俳優の安藤政信が19日、東京・三鷹市芸術文化センターで行われた、太宰治「斜陽」執筆75周年記念映画「鳩のごとく　蛇のごとく　斜陽」（2022年全国公開）の製作発表記者会見に参加した。太宰自身をモデルにした作家の上原二郎を演じる。

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　太宰の晩年のベストセラー小説「斜陽」を、チーフプロデューサーに永井正夫、名匠・近藤明男を監督として実写化。この日の会見は、太宰をしのぶ日「桜桃忌」にあたり、太宰が昭和14（1939）年から同23（48）年に亡くなるまでを過ごし、こよなく愛した三鷹市で開催。太宰の墓がある禅林寺の近くが会場となった。

　近藤監督が「ここ数年で太宰を演じる役者さんはいないのではないかと思うくらい、ぞっこん」と評した上原二郎の役。安藤は「本当に撮影前なのでいろいろなことを掘り下げられていないのですが、まだちゃんと上原像を作っていないのですが、蜷川実花の『人間失格』（蜷川が監督を務めた作品）には勝ちたいなと。実花は友人なのでエールを込めて。僕もそれに勝てるように頑張ります」と、ユーモアあふれる表現で意気込みを語った。

　一方で、主演を務める宮本茉由とは初対面という。会見に出席した宮本が安藤の印象について、「バラエティー番組で見る安藤さんと、映画の中の安藤さんがけっこう違ってギャップがある。実際にお会いしてみて、すてきな方だと思いました」と話すと、すかさず安藤は「自分のイメージがいきなりバラエティーから入るとは……。一応25年間映画をやってきて自分は映画俳優だと思っているんですが」と話しながらも、笑顔を見せていた。

　作品については「愛にあふれた小説で愛にあふれた映画だと思います」と語っている。

　会見には、安藤と主人公・かず子役の宮本のほか、上原の妻・亜津子役の白須慶子、女給・みわ子役の岡元あつこが出席した。

　また、歌手・白石恭子がタイトルバック曲「少しは私に愛を下さい」を披露。河村孝・三鷹市長も参加した。