「北斗の拳」ミュージカル化、中国ツアー実施 武論尊も期待「楽しみにしております」

全世界で累計発行部数1億部超えの伝説的漫画「北斗の拳」が日本発のオリジナルミュージカルとして、12月に東京・日生劇場にて初上演される。タイトルはミュージカル「フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~」。

「北斗の拳」ミュージカル化!【写真:(C)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983 版権許諾証GS-111】
「北斗の拳」ミュージカル化!【写真:(C)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983 版権許諾証GS-111】

ホリプロが中国企業と共同プロデュース

 全世界で累計発行部数1億部超えの伝説的漫画「北斗の拳」が日本発のオリジナルミュージカルとして、12月に東京・日生劇場にて初上演される。タイトルはミュージカル「フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~」。

 1983年から88年まで週刊少年ジャンプで連載された「北斗の拳」は、連載終了から30年以上が過ぎた今も、国内のみならず世界中で圧倒的な人気を誇っている。海外のカンパニーと国際共同プロデュースを積極的に行ってきたホリプロが、今回初の中国企業と共同プロデュースし、同作のミュージカル化が決まった。

 作曲はフランク・ワイルドホーン、演出は石丸さち子、脚本・作詞は高橋亜子、振り付けに趙明(ジャオミン)と、日米中のトップクリエーターがそろった。

 キャストはケンシロウを大貫勇輔、トキ役を加藤和樹/小野田龍之介(Wキャスト)、シン役、植原卓也/上田堪大(Wキャスト)、リュウケンほかを川口竜也、レイとジュウザは伊礼彼方/上原理生(交互で役替わり)の予定となっている。

 2021年12月に東京の日生劇場にてワールドプレミア公演を行ったあと、国内ツアー公演を経て、2022年には中国ツアーを実施する予定となっている。

 原作の武論尊は「歌って踊る前に殴ってしまうのでは……とハラハラしながらも(笑)、作品で大切にしていた『宿命』と『愛』を演じていただけるとのことで、どんな切り取り方をするのか楽しみにしております」と期待のコメント。

 原哲夫も「ケンシロウ役の大貫さんは日本人離れした体格と身体能力、あたたたたぁ~!! な高音域の歌声と退かぬ! こびぬ! 並みの踊りで、舞台はもう既に華やいでいる!!」と残した。

 その他のコメントは下記の通り。

○フランク・ワイルドホーン(作曲)
「新作ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』を大切なパートナーであるホリプロと共に皆さまにお届けできることは大変光栄です。原作の漫画は『お前はもう死んでいる』という名せりふとともにあまりに有名ですが、その音楽を作るのはとても大きなチャレンジでした。原作ファンを含む多くの方々に気に入っていただけたらうれしく思います。私が初めて挑戦した漫画原作の作品『デスノートTHE MUSICAL』の時も感じましたが、原作の素晴らしい物語と、そこに登場する魅力的なキャラクターたちが常に私にインスピレーションを与えてくれるのです。『フィスト~』はまさにそういう作品でした。この楽曲を皆さんに聴いていただくのが待ちきれません今、世界は大変困難な状況にありますが、必ず良い方向に向かい、 『フィスト~』の物語のように新しい冒険に向かって踏み出すことができますように!」

○石丸さち子(演出)
「『北斗の拳』をミュージカル化するという冒険。はじめは耳を疑いました。昭和に生まれ育ったわたしには偉大な作品過ぎましたし、等身大をはるかに超えた闘いが魅力でしたから。でも、作品の輪郭が見え始めた今、プロデューサー陣の慧眼(けいがん)に驚いています。闘うこと。探すこと。成長すること。愛すること。光を見いだすこと。ミュージカルに大切な要素がぎっしり詰まっているからです。世界の最終戦争だと思われた殺戮(さつりく)の先に、それでもまだ生き抜く人々がいて、新たな弱肉強食の世界が出現する20XX年。無秩序と混乱の世界に必要なのは、どんな強さなのか? 原作を大切に、現代を生きる女性として台本化された高橋亜子さんとディスカッションを重ねてきました。フランク・ワイルドホーンさんの音楽は、極限状態で生きる人々の心情に寄り添うように、美しく優しく、また戦闘シーンでは胸のすくようなリズムとノリで臨場感を高め、ある時は激情とともに涙を誘います。ワイルドホーン楽曲の醍醐味を味わっていただけることでしょう。空手のトレーニングを積んできた素晴らしい俳優陣とともに、今に訴える、闘う男たちの愛と哀しみの物語を立ち上げます。歌、ダンス、アクション満載の舞台を。アナログで、ハイテクで、揺さぶりをかけて。大貫勇輔さん演じるケンシロウはじめ、長らく愛されてきた登場人物たちが、原作ファンにもミュージカルファンにも、深く心に刺さる人物となるよう、作品を育てていく所存です」

○高橋亜子(脚本・作詞)
「『北斗の拳』をミュージカル化する……最初は驚きました。けれど原作の漫画を読んで考えは変わりました。拳法シーンが有名な作品ですが、私が強くひかれたのは、破滅した世界からの再生を描く物語の太い柱と、登場人物がそれぞれの信念を胸にぶつかり合う姿です。すべてのせりふ、すべての場面が劇的で、彼らの思いが常に音楽となって流れているような気がしたのです。私のその視点に、演出の石丸さんがたくさんの示唆を、フランクさんが圧倒的な音楽を加えてくださいました。寡黙なケンシロウの魂を躍動する肉体で表現するために大貫勇輔さんという唯一無二の配役にも恵まれました。数年間、夢中で取り組んできたこの作品にいよいよ命が宿ると思うと胸が震えます。闇の時代に光を目指して生き抜く人間たちのドラマを、熱く冷静に創り上げたいと思っています」

○大貫勇輔(ケンシロウ役)
「日本のみならず世界中で長く愛される作品の主人公を演じる責任感をビシビシと感じています。お話をいただいてから原作を2度読ませていただきましたが、自らの正義と愛を貫くケンシロウのような人間に自分もなりたい、と思いました。原作には名せりふがたくさんありますが、実感を持ってそれらを言えるようにすることが課題です。ケンシロウを最後まで演じ切れる強靭(きょうじん)な肉体を作るため、現在トレーニングを続けています。いつかは日本から海外に進出したいと思っていたので、今回の中国公演はひとつ夢がかなった思いです。中国人ダンサーとのコラボレーションも今から楽しみにしています。ワイルドホーンさんの楽曲も素晴らしく、歌うだけで泣けてくるようなメロディーばかりです。ケンシロウは、歌・ダンス・芝居のすべてが求められる役ですので、ダンサーとしてこれまで培ってきたことを最大限に生かし、自分にしかできない肉体表現を模索したいと思います。『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』は、原作ファンの方にも、ミュージカルファンの方にも愛される作品にしたいと思います」

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