【週末は女子プロレス#38】KAIRI、4年9か月ぶり帰還リングは“因縁”の国技館「生まれ変わった自分を表現したい」

元WWEのスーパースター、カイリ・セインがリングネームをKAIRIとあらため、スターダム3・26&27両国国技館に参戦する。KAIRIはもともと2012年1月にデビューしたスターダム3期生。宝城カイリのリングネームでゼロから出発、懸命なファイトスタイルにより支持を上げ、「不穏試合」(15年2・22後楽園の世IV虎対安川惡斗)と言われた団体最大のピンチもワールド・オブ・スターダム王座奪取により救った功労者だ。

4年9か月ぶりのスターダム帰還となるKAIRI(カイリ・セイン)
4年9か月ぶりのスターダム帰還となるKAIRI(カイリ・セイン)

カイリ・セインからKAIRIへの名前変更で“復帰”

 元WWEのスーパースター、カイリ・セインがリングネームをKAIRIとあらため、スターダム3・26&27両国国技館に参戦する。KAIRIはもともと2012年1月にデビューしたスターダム3期生。宝城カイリのリングネームでゼロから出発、懸命なファイトスタイルにより支持を上げ、「不穏試合」(15年2・22後楽園の世IV虎対安川惡斗)と言われた団体最大のピンチもワールド・オブ・スターダム王座奪取により救った功労者だ。

 渡米のためスターダムは17年6月に退団しており、両国参戦は4年9か月ぶりの古巣帰還となる。しかもカムバックの舞台が両国国技館という大会場。そのうえ、両国はKAIRIになにかと縁のある場所なのだ。本欄では宝城カイリ時代から始まるKAIRIと両国の不思議な関係とともに、彼女の足跡について振り返る。

 宝城のデビュー当初、女子プロレス界は冬の時代から出口が見えそうで見えないような状況にあった。スターダムは11年1月に旗揚げし、多くの新人レスラーが一斉デビューし話題をさらった。なかでもグラビアアイドルからプロレス界にやってきた愛川ゆず季により、スターダムは一躍人気団体に躍り出る。その愛川が引退した13年4月29日、スターダムが両国大会を決行した。当時からすれば、女子団体が両国で試合をするなど夢のまた夢。そんな風潮に風穴を開けたのがスターダムで、宝城もビッグマッチを初体験。しかし、この試合が彼女のトラウマとなってしまう。

 宝城は翔月なつみとのタッグチーム宝翔天女でゴッデス・オブ・スターダム王座を奪取した。キャリアの浅い2人にとってはこれが初戴冠。しかし内容には納得できず、その後しばらく王者としての苦闘をしいられる。2人が両国のリングで唄って踊った「未来のスターダム」。若い世代がいきなりキャリアに見合わぬ大舞台でビッグチャンスを与えられるのは当時から現在にも引き継がれており、確かに“未来のスターダム”は提示した。が、本人たちには重荷であったのも事実。と同時に、この苦い経験が飛躍の糧になり、後々活きることにもなったのだ。

 高橋奈苗(現・奈七永)とのタッグで開眼し、シングルプレーヤーとしても前述したワールド王座を奪取、団体最高峰の赤いベルトを必死に守った。とくに女子プロ界の横綱と呼ばれる里村明衣子との激闘は宝城の支持率を急上昇させたと言っていい。“白いベルト”ワンダー・オブ・スターダム王座の価値を現在の位置に上げてみせたのも宝城の実績だ。

 そんな宝城が17年6月に退団。世界最大のプロレス団体WWEの日本公演が同月30日におこなわれたが、イベント開始直前に場内スクリーンにて宝城のWWE契約とともにカイリ・セインの新リングネームが発表された。すでに彼女はフロリダ入りしており、現地からのビデオメッセージが“因縁”の両国に映し出されたのである。

 WWE行きは多くのファンが予想した通りだったものの、その活躍は想像以上。女子のシングルトーナメントで優勝し初代女王の称号を手にすると、NXT女子王座を奪取。WWE昇格後も快進撃は続き、アスカとのタッグでカブキ・ウォリアーズを結成。WWE女子タッグ王座にも君臨した。数あるハイライトでも特筆すべきはPPV「TLC」のメインイベント登場だろう。

 19年12月15日、テーブル、ラダー、イスが使用できるハードコアな闘いでウォリアーズがベッキー・リンチ&シャーロット・フレアー組を破り王座防衛。挑戦者の現在の活躍ぶりをみても、この試合がいかに価値あるものかがわかるだろう。

 プロレス界最大のイベント「レッスルマニア」にも参戦し、アスカとともに数々の快挙を成し遂げてきたカイリ・セイン。最後に試合を行ったのは20年7・20「ロウ」でのベイリー戦だった。翌週の「ロウ」が最後の登場で、WWEとの契約を残しリングからはフェードアウトしていたのだ。

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