「日経トレンディ」にもランクイン 仕掛け人が明かす「ドゲンジャーズ」ヒットの理由

福岡初にして福岡発の特撮番組「ドゲンジャーズ」を知っているだろうか? 2020年4月からKBC九州朝日放送で放映され、SNSを通じて広がり、今や全国区。4月10日からは第3期「ドゲンジャ~ズハイスクール~」がKBC、TOKYO MXで放送、YouTube LIVEでも同時配信される。その仕掛け人がヒットの舞台ウラを明かす。

福岡発「ドゲンジャーズ」の仕掛け人、下青木秀輝社長(右)【写真:ENCOUNT編集部】
福岡発「ドゲンジャーズ」の仕掛け人、下青木秀輝社長(右)【写真:ENCOUNT編集部】

福岡県に実在するヒーローを結集させた特撮番組

 福岡初にして福岡発の特撮番組「ドゲンジャーズ」を知っているだろうか? 2020年4月からKBC九州朝日放送で放映され、SNSを通じて広がり、今や全国区。4月10日からは第3期「ドゲンジャ~ズハイスクール~」がKBC、TOKYO MXで放送、YouTube LIVEでも同時配信される。その仕掛け人がヒットの舞台ウラを明かす。(取材・文=平辻哲也)

「ドゲンジャーズ」は福岡県に実在するヒーローを結集させた特撮番組だ。タイトルは福岡弁の「どげん」(「どんなふうに」の意味)と米人気映画「アベンジャーズ」シリーズをかけ合わせたもの。「日経トレンディ」の「2021年ヒット商品」にもランクインした。

 これまでのストーリーは、主人公の田中次郎がヒーロー「ルーキー」となり、ヒーローとともに「株式会社 悪の秘密結社」に立ち向かうというストーリー。彼らは実際に会いに行くこともできる福岡に“実在”するヒーローで、薬剤戦師オーガマン(福岡県を中心に展開する大賀薬局)、キタキュウマン(北九州市)、営業部ヒーロー課ヤマシロン(山代ガス)、吹王火剣(ふくおかけん)、フクオカリバー(福岡)、エルブレイブ(中間市)、といった顔ぶれ。そして、毎年新たなヒーローが誕生している。

 かたや、悪役も実在。「株式会社 悪の秘密結社」は福岡県でヒーローショーの悪役キャストに特化したイベント会社で、その社長・笹井浩生氏がドゲンジャーズの生みの親だ。

「笹井さんはご当地ヒーローたちとショーをやってきたんです。2019年10月にオーガマンがデビューした際、その決めゼリフ『薬飲んで、寝ろ』がツイッターですごいバズって、ドゲンジャーズの構想をひらめきました。その数時間後には『この勢いで、番組化した方が面白いよね』と動き出し、その数か月後に撮影を始めました」

 こう話すのは「ドゲンジャーズ」の版権事業を一手に展開する版権運用会社「エムマーケットエージェンシー」(福岡・博多)の下青木秀輝社長だ。

テレビ放送ではコアな地元ネタや仮面ライダー、戦隊ものに負けない特撮のクオリティーが評判を呼び、高視聴率を獲得。2期「ドゲンジャーズ~ナイスバディ~」(21年4~6月)にあたっては、ヒーロースーツの修理代金へのサポートをクラウドファンディングで募ったところ、約3800万円も集めた。当初、数社だったスポンサーは2期では40社、現在は70社近くまで増えるなど、その勢いは止まらない。

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