨタ・クラウンRS40も古いナンバーをつけたまま“眠っている”という。
発売予定の新型フェアレディZに対しては、「見に行きました」とチェック済みだ。「やっぱりかっこいいですね。ライト周りがこれに似ているので、とても好感を持っています」。興味は募るが、古き良き“先代Z”への愛着は揺るがない。「エンジンの車をね、自分でマニュアルで操作して運転するというのがやっぱり楽しいですね。操作しているという実感が湧きますので」と力を込めた。
手放すことは考えていない。「免許返納まで持っていたいですね」と、生涯乗り続けるつもりだ。
一方、70代の男性オーナーが乗るのは、69年式のフェアレディZ432だ。「10日前にワンオーナーから買った」と購入したてながら、何やら情感たっぷりに話すのには理由がある。