【カムカムエヴリバディ】アニーの告白聞くるい 収録は一発撮り「震えながら撮っていました」

川栄李奈が3代目ヒロインを演じるNHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜、午前8時)の第109回が5日に放送され、ハリウッドのキャスティングディレクターのアニー・ヒラカワ(森山良子)が、生き別れた娘・るい(深津絵里)の母だったことが明かされた。演出・安達もじり氏と制作統括・堀之内礼二郎氏が取材に応じ、この感動的なシーンの舞台裏などを語ってくれた。

ラジオを聴く大月るい(深津絵里)【写真:(C)NHK】
ラジオを聴く大月るい(深津絵里)【写真:(C)NHK】

アニーがラジオで「るい」と呼び掛け、娘への母の思いを吐露

 川栄李奈が3代目ヒロインを演じるNHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜、午前8時)の第109回が5日に放送され、ハリウッドのキャスティングディレクターのアニー・ヒラカワ(森山良子)が、生き別れた娘・るい(深津絵里)の母だったことが明かされた。演出・安達もじり氏と制作統括・堀之内礼二郎氏が取材に応じ、この感動的なシーンの舞台裏などを語ってくれた。

 放送では、これまで英語しか話さなかったアニーがゲスト出演したラジオで、自身の過去を日本語で告白し「るい。るい」と生き別れた娘に呼びかけた。さらに「るいの前から消えることが、るいにしてやれるたった一つのわび方で、そして祈り方」と、るいと別れて渡米した際の思いを伝えた。告白の手段はラジオ。アニーの姿はほとんど映ることなく、ラジオから聴こえるアニーの声を黙って聴き、涙をこぼす、るいのアップの映像が続いた。アニーは声だけで、るいは表情だけでそれぞれの感情が表現されていた。

 安達氏は「ラジオが人と人をつなぐ瞬間という表現をするにあたって、聴いている側をずっと描いてきたので、聴いている側のるいとひなたを中心に表現するのが一番気持ちが伝わるのではないか、という思いで編集しました」。さらに「安子がどういう思いかを、るいに寄り添った形で見せた方がよりダイレクトに伝わると思いました。収録は、ものすごい緊張感。一発撮りでしたが、緊張感のある収録で震えながら撮っていました」と明かした。

 事前に(アニーの)声だけ録音し、ラジオから流れている設定で音声を再生して収録した。安達氏は、演技で深津に要求したことは「何も言ってないです」と語ると「ほぼドキュメンタリーを撮っているような感覚でした」と絶賛した。

 堀之内氏は「ラジオはその物がしゃべっているというか、人というか、存在感、温もり、冷たさが感じられるメディア。台本ではアニーさんがスタジオで話しているシーンが挟まれていたので、読んだときはあまりラジオを意識していませんでしたが、編集でアニーさんが途中から映らなくなり、すべて深津さん(るい)になっていったとき、ラジオが人であり、人と常に生きてきたメディアであるという温度感が伝わってきました。このドラマらしい描き方だったと思っています。深津さんのお芝居、というか、お芝居を越えたようにラジオに全意識を集中させているるいさんに目が釘付けになってしまって、るいさんの目に吸い込まれるような不思議な没入感がありました」と振り返った。

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