【プロレスこの一年 ♯48】飯伏、中嶋、潮崎、鷹木、諏訪間…新人デビューの当たり年となった04年のプロレス

今から17年前の2004年(平成16年)は、新人レスラーの当たり年だった。鳴り物入りこそ少ないが、現在の主要マットでエース級の活躍を見せる選手が何人もデビューしたのが04年なのである。たとえば、中嶋勝彦(WJ、現NOAH)、飯伏幸太(DDT、現・新日本)、潮崎豪(NOAH)、鷹木信悟(DRAGON GATE、現・新日本)、諏訪間幸平(現・諏訪魔、全日本)。さらに現在、ガンで闘病中のフジタ“Jr”ハヤト(みちのく)。フジタは欠場中だが、彼ら全員が現役として戦っている。今回は、新人の当たり年と言える04年のプロレス界を振り返る。

第37代IWGPヘビー級王座に輝いたボブ・サップ(写真は04年5月)【写真:平工幸雄】
第37代IWGPヘビー級王座に輝いたボブ・サップ(写真は04年5月)【写真:平工幸雄】

史上最年少IWGPヘビー級王者の中邑真輔がNWFヘビー級王座も奪取

 今から17年前の2004年(平成16年)は、新人レスラーの当たり年だった。鳴り物入りこそ少ないが、現在の主要マットでエース級の活躍を見せる選手が何人もデビューしたのが04年なのである。たとえば、中嶋勝彦(WJ、現NOAH)、飯伏幸太(DDT、現・新日本)、潮崎豪(NOAH)、鷹木信悟(DRAGON GATE、現・新日本)、諏訪間幸平(現・諏訪魔、全日本)。さらに現在、がんで闘病中のフジタ“Jr”ハヤト(みちのく)。フジタは欠場中だが、彼ら全員が現役として戦っている。今回は、新人の当たり年と言える04年のプロレス界を振り返る。

 新日本1・4東京ドームでは、前年12月9日にデビュー1年4か月、23歳の若さで史上最年少のIWGPヘビー級王者となった中邑真輔が高山善廣を破り防衛を果たすとともに、高山のNWFヘビー級王座も奪取。復活NWFのベルトは試合後に返上、封印された。これと同じ日、ハッスルがさいたまスーパーアリーナでビッグマッチ「ハッスル1」を開催。小川直也が元WCWのビル・ゴールドバーグに敗れ、橋本真也はベイダーに勝利。また、川田利明がマーク・コールマンを破った。小川は高田延彦を投げ飛ばして“ハッスルポーズ”を披露した。

 その翌日、前年9月6日に金網総合格闘技「X-1」で初リングに上がった中嶋勝彦がWJ後楽園大会にてプロレスのリングへ。石井智宏を相手に15年9か月の最年少プロレスデビュー戦を行った。

 2月には世界最大のプロレス団体WWEが“ストーンコールド”スティーブ・オースチンとともにロウ・ブランドで日本上陸。広島、大阪、さいたまスーパーアリーナでストーンコールド旋風が吹き荒れた。

 新日本2・15両国ではIWGPヘビー級王座決定トーナメント決勝戦が行われ、天龍源一郎を破った天山広吉が戴冠。GHCジュニアヘビー級王者の獣神サンダー・ライガーが、団体への奪還をもくろむ大ベテラン百田光雄を返り討ちにし、防衛に成功した。

 スペル・デルフィン率いる大阪プロレスが2月21日、大阪城ホールにて第4回「スーパーJカップ」を8団体参加で開催。決勝戦は丸藤正道(NOAH)VS村浜武洋(大阪)で、本命の丸藤が優勝を勝ち取った。

 2月29日にはZERO-ONEが旗揚げの地・両国で3周年記念大会を開催。橋本真也が長州力を破ってみせた。また、長州のWJは3月1日に後楽園ホールで旗揚げ1周年。中嶋が初代タイガーマスクの胸を借りた。

 新日本3・12代々木では、邪道&外道組を破ったカレー・マン&アメリカン・ドラゴン(現ダニエル・ブライアン)組がIWGPジュニアタッグ王座を奪取。外国人コンビによる同王座獲得は初めての快挙だった。また、同大会では佐々木健介が天山を破りIWGPヘビー級王座4度目の奪取。しかし3・28両国でボブ・サップに敗れ、王座を明け渡してしまう。欠場によりIWGP王座を返上していた中邑は、この大会で天山を破り復帰を果たした。また、棚橋弘至が村上和成と金網マッチでのU-30無差別級王座戦。リングは別会場に設置され、試合の模様が場内スクリーンに映し出される異例の方式だった。

 4月14日、中嶋がWJを退団し、佐々木健介&北斗晶の健介ファミリー入り。中嶋を引き取ることになった健介は、全日本の「チャンピオン・カーニバル」で決勝に進出。4・30代々木で行われた決勝戦では、武藤敬司が健介を破り優勝を飾った。同大会では健介夫人・“鬼嫁”北斗がケンドー・カシンと一騎打ち。すでに現役を退いている北斗が男子団体のリングで勝利を挙げた。三冠ヘビー級王者・川田利明はハッスルのリングに乗り込み防衛戦。5・8横浜アリーナで、有刺鉄線バットを持ち込んだミック・フォーリーを相手に勝利を奪い、王道マットの至宝を守り抜いた。

 サップがベルトを巻いたことで新日本とKー1の4番勝負が新日本5・3東京ドームで実現。柴田勝頼が武蔵に敗れ、棚橋と吉江豊がショーン・オヘア(元WWE)、ジャイアント・ノルキアにそれぞれ勝利した。サップは中邑を相手にIWGP王座を防衛も、返上により6・5大阪で王座決定戦。棚橋を破った藤田和之が新王者となった。6月23日、藤波辰爾が社長を退任、草間政一が代表取締役に就任した。

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