【電波生活】「音のソノリティ」が18年半も愛される理由 プロデューサーが語る“音の選び方”

人気番組や話題の番組の舞台裏を探る企画。今回は日本テレビ系「音のソノリティ」(日曜午後8時54分)。全国の自然や動物、あるいは何気ない生活の中にあっても見方によっては印象が違う風景と音を紹介し、人の心を和ませ、癒してくれる。ミニ番組ながら2003年10月にスタートして18年半もの長い間、視聴者に親しまれている。人気の要因は何か。作り手はどんなこだわりや思いを持って制作しているのか。村手武治氏、宮本靖広氏の両プロデューサーに話を聞いた。

「音のソノリティ」、心掛けているのはストーリー性【写真:(C)日本テレビ】
「音のソノリティ」、心掛けているのはストーリー性【写真:(C)日本テレビ】

日本テレビ系のミニ番組 ゴールデンタイムの合間のティータイムのような役割

 人気番組や話題の番組の舞台裏を探る企画。今回は日本テレビ系「音のソノリティ」(日曜午後8時54分)。全国の自然や動物、あるいは何気ない生活の中にあっても見方によっては印象が違う風景と音を紹介し、人の心を和ませ、癒してくれる。ミニ番組ながら2003年10月にスタートして18年半もの長い間、視聴者に親しまれている。人気の要因は何か。作り手はどんなこだわりや思いを持って制作しているのか。村手武治氏、宮本靖広氏の両プロデューサーに話を聞いた。(取材・文=中野由喜)

 宮本氏は「たとえば滝の音は正面から聞く音と、木の陰から聞くのとは違った音になり、建物の陰から聞くとまた変化します。昔、ディレクターとして現場でやっていた時、音声さんの能力によって映像の雰囲気が変わってきたことも覚えています」と語った。

 テレビマンの鋭い感性が育ててきた番組であることがうかがわれる。放送される風景と音はどうやって探し、選ばれているのか。こだわりも聞いた。

 村手氏は「音の無い物の方が世の中、少ないです。約10人のディレクターが調べ、売り込みもあります。心掛けているのはストーリーがあること。一日中、海の音と録ったら音は変わりませんでした、では話にならない。多少なりとも変化があり、ストーリー性のあることを心掛けています」。宮本氏は「たとえば職人さんの仕事の音に、日本の伝統や歴史を少しでも感じられる音があればいいなと思っています」と説明した。

 コロナ禍で行ける場所が狭まり、同じような場所が続かないようにしたり、季節感を重視したりという配慮をしているという。続いてシンプルなナレーションも聞いてみた。

 村手氏は「ナレーションであまりガチャガチャしないという番組初期からの理念を大切にしています」。宮本氏も「なるべく短く、邪魔にならないナレーション。強いて言えば、何の音だろうと興味を持たせられたらいい」。

 近年、たき火の音やそしゃく音ブームなどもあってASMRが注目されている。「音のソノリティ」はその先駆けのように感じる。

 宮本氏は「ほっと一息つけるのは共通しています。何も考えない時間というところだけが似ている気がします」とした。

 音だけ聞いていると人それぞれの映像が頭に浮かぶ。たとえば駅で切符を切るはさみの音に懐かしい思い出がよみがえったり。視聴者の反響はどうか。

 村手氏は「小さい番組の割には売り込みが多いです。たとえば市役所や県などから町おこしの一環なのでしょう『こういうのはいかがですか』と、連絡してくれることもあります。売り込みが時々、成立する珍しい番組ではあります」。宮本氏は「神回キターッ、とツイッターで上げられることもありました。それは発酵の音。味噌や日本酒など発酵の音もいろいろあるせいか発酵の音にはコアなファンがいると感じます」と紹介した。

 18年半という続く長寿番組。視聴者に長く親しまれている要因も聞いてみた。

 村手氏は「視聴者の皆さんとともに、スポンサーさんが、すごくこの番組を愛してくれていることが大きいと思います。担当の方が代わってもみなさん大切にしてくださり、最初は関東ローカルが、今は、ほぼ全国をカバーし、BS日テレでも放送しています。我々同様、スポンサーさんもこの番組を育てたいと思ってくれています」。

 最後にこの番組の魅力や番組を通して伝えたいことを聞いた。

 村手氏は「音は何にでもあります。伝えようと思えば何でもネタになります。広範囲の中から選ぶことができ、見ている人たちに共感していただける。そんな広がりのあるのが魅力。音自体はそれだけ切り取るとあまり違いがありませんがストーリーが違うと、見ている人の受けとめも違います。ゴールデンタイムの合間のティータイムのように、ちょっとほっとして、気分転換になればいい」。宮本氏も「普段、聞いているはずなのに、あらためて聞くと、こんな音だったのかとか、知らない世界が見えたりします。この番組の意味があると感じます」と話した。

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