大分・中津出身、期待の21歳・植田雅 等身大の会話劇に挑戦「タメ口になると中津弁が出ます」

映画「階段の先に踊り場がある」(脚本・監督・編集・木村聡志、公開中)で主演したのが新進女優の植田雅(21)だ。大学生同士の恋を描く等身大の会話劇。ダンスの世界から女優に転身した大分県中津市出身の新星の悩みとは?

映画「階段の先に踊り場がある」では自身2本目の主演を務める植田雅【写真:小黒冴夏】
映画「階段の先に踊り場がある」では自身2本目の主演を務める植田雅【写真:小黒冴夏】

植田雅インタビュー、映画「階段の先に踊り場がある」で主演

 映画「階段の先に踊り場がある」(脚本・監督・編集・木村聡志、公開中)で主演したのが新進女優の植田雅(21)だ。大学生同士の恋を描く等身大の会話劇。ダンスの世界から女優に転身した大分県中津市出身の新星の悩みとは?(取材・文=平辻哲也)

 植田は高校卒業後に上京し、大手芸能プロダクション「レプロエンタテインメント」に所属する21歳。20年に映画「別に、友達とかじゃない」で主演を務め、本作が早くも主演2本目になる。

 女優を目指したきっかけは何か? 「高校3年間、福岡のダンススクールでお芝居をする機会をいただいたんです。最初は苦手意識があったんですけど、ダンスでステージに立つのとは全然、違う、面白いなと思ったんです。自分ではない人の言葉を口にしたり、感情を持つことに魅了され、女優をやってみたいと思って、いくつか事務所に書類を出したんです」。

「階段の先に踊り場がある」は、「感動シネマアワード」グランプリ受賞作。別れた後も同棲を続ける大学生のゆっこ(植田)と先輩(平井亜門)の物語。舞踊科に所属するゆっこは留学の夢に向かって歩き始める瞬間に、先輩との思いを断ち切れず、留学をためらってしまう……。

「最初、脚本を読んだときは、私だったら、迷わず留学するのに、と思ったんです。私とは違う価値観を持っていて、なかなかつかめない部分があったんですけど、実際にお芝居をしてみたら、重なる部分がいろいろあって、意外と似ているなと思いました。『私は先輩が好きなんなのに、なんで分かってくれないんですか』っていう感情が自然と出てきたんです」

 映画では全編会話劇で、ワンシーンワンカットといった長回しのシーンも多い。「どのシーンも長いなぁと思いましたが、掛け合いが面白かったです。最初に、『密とゆったりとしたスケジュールのどっちがいい?』と言われて、『密がいい』と言ってしまったんです。間があると、感覚を取り戻すのが大変かなと思って。そうしたら、長ゼリフのシーンが詰まった日があって、大変でした。合間の休憩時間にも共演の方と練習をして、不安を埋めていましたが、監督さんは穏やかで、終始居心地が良かったですね」

 大分の田舎で両親、兄、弟という家庭環境の下、自由にのびやかに育ったという植田。上京3年目も標準語には少し苦手意識もあるという。「タメ口になると、『しちょるけん』とか中津弁が出てしまいます(笑)。敬語は大丈夫なんですが、タメ口の標準語にはちょっと違和感があるんです。今回も、監督と読み合わせをしている中、平井さんとの会話は敬語にしようということになって、『先輩』というキャラクターになったんです」。

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