【週末は女子プロレス #1】坂崎ユカ「試合後は廃人のように無」 山下実優戦で見えた“女子大トリ”の可能性を探る

6月6日さいたまスーパーアリーナのメインアリーナで開催された「サイバーファイトフェスティバル」には、ノア、DDT、東京女子プロレス、ガンバレ☆プロレスの4団体が集結し、プロレスの一大フェスティバル空間が現出した。

坂崎ユカ【写真:新井宏】
坂崎ユカ【写真:新井宏】

東京女子を見せつける最高のカード

 6月6日さいたまスーパーアリーナのメインアリーナで開催された「サイバーファイトフェスティバル」には、ノア、DDT、東京女子プロレス、ガンバレ☆プロレスの4団体が集結し、プロレスの一大フェスティバル空間が現出した。

 全15試合がマッチメイクされた中でも、ノア、DDTの最高峰王座戦と並び「トリプルメインイベント」としてラインアップされたのが、東京女子のプリンセス・オブ・プリンセス選手権試合だった。ノアが武藤敬司VS丸藤正道のGHCヘビー級選手権試合、DDTが秋山準VSHARASHIMAのKO-D無差別級選手権試合。男子の2大タイトルマッチと同格で並んだのが、山下実優VS坂崎ユカだったのだ。

 山下と坂崎は、2013年12月の旗揚げ当初から初期メンバーとしてライバル関係を構築してきた。今大会を前に至宝のベルトを奪還した山下が過去にV10の最多防衛記録を達成すれば、坂崎は1年以上にわたりベルトを保持。とくに昨年から続いている新型コロナウイルス禍で大会の中止が相次ぐ中、選手間に広がりつつあった不安を和らげ、団体をけん引してきた姿は王者以上の成長を彼女にもたらせた。山下が王者に復活した5月4日の後楽園ホール、坂崎はライバルの中島翔子&瑞希を破って挑戦権を獲得。団体の歴史を振り返ってみれば、サイバーフェスで東京女子を見せつけるに最高のカードになったと言えるだろう。

 試合前、坂崎はメインで顔をそろえるメンバーを「歴史上の人物」と表現した。武藤、秋山、丸藤…女子プロの世界にいれば、普段は遭遇するはずのないレスラーたちだ。しかし今回は、彼らリビングレジェンドと同格の立場でリングに立つ。試合順としてはセミ前ながらも、3大メインの先陣を切るのが、女子の試合なのだ。

 坂崎にとっては、これが初めてのビッグマッチではない。19年11月のDDT両国大会でプリンセス王座を奪取し、東京女子のトップに就いた。20年11月に単独で開催したTDCホール大会では、団体史上最大のビッグマッチをメインイベンターとしてしっかり締めてみせた。が、それとは異なるプレッシャーが今回はのしかかる。会場の規模や、あとから出てくる顔ぶれからしても、けた違いだ。

「(ビッグマッチ出場の)回を重ねていくうちに自分で自分にプレッシャーをかけている部分も強くなっていきましたね。(両国の)中島戦とか(TDCの)瑞希戦を経てお客さんに満足してもらってる実感がある分、もっともっとみたいな感じでどんどんハードルが上がっているような気がしているんです」

 今回は、男子最高峰とも言える試合と比較されるシチュエーション。女子プロ全体としても前代未聞の状況だ。そんなリングに坂崎は、挑戦者として立ったのである。

「入場の花道で、アタマの中が熔けてました。アタマがフワ~ってなってる状態で歩いてましたね(苦笑)。しかもなかなか入場の余韻が消えなくて、自分でも切り替えなくちゃと思いながらセコンドについてくれた瑞希や中島の顔を見て、握手してもらったりとか、頬を叩いたりとかしてたんです」

 会場の雰囲気にのまれたわけではない。本来なら客席に目をやり、たとえば誰が見ているかなどもチェックするタイプとのこと。しかしこの試合では、やはり勝手が違ったようだ。それでも一度エンジンがかかればいつも以上に対戦相手に集中することができたという。実際、試合中の坂崎からは、これまで見たことのないような険しい表情が目についた。やはりこの空間は、特別だったのだ。

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