「ドライブ・マイ・カー」、毎日映画コンクール日本映画大賞受賞 原作・村上春樹氏には手紙で依頼
「第76回毎日映画コンクール」の表彰式が15日、都内ホールで行われた。濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が日本映画大賞、監督賞を受賞。表彰式では濱口監督のコメントが代読され、「歴史ある賞の受賞を心より光栄に思っています」とよろこんだ。
アカデミー賞ノミネートで話題
「第76回毎日映画コンクール」の表彰式が15日、都内ホールで行われた。濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が日本映画大賞、監督賞を受賞。表彰式では濱口監督のコメントが代読され、「歴史ある賞の受賞を心より光栄に思っています」とよろこんだ。
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毎日映画コンクールは1946年に創立された映画賞で、映画・作品だけではなく撮影や美術、録音のスタッフ、日本映画を代表する名女優・田中絹代の名を冠する賞など、幅広い部門を設けている。
日本映画大賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」は村上春樹による短編小説集「女のいない男たち」に収録されている同名作品が原作。俳優で演出家でもある1人の男が、自身の中にある大きな喪失感に向き合いながら再生していく物語で、西島秀俊が主演を務めている。第74回カンヌ国際映画祭で日本映画として初の脚本賞を受賞、アカデミー賞・作品賞にノミネートされるなど世界で高い評価を集めている。
濱口監督は自身が審査員を務めているベルリン国際映画祭の審査でベルリンに滞在中。出席はかなわなかったが、監督賞では山本晃久プロデューサーが、大賞では配給元のビターズ・エンドの定井勇二氏がそれぞれ登壇。山本氏が濱口監督のコメントを代読し、原作の映画化許諾を手紙で依頼したことを明かし、「私の映画にとっては、彼らの存在が本質」と役者陣をたたえた。
以下、濱口監督のコメント。
歴史ある賞の受賞を心より光栄に思っています。この場を借りて、一番に感謝を捧げたいのは、カメラの前に立ってくれた役者の皆さんです。村上春樹さんに映画化許諾をお願いする手紙を書いた際には、手紙の中で、「村上さんにとっての1つ1つの文字にあたるものが、私にとっては役者なのです」という趣旨のことを申し上げました。それはつまり、私の映画にとっては、彼らの存在が本質であるということです。
私がよい監督に見えているとすれば、それはまず画面に映った役者さんの姿や、響いてくる声によって起こることです。村上さんの世界観を生身の身体で表現するという、非常に困難な仕事をやり遂げてくれた多くの役者の皆さんの仕事を改めてたたえたい気持ちでおります。
そして、役者の皆さんがすばらしい形で映っているのは、多くのスタッフ、プロデューサー、数えきれない方々の支えがあってこそです。本当にありがとうございました。
我々の仕事が多くの観客に届いていることを、うれしく、誇らしく思っています。そして、その作品を見つけてくださった毎日映画コンクールさまにあらためて御礼を申し上げます。ありがとうございました。