リアルジャパン12・6後楽園をプレイバック「あの頃のストロングスタイル」を目指して
アントニオ猪木氏(76)や初代タイガーマスクらが活躍した"昭和の新日本プロレススタイル"の復興を目指すリアルジャパンプロレスが5日、東京・後楽園ホールにて「ストロングスタイルプロレスVol.4」を開催した。メインイベントでは猪木の愛弟子・藤田和之(49)と総合格闘技でも活躍した船木誠勝(50)が対戦。年内最後の大会を振り返ってみた。
超多団体時代に唯一無二の存在感を放つ団体 リアルジャパンプロレス
アントニオ猪木氏(76)や初代タイガーマスクらが活躍した”昭和の新日本プロレススタイル”の復興を目指すリアルジャパンプロレスが5日、東京・後楽園ホールにて「ストロングスタイルプロレスVol.4」を開催した。メインイベントでは猪木の愛弟子・藤田和之(49)と総合格闘技でも活躍した船木誠勝(50)が対戦。年内最後の大会を振り返ってみた。
リアルジャパンは、「真のストロングスタイル復活」をテーマに2005年に旗揚げされた団体。ここでいうストロングスタイルとは、視聴率20%超えの大ブームを巻き起こした昭和の新日本プロレススタイルを指すと言っていい。よってリアルジャパンには昭和の匂いがする強豪が集結、団体数を数えることがもはや無意味と化した超多団体時代において、唯一無二の存在感を放つ希有な団体なのである。
令和元年最後の大会でメインイベントを飾ったのは、猪木、初代タイガーの遺伝子を引き継ぐ藤田と船木の一騎打ちだった。この試合には、藤田が9月19日後楽園大会で団体のエースであり初代タイガーの愛弟子スーパー・タイガーから強奪したレジェンド王座のベルトが懸けられていた。
スーパーが敗れた直後に対戦を直訴したのが、船木だった。船木は初代タイガーにあこがれ新日本入門。初代タイガー欠場中の現在、「リアルジャパンを守る」と宣言し、それまでは大会中盤に組まれることの多かったレジェンド王座戦をスーパーや関本大介(38)らとの激闘によって価値を上げてきた。その船木がタイトル奪回に名乗りを挙げたのだ。藤田、船木とも新日本でデビューし、格闘技界でも名を馳せた。ともにプロレスに回帰し、リアルジャパンのリングで対峙することになろうとは――。
試合は慎重な探り合いからスタートし、緊張感が客席後方まで伝わった。その証拠に、この攻防だけで場内全体で拍手が沸き起こったのである。その直後にグラウンドでバックにまわった藤田のスピードも特筆もの。船木も冷静に対応したが、気がつけば眉のあたりから血が流れている。それでも打撃のラッシュからの左ハイキックで藤田をよろめかせることに成功。さらに顔面を蹴り上げると背後にまわりスリーパーを仕掛けてみせる。しのいだ藤田は4発目のミドルキックをキャッチしてバックドロップ。顔面蹴りは船木がかわして打撃のラッシュからハイブリッドブラスターを狙うが、さすがに藤田の身体を持ち上げるには至らなかった。
その後、藤田がヘッドバットを叩き込むと船木がダウン。そして最後はパワーボム、顔面蹴り、チョークスリーパーで畳みかけ、第14代王者が2度目の防衛に成功した。