女優の佐久間由衣が30日、都内で行われた映画「君は永遠にそいつらより若い」特別先行上映会舞台あいさつに登場した。イベントでは、奈緒と小日向星一、吉野竜平監督も登壇し、同作の役作りやキャスティング、現場でのエピソードなどを語った。

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　本作で主演を務めた佐久間は「試写会という形で本作を初めて見ましたが、自分の作品で涙を流してしまったのは初めてで、それくらい心に響く映画を見てしまったという感覚と、こういう素晴らしい映画に関わることができて本当に幸せだなと純粋に思いました」と感慨深げに語った。

　同作は、芥川賞作家・津村記久子原作小説の映画化。卒業間近の大学生・ホリガイ（佐久間）は友人とぐだぐだした日常を過ごす。そんななか、友人・ホミネ（笠松将）の死以降、ホリガイを取り巻く日常の裏に潜む「暴力」と「哀しみ」が顔を見せる。それによって伴うやり切れない「哀しみ」に直面する登場人物たちの様子を描く。

　佐久間を主演にキャスティングした理由を吉野監督が「佐久間さんは身長というのが第一にあったのですが、初めて会って話したときに感覚というか、このビジュアルですごく庶民的で、きどらなくて、格好つけてなくて、親戚の子みたいな感じだった。この人だったらグダグダしているホリガイができるだろうなと思った」と語ると、佐久間は苦笑いを浮かべていた。

　役作りに付いて佐久間は、「この作品に入らせていただく前に、監督と打ち合わせをしました。そのときに役の履歴書を監督と作っていったのが印象的でしたね。どんな趣味・嗜好（しこう）があるのか、かばんの中は何か、水筒の中身は何かとか、細かいところまで監督とお話をしていました。だから不自由になるというわけではなくて、不安材料を少なくできたのが大きかったです」と振り返った。また吉野監督が佐久間、奈緒、小日向の3人のお茶会をセッティングしたことも明かしており、「そこでホリガイを見つけることができた」と佐久間は述懐していた。

　最後に佐久間は「やっとだなという実感があります。この作品は数年前にお話をいただいて、撮影もして、コロナもあっていろいろなものを乗り越えてできた作品です。公開はもうちょっと先ですけど、感じてくれることがあったらいろいろな人に伝えていただければと思います」とアピールしてイベントを締めた。

　本作は9月17日からテアトル新宿ほか全国順次公開。