フェアリージャパン、”衝撃”新体操映画に刺激「まだ心臓がドキドキしている」

ドキュメンタリー映画「オーバー・ザ・リミット/新体操の女王マムーンの軌跡」(マルタ・プルス監督)の試写会が19日、都内で行われ、新体操日本代表「フェアリージャパンPOLA」が登場した。

キャプテンの杉本早裕吏
キャプテンの杉本早裕吏

映画「オーバー・ザ・リミット/新体操の女王マムーンの軌跡」試写会

 ドキュメンタリー映画「オーバー・ザ・リミット/新体操の女王マムーンの軌跡」(マルタ・プルス監督)の試写会が19日、都内で行われ、新体操日本代表「フェアリージャパンPOLA」が登場した。

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 ロシア代表のマルガリータ・マムーン(リタ)が鬼コーチの指導を受けながら2016年のリオ五輪で金メダルを獲得するまでの道のりを追ったドキュメンタリー。米国ナンバーワンの映画批評サイト「ロッテントマト」で「100%Fresh!」を獲得、米紙ニューヨーク・タイムズでも「華麗なリタに目を奪われた次の瞬間、現実にあるホラーを体験することになる」と評され、知られざる世界を映し出した作品として、各国映画祭でも絶賛された話題作だ。

 フェアリージャパンは昨年9月の世界選手権で団体総合で44年ぶりの銀メダル、団体種目別ボールでは史上初の金メダルを獲得。東京五輪での活躍が期待されている。山崎浩子強化本部長のほか、団体メンバーのキャプテン・杉本早裕吏、松原梨恵、竹中七海、鈴木歩佳、熨斗谷さくら、横田葵子がトークを行った。

 頂点を目指す裏にある極限の努力と美しくも苛烈な物語に、鑑賞後の妖精たちはさすがに驚きの表情。「ずっと体に力が入っていて、選手側としてすごい気持ちが分かる気がするし、マムーン選手の演技はすごい美しくて、その裏に壮絶な闘いがあるんだなと胸がいっぱいになりました」(杉本)「ロシアでトップで闘うにはプレッシャーとか重圧とか分かっていたんですけど、思っていた以上にいろんなものを抱えて闘っていたんだとすごい心が打たれたし、すべてをかけて新体操をやっていたんだというのが本当に伝わってきました」(松原)「まだ心臓がドキドキしているくらい衝撃的でした」(熨斗谷)と声を揃えた。

 フェアリージャパンも、これから東京五輪に向け過酷な選考が待つ。個々の選手が母国開催のプレッシャーといかに向き合うかもポイントの1つだ。

 竹中は「自分自身も、どんな苦しい場面でも美しく演技ができるっていう部分を見習わないといけない」と発奮。鈴木は「見れてよかったと思うし、動きの美しさとか、その裏ですごいプレッシャーと闘ってあの舞台に立っているのはすごい」と気合を入れた。リオ五輪の経験がある横田は「絶対王国のロシアはすごいプレッシャーの中で闘っていて、マムーン選手は父が亡くなりそうということが分かりながらも、絶対自分の演技をしなければいけないという重圧の中、それを感じさせないくらいの演技をオリンピックではしていた。すごい胸が痛かったんですけど、勉強になることがあった」とうなずいた。

 山崎強化本部長は「ちょっと胸が痛かった。華麗な演技の裏にこんな毎日があったんだと心臓が痛かったのが正直な気持ちです」と感想を述べた。

 東京五輪は7月に開幕する。杉本は「練習はつらいというか、難しいことをやるので、うまくいかないとモヤモヤする気持ちもたくさんある。個人競技ではないので、時間がかかるけど、それを成功できた時は喜びに変わるし、試合でうまくいった時は嬉しい気持ちになる。苦しい先にはいいことがあると、私はすごく信じているので、苦しい時はみんなの笑顔を見てチームで頑張るようにしています」と競技の魅力を力説。「東京五輪でやりきるためにも日々の練習を1人ひとりがやりきった状態で本番を迎えたい」と、メダル獲得へ決意を新たにした。

 同映画は今年春、ヒューマントラストシネマ渋谷などで公開される。

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